「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

大気汚染、中国は無法国家なのか

2014-02-27 06:53:58 | Weblog
東京の桜は3月29日咲きそうだと開花宣言が出た。老人には嬉しい便りだが、逆に昨日、列島各地は中国から飛来した「PM2.5」により、大氣中濃度が国の基準暫定指針値を超え、大阪など西日本各地から福島県会津若松までの自治体では、住民にマスクをつけたり、激しい運動をしないよう注意を出した。テレビの画面でみると、大阪市内は濃霧で煙って中国の北京と見間違うほどだ。

中国現地からの報道によると「PM2.5」汚染濃度は計測不能なほどのレベルで、4段階のうち2番目に深刻なオレンジ警報に引き上げら、操業停止の工場まで出ているという。中国では、ここ数年春先になると「PM2.5」汚染は年中行事化してきている。一体全体、この国には大気汚染を規制する法律はあるのだろうか。調べてみると、2011年から5か年計画でNOX(硫酸酸化物)規制を含む法体制が確立されているようだが、どうもこれがきちんと守られていないみたいだ。

スモッグという言葉がスモーク(煙)とフォグ(霧)の合成語だと知ったのは、1952年(昭和27年)12月、僕が大学生の時だ。この年ロンドンでは、二酸化硫黄を多く含む濃霧が5日間立ち込め4000人も死亡している。大気汚染が世界的に問題になったのはこれが初めてだが、ロンドン市庁は早くも1954年には煤煙規制法を定め、56年には大気浄化法を全国的に施行している。

日本も1970年代は光化学スモッグの”無法時代”であった。全盛期の1973年には年に300回も東京で光化学スモッグ警報が出ている。今でも想い出すのは、東京の空から青空が消え太陽の光が見えなかった。環七道路沿いに住んでいたわが家でも長男が小児喘息にかかり通院したりした。その後のわが国の大気汚染に対する取り組みはご存知の通りである。人の領海に出向き”威嚇”行動に出るよりは、人の地に汚染物質を飛来させぬよう配慮するのが”大国”ではないのだろうか。