「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

小泉元総理のカーキ色のダウン.ジャケット

2014-02-12 05:57:23 | Weblog
「脱原発」ワン.イッシュ-(単一問題)で都知事選で細川護煕候補を応援してた小泉純一郎元総理の街頭演説をテレビの画面でみて気になることがあった。それは二人とも若者ぶってダウン.ジャケットを召されてたが、小泉氏のカーキ色が僕ら戦中世代には、ちょっと気になった。昭和1ケタ前期から、それ以前に生まれた日本人にとって、カーキ色にはある種の思いがある。

昨年暮入院中の病床で「鞍馬天狗」の作家大佛(おさらぎ)次郎の戦後の作品「帰郷」を読んだが、その中にこんな記述があった。「自分が久しく着せられて生活したせいもあるが、現在ではカーキ色には、本能のように嫌悪と憎しみを感じてきている。よくある色の中で一番日本人の心を暗くする色のように信じている」「帰郷」は昭和23年に毎日新聞に連載された小説で、当時大佛次郎は48歳であった。

小泉氏は72歳、しきりに自分を老人呼ばわりしていたが、実際はまだまだ若いと思っているのだろう。若くなければ、申し訳ないが今回のような”政治ごっこ”に出るわけはない。都政は「脱原発」一つの問題ではない。結局、細川,小泉元総理の陣営は当選した升添要一氏のの半分の票を得られず落選した。カーキ色に嫌悪感を持つ、超高齢者層の影響があったとは思えないが、なんだか政治家にも旬があるように思えた。

安倍晋三総理は、小泉氏よりさらに若く戦後の昭和29年生まれである。恐らく戦後のある時期、大方の日本人が大佛次郎と同じ思いをしていたことなど知らないだろう。しかし、敗戦に打ちし委がれた当時の日本人が、カーキ色にこんな思いがあった事は事実であった。