テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 哀しい《王》さま ―

2014-09-11 21:40:54 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 りんどうのォ、おはながァ、きれいィでス!」
「がるる!ぐるるるがるるるぐる?」(←訳:虎です!月見草も咲いてるかな?)

 こんにちは、ネーさです。
 ススキが揺れる原っぱ・川原には
 秋の花粉を振りまく草花たちも揺れています。
 アレルギー体質の方々はご注意くださいね。
 花粉予防のマスクを装着して、
 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本をどうぞ~!

  



            ―― 哀しすぎるぞ、ロッパ ――



 著者は山本一生(やまもと・いっしょう)さん、2014年7月に発行されました。
 『古川緑波日記と消えた昭和』と副題が付されています。

 古川緑波(ふるかわ・ろっぱ)さんこと“ロッパ”さん……っていっても、
 おそらく――

「むゥ? どなたァでスかッ?」
「がるるるぐるる?」(←訳:何してる人だろ?)

 そんな反応が普通のこと、だと思われます。

 けれど、かってはロッパさん、
 日本でその名を知らぬ者はないというくらい、
 一世を風靡した御方でした。

 1903年、東京麹町に生まれたロッパさんの
 お父上は加藤照麿男爵。
 帝国大学総長を務め、
 森鴎外さんの友人としても有名な、本物の華族さんです。
 幼いうちに、縁戚の古川男爵家の養子となったロッパさんは
 生まれも育ちも、やはり華族の一員、であるのですが……

 選んだ職業が、ちょっと、いえ、だいぶ変わっていました。

「かわッたァ~しょくぎょうゥ??」
「ぐるるる?」(←訳:というと?)

 喜劇王。

 昭和の喜劇王とも呼ばれ、
 映画、舞台、ラジオで大活躍し、
 声帯模写もすれば歌もできる!

 昭和10年代には《東宝のドル箱》であったそうですから、
 華族さんの余技ではありません。

 正真正銘の、大スターさんだったのですよ。

「おんぞうしィさんなのにィ?」
「ぐるるぅるる!」(←訳:コメディアン!)

 ロッパさんは文才のひと、でもありました。

 探偵小説家の浜尾四郎さん(浜尾四郎子爵)はロッパさんの実の兄。
 ええ、一族の遺伝だったのでしょうか、
 文筆の才は。

「すごいィ~おうちィ、なのでスゥ!」
「がるる!」(←訳:溜め息!)

 公演や撮影、ラジオ出演の仕事がどんなに忙しくとも、
 ロッパさんが欠かさなかったのは、日記。

 業務日誌のように、
 今日は誰と会ったか、
 舞台の出来栄え・批評はどうであったか、
 記述しておく、んですね。

 この御本の著者・山本さんは
 ロッパさんの日記と
 当時の資料をもとに
 古川緑波――本名・古川郁郎さんの生涯を追いかけます。

 華やかな、喜劇王の時代。
 非国民と罵られたこともあった、混乱の戦中と、戦後。
 やがて、人気は徐々に
 新たなスターたちに移ってゆき……

「あうゥ~、それはァ、つらいィ~…!」
「ぐぃーるるるるるがるるぅ~…」(←訳:ショービジネスは非情だぁ~…)

 ひとりのボードビリアンの、苛烈な一生。
 栄光も凋落も、
 カムバックへの希望も喜びも、
 ゾッとさせられる苦痛も、
 ここに凝縮してあるかのような。

 昭和史になんて興味ないわ!という御方には
 見向きもされない《評伝》かもしれません。
 でも、歴史好きさん&演劇史好きな活字マニアさんは
 夢中になっちゃうかもしれない、
 2014年きっての労作・力作です!

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

「よみごたえェ、たッぷりィでス!」
「がるるぐる!」(←訳:御堪能あれ!)
 



 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『サリーちゃん』と『バビル2... | トップ | 理系だけど、体育会系! »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブックス」カテゴリの最新記事