電波の強さは二点間の相性。
障害物が無く近ければ当然相性が良いから強い。
見えてなくても何かといい具合で反射したり回折したりするルートが明確にあればあるほど相性が良くて強い。
スキップする関係は(今は)相性が悪いということ。
スキップする関係は(今は)相性が悪いということ。
直接波と反射波、反射波と反射波など複数のルートで波が伝わると、それぞれの波がズレて届くので干渉し合い、強い、弱いが時間的な変化を伴うフェージングが発生する。短波放送の電波を聞いてみるとすぐにそれを体験できます。超短波帯では飛行機が上空を飛ぶと電波の強さが波打つので体験した人は多いと思います。波の大きさや速さも飛行機の位置で変化するのが興味深いです。特定の局と飛行機の位置を観察しながらその傾向を記録していけば、飛行機の位置もわかるようになるかも。
とにかく、強い時は相性がよく弱い時は相性が悪いと言えます。
とにかく、強い時は相性がよく弱い時は相性が悪いと言えます。
同じ干渉でも時間的変化を伴わない強弱が発生するものもあります。フェージングが起きない定在化した干渉の強弱。430MHzなどではアンテナの位置や周波数を変えただけですごく強さが変わることがあると思います。それがこれ。強い時(周波数)は相性がよく、弱い時(周波数)は相性が悪い。これはアンテナの位置や周波数だけでなく、高さや向きを変えても変化するので何かアクションすると相性の良いポイントが見つかり改善することが出来ます。
ビームを向け合うと利得最大になるので相性が高まるのは当然ですが、お互いが見える山にビームを向けて反射波での交信の相性を高めることが出来ます。これはもう皆さんやってますね。富士山反射は定番ですし、新宿超高層ビル反射とかも。
反射が想定できないような方向が一番強い時もあります。思いも寄らないルートがあったのか定在干渉のスポットを突いたのかいろいろ複合的な要素があるのでしょう。
反射は反射でも電離層の反射は不安定でいつどの周波数がどんな方向にどんな角度でベストになるのかはコンディション次第。
ちょうどそこにはまった二点間の通信が相性の良い状態です。今はこの地域が強い、と言うやつです。電離層は不思議なもので、広く濃く発生すればあちこち聞こえるだろうと思いますが、ハイバンドで近距離オープンすると遠距離も強いだろうと思いますが、遠距離は聞こえないことが多々あります。もしかすると裏側で弾いているのかも知れませんね。
南極との交信もこれにはまらないと難しいですね。今年のこどもの日運用は初の28MHzでの交信成功だったそうで、他のバンドはだめ。過去に無かった実績。たまたまその時、そのパターンが相性が良かったのですね。
電離層のコンディションは毎日変わりますがある程度はパターン化しているので毎日、朝昼晩、毎週、何年も無線をやっていればかなり解ってきます。一年?いや太陽の活動周期も合わせると5年はかかるかな。無線好きならこのくらいやってますよね。違いますか?、違うのか・・・。まあ人それぞれです。
相性の話ばかりしてますが、この相性に合ったアンテナを使わないとせっかくの相性は生かせません。
例えば日中の7MHz帯。同じエリアや隣のエリアで賑わうコンディションの時は見上げるようなかなり上から電波が落ちてくる状態。こちらの電波も上に打たなければコンディションを活かせません。というか負けて埋もれてしまいます。垂直系のアンテナでは勝負にならない、八木も向かない、ダイポールアンテナや、水平ループアンテナの圧勝の大勝利(これホント)。
この差は歴然なので是非実際にアンテナを2種類張って比べてみて欲しい。
受信比較はあまりよくわかりません。「聞こえる局は聞こえ、聞こえない局は聞こえない」と言う点で差はあるんだろうけどほぼ同じ。違うのはSメーターの振れ。1つ2つ変われば実はとんでもなく強さが違う(パワー数倍分)ので、相手に自分がよく聞こえるか、と言う視点で見ると応答してもらえる、もらえないの差になってきます。
これ、430MHzでは考えられない現象ですね。殆どの場合パワーの差も大きな影響なく聞こえれば大抵届く、の世界ですから。
短波では聞こえれば届くは通用しません。相手の環境の様々な外来要素に打ち勝つ電波を届けないと相手には聞こえないからです。特にローバンドは電波が発信されてなければシーンとしている、なんてことはありません。(そうなることもあるけど、そんな時は電離層が死んでいるので交信相手も聞こえません。)
430MHzは最近はデジタルノイズが身近に増えましたけど、元々自然界に430MHzという超高速な信号は殆どないので。ギリギリの電波まで聞こえるし、モービルホイップだってゲインが結構ある。みんなそこそこのアンテナを使っているから通信できちゃうのです。
430MHzは最近はデジタルノイズが身近に増えましたけど、元々自然界に430MHzという超高速な信号は殆どないので。ギリギリの電波まで聞こえるし、モービルホイップだってゲインが結構ある。みんなそこそこのアンテナを使っているから通信できちゃうのです。
アンテナの差は結構致命的です。ダイポールの相手にはダイポールクラスのアンテナで対抗しないと思ったようには交信できません。
1メートルちょいの長さのアンテナで、20mのアンテナの人に交信を挑む事は悪いことではないけれど、高速道路で走る車を自転車で並走しようとしているようなもの。その自覚は無いとダメです。でないと「こんなに聞こえているのに、なんて飛ばない、なんて交信できない世界なの?」とがっかりしてしまいます。
TBSラジオと交信しようと思ったら、TBSラジオの送信設備と同じくらいの設備で対抗しないとTBSラジオから応答は無い、と言うと解るかな。まぁ放送だから先方は送信をやめないし、通信なんて出来ないんですけどね。
パワーはまず置いといて(致命的な要素ではないから)、まずそこそこレベルのアンテナを張る努力をしましょう。河川敷に行けばそこそこのアンテナが張れます。釣竿マストで細い電線で作ったバラン無しの逆ブイダイポール、張ってみてください。それでも地上高低いので普通レベル以下のアンテナですが、5Wでもたくさん交信できるはずです。
その一方でハイバンドのEスポともなれば、空から落ちてくる角度はぐんと浅くなるので真上にもたくさん放射してしまうダイポールより八木アンテナや垂直系のアンテナも相性を高める事になります。理想を言えば多素子の八木。独壇場でしょう。強く聞こえる方の設備、QRZ.comで写真見たり、交信時に尋ねてみてください。なるほどですよ。
このように二点間の相性を高める工夫を凝らすことが大切で、とても大切なのがアンテナ。その実験で遊べることがアマチュア無線の醍醐味です。
短波帯の現実は、相手はたいてい100W。でかいアンテナ張っている局の電波が強いです。よく聞こえてもこちらが小さいアンテナだと小さく届いているのでしょうけれど他局や外来要素に埋もれて聞こえない、聞き取りづらい、と言うことになります。「こんなにきれいに聞こえるのだから向こうにもきれいに聞こえているだろう」は間違い。同じレベルのアンテナ(欲を言えば出力も)で初めてそう思って差し支えない、になるのです。
簡単に想像できると思います。144MHzで1mのアンテナと7MHzで20mのアンテナのゲインは同じ。7MHzの1mのアンテナは、144MHzなら5cm相当。しかも地面に立てた低い状態。この5cmアンテナで交信するの結構厳しいですよね。
アンテナの努力をしないということは、故意に聞こえない、飛ばない状態にしているに等しいのです。
アンテナの努力をしないということは、故意に聞こえない、飛ばない状態にしているに等しいのです。
私がよく使っている、7MHzの逆Vダイポール、私としてはそこそこアンテナ認定品です。なので皆さんにも使ってもらいたいからコピー品を作って有料配布しようかな。
給電部地上高4m以上からSWRが落ちます。アンテナが軽いからマストは釣竿でもOK。ただグラスロッドで5.4mなら4m辺りの位置で支えられますが、先端近くは無理。4.5mの竿だと3.5mくらいの位置でないと厳しい。でもグラスロッドで4.5mを超えるものって最近見当たりませんね。
カーボンロッドでもマストに使う分には構いませんよ。7mものなら6m弱くらいまで上げられると思います。
エレメント自体が2本のステーを兼ねますから、あと2本適当にステーを張って何かに結べば良いでしょう。ペグでも良いし木でも石でも。
そしてこのアンテナ、21MHzのSWR落ちますから、7と21MHzチューナー無しで使えますよ。
自作も簡単なので過去記事探して見てください。
自作も簡単なので過去記事探して見てください。
コンディションの楽しい季節、たっぷり楽しみましょう。
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