「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

性病チェック”M検”があった70年前の国立大入試

2018-01-14 06:11:50 | 2012・1・1
大学入試センター試験が昨日今日と行われているが豪雪のため一部の地域では試験の開始時間が繰り下げられるなど支障をきたしている。しかし、この混乱は今年に限った事ではない。毎年のことのように思われる。全国的にも一年で一番寒い時期に、なぜ、よりによって統一テストを実施するのか。学校ごとの入試が3月であっても、統一試験がその直前である必要はないと思うのだが。

僕が大学入試を受けた年は昭和23年(1948年)3月だったが、全国的な統一試験はなかった。70年前で記憶が薄れきているが、その代わりなのか”インテリジェント”とかいうメンタルテストを受けた。学科ごとの学力試験ではなくIQ(知能)テストで、これが大学入試に影響があったのかどうか不明だ。当時は試験日さえぶつからなければ公国立大学は幾つも受けられた。

僕は二校受けていずれも不合格であったが、そのうち受けた師範学校の身体検査が今でもトラウマ(心的外傷)として残っている。それは当時”M検”と呼ばれていた局部検査である。戦争が終わって3年目だが、徴兵検査のさいあった性病チェックがまだあったのである。思春期の青年にとっては大変な侮蔑で、僕はそのあとの面接試験では意識的に不合格になるように返答した。

この年のある私立大学の文系予科の作文の題目は「風」であったが、後年、不合格になった同じ仲間と当時のことを振り返り、話し合った際、彼は「風」を「虱」(しらみ)と間違えて書いたといっていた。もちろん冗談だとは思うが、反抗期で傷つきやすい年代である。ベストの環境下で試験に臨ませてやりたいものだ。