「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

メーデーではなくなったメーデー

2007-05-01 05:34:07 | Weblog
労働者の祭典メーデーは過去のものとなった。もう「聞け万国の労
働者」を歌える労働者はいなくなったようだ。連合主催の第78回
メーデーは、すでに4月28日、代々木公園で開催されたが、わが家
の新聞には一行も報道されていなかった。ニュース・バリュがなく
なってしまったのであろう。

昭和27年の第23回メーデーは皇居前広場で、デモ隊と警備の警官
隊が衝突、二人の死者まで出す流血の惨事となった。ちょうど日米
安保条約が締結された後で、デモ隊は皇居前広場を”人民広場”と
して使用させろと要求した。事件後、僕の大學ではデモに参加して
警察に拘置された学生10数名を停学処分にして掲示板に名前を張
りだした。

昭和21年の戦後第1回のメーデーは”米寄こせメーデー”で、デモ隊
の一人が”朕はたらふく食っている。汝人民餓えて死ね”と書いたプ
ラカードを掲げたという理由で逮捕された。当時、国民は米の配給が
遅延し、空腹であった。

2001年に連合主催のメーデーが4月28日に開催されて以来、メーデー
は"May day"ではなくなった。かって冷戦時代、当時のソ連ではメーデー
は「労働者国際連帯の日」と呼ばれ、赤の広場で5月1,2日の2日間
にわたって軍事パレードが展開され、軍事力を誇示した。だが、ソ連邦
の解体後、1998年以来、メーデーは「春の労働の日」と名前が変わり、
市民が春の訪れを喜ぶ1日だけの休日となった。時の移りを感じる。