テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

海千山千の歴史夜話。

2009-01-04 12:38:25 | ブックス
 快晴のため富士山がよく見える東京は多摩地方から、
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわんッ、テディちゃでスゥ~!」

 年末&年始の特別企画任務を完了いたしまして、
 本日より通常モード復帰のテディちゃ&ネーさ、 
 記念すべき2009年初の御紹介は、
 はいっ、こちらを、どうぞ~!



           ―― 秀吉はいつ知ったか ――


 
 著者は山田風太郎さん、’08年9月に発行されました。
 『山田風太郎エッセイ集成』と副題にありますように、
 うわっ!山田さんが書いた硬質な歴史ミステリ小説?!
 ではなくて、
 未刊行であった硬派な歴史系エッセイを中心にまとめたのが、
 この御本なんです。

「むぽッ?
 ちゃんばらァ、にんじゃァ、なしィ?」

 はい。手裏剣も柳生の剣士さんたちも出てきません。
 その代わり、でしょうか。
 山田さんの想像力は自由自在に飛翔します。

 表題作『秀吉はいつ知ったか』(’79年筆)――
 ここでは、ええっ?と驚く奇論が展開されます。
 おそらく、
 小説ではないんだ、軽い読み物、エッセイなんだから、と
 肩に力を入れずに書かれたらしい、
 けれど確かな史実に裏打ちされた山田さんの自称《妖説》は
 本当におそろしいほど!
 この一編だけで、長編歴史小説に匹敵する濃ゆさです!

「ううむゥ!
 ゆめでェ、うなされそゥでスッ!」

 他にも、
 『侵略が悪であるという思想のない時代』の
 モノの観方・感じ方を
 山田さんは分析し、批評してゆきます。

 『一休は足利義満の孫だ』、
 『絶世の大婆沙羅』、
 『その後の叛将・榎本武揚』……
 『歴史上の人気者』では人気ランキングまで作成!
 
「わォ!
 いがいなァ、ひとがァ、いちいィでスよゥッ?!?」

 1922年に生まれ、
 2001年に世を去った
 真正の『20世紀少年』山田さん、
 晩年は多摩丘陵の散歩を愉しむ
 多摩っ子さんになられました。

「たまッこさんッ?
 おォ~♪しんきんかんッ♪」

 この御本には、歴史系エッセイだけではなく、
 都市や、土地についてのエッセイも収録されています。
 
 山田さんの著作大好き!という御方、
 歴史好きさん、
 いえ、すべての活字マニアさんに、お奨めです!
 パッと見は地味かもしれませんが、
 山田さんの人柄、
 心映えまでもが伝わってくる
 素晴らしいエッセイ集です。
 ぜひ!

「たまッこさんはァ、とくにィ~♪」
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