「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

森喜郎東京五輪組織委員長の誤解を呼ぶ敵性語発言

2014-02-25 06:50:48 | Weblog
森喜郎元総理はどうも失言癖の多い人のようだ。2020年東京五輪組織委員長でありながら、先日、フィギュア.スケートの浅田真央選手について”大事な時に、よく転ぶ”と発言した。僕らが同じような発言しても、どういうこともないが、これから6年先の五輪の成功に当たって、組織をかためて行くトップの発言だ。あまり好ましいとは思えない。森さんは現職の首相時代”日本人は神の子”発言で問題になったが、口がどうも災いの人のようだ。

その森組織委員長のソチでの記者会見が外国人記者の間で評判が悪かったようだ。昨年、東京五輪誘致のさいの「オ.モ.テ.ナ.シ」発言などで日本人は皆英語をしゃべれると誤解されたのだろうか。森さんの通訳を通じての会見は評判は悪く、さらに、その言い訳として、自分たちの世代は英語が敵性語だった時代に教育を受けたから、英語ができない”と言い訳したようだ。が、この森さんの言い訳は事実と違っている。森さんは昭和12年(1937年)生まれで、戦争中は幼児であった。英語を初めて習ったのは戦後の25年で、その時代、日本はNHKの平川唯一さんの”カム.カム.イングリシュ”の全盛期で英語ブームの時代であった。

僕は昭和18年4月、中学(旧制)に入学したが、英語は第一(読本)第二(作文)とあり選択で英習字まであった。19年には従来の英語読本は禁止され、新たに文部省編纂の教科書になったが、その中には”General Isoroku Yamamoto"で始まる文章もあった。戦争が激化して20年1月から僕らは軍需工場へ勤労動員されたが、2年生の2学期までは英語を勉強していた。友人が今でも所有しているが昭和19年版の三省堂コンサイス英和辞典の口絵には”撃ちてしやまむ”と書いた航空兵の絵が載っている。

確かに、森さんが言うように英語は敵性語であったかもしれないが、何故五輪の組織委の会見で”敵性語”が飛び出したのか。多分ご本人が英語で会見できない言い訳のつもりなのだろうが、かえって何も知らない外国人記者には、変な誤解をよぶことになる。