「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「白い肌と黄色い隊長」と朝日新聞お薦めの本の虚実

2014-02-06 06:57:14 | Weblog
小ブログの読者の一人が朝日新聞の慰安婦記事に関連してインドネシアの作家プラムデイァ.アナン.トゥ-ルの「日本人に捨てられた少女たち」を読めと勧めてきた。残念ながらまだ読んでいないが、内容を紹介したネットをみると、全くあり得ない話が出てきて到底読む気にはならない。その話は戦時中、北セレベスにあった連合国の婦女子収容所から日本軍兵士が17,8歳のオランダ少女を強制的に連行”従軍慰安婦”にしたというのである。

戦時中北セレベスにはマカッサル郊外のカンピリという避暑地に婦女子の収容所があり、2千名が自主的に共同生活をしていた。日本側は山地正海軍二等兵曹が収容所の管理にあたっていた。戦後の連合軍BC級戦犯裁判では、捕虜収容所、民間人収容所関係の方が一番多く、逮捕され中には処刑されている。ところがカンピリでは、山地氏の収容者への扱いがよく、一人も戦犯者も出しておらず、逆に戦後オランダ政府は山地氏に感謝状を贈っている。この話は昭和60年文春から「白い肌と黄色の隊長」という本になって出版され、松竹から映画化もされている。プラムデイアの作品は事実ではなく小説なのである。

プラムディアは昭和40年9月30日のクーデター未遂事件でインドネシア政府によって逮捕され、モルッカ諸島のブル島の刑務所に収容されたいた。これもネット情報で恐縮だが、この時島で見聞した話として戦争中同島に駐屯していた日本軍が、日本へ留学させるという口実で島の少女を強姦したという。僕の友人の大先輩の今沢栄三郎さん(99)は、ブル島ではないが、隣接のセラム島はじめアラフラ海のケイ諸島に駐屯していて、その体験を「わが大君に召されなば」(抜粋は小ブログにあり)を書いているが、司令部から”慰安所か酒保か”との問い合わせに対してみな酒保(食堂)を選んだという。食糧がなく全員飢餓状態に近かったという。

「従軍慰安婦」問題の発端も千田夏光の虚実を書いた小説が発端である。そしてこれを信じて記事にした朝日新聞の記事によって河野官房長官まで騙された。今回のインドネシアの場合も構図が似ている。