テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 日本美術を、ヘヴィ級で! ~

2024-12-17 22:03:14 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うむむゥ~むゥ! なんというゥ!」

「がるる!ぐっるるるぅ~…!」(←訳:虎です!すっごいなぁ~…!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2024年も押し詰まってゆくこの時期に、

 重量ずっしりな大作がやって来ましたよ。

 よぉし!と覚悟を決めたら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 日本美術をひらく ――

 

 

 著者は山下裕二(やました・ゆうじ)さん、

 2024年10月に発行されました。

 『山下裕二 論考集成』と副題が付されています。

 

 いや、冗談ではなく驚きました。

 この御本の厚さたるや、約5.5㎝……!

 これって書籍の形をしたエクササイズ用品的な何かなの?

 と畏怖してしまうヘヴィー級な大冊です。

 くれぐれも、足の指や甲の上に

 落としたりしないよう注意してくださいね。

 

「なかみもォ、ぎッしりィ~!」

「ぐるっるがる!」(←訳:詰まってます!)

 

 この御本は、

 美術史家・山下裕二さんの文章(評論)――

 美術専門誌に掲載した記事、

 展覧会の図録のために書いた解説や論考など、

 現在では入手・閲覧が困難なものを中心に、

 81作品で構成されています。

 

 序章『日本美術の内と外』

 第Ⅰ章『室町から桃山時代』

 第Ⅱ章『江戸時代』

 第Ⅲ章『幕末から近代』

 第Ⅳ章『現代』

 第Ⅴ章『私の日本美術史』

 

 と、日本美術の広野をかけめぐる山下さんの美術論は、

 痛快なほど垣根も塀もありません。

 

 雪舟さんと、イサムノグチさん、

 長谷川三郎さんを一緒に論じ。

 

 スイスで開催された長谷川等伯さんの展覧会に、

 なぜこれが日本では出来ないんだ!と怒ったり。

 

 辻惟雄(つじ・のぶお)さん著『奇想の系譜』、

 この名作が世に出たことによって、

 いかに大きく江戸美術観は変化していったかを観察し。

 

 《日本美術応援団》団員として、

 赤瀬川源平さんとともに

 日本美術に敬愛を捧げ。

 

 未だ評価が定まっていない現代の作家さんたちへ、

 行け行け~!とエールを送る。

 

「あッ! にゃんこッ?」

「ぐぅるるがるるる!」(←訳:ニャンコいました!)

 

 著者・山下さんの”私“の部分が

 いっちばん溢れ出ているのは、

 第Ⅴ章『私の日本美術史』でしょうか。

 

 愛猫家であるがゆえに、

 山下さん、猫を描いた作品には

 かなりのこだわりがあるのです。

 そんな山下さんがおすすめする猫絵とは?

 

 そして、日本美術の中の動物や昆虫たち、

 アートと笑い、展覧会のお仕事……

 

「ふうッ! まんぷくゥ~!」

「がるるぐるるる~!」(←訳:いいやまだまだ~!)

 

 40年以上をかけて執筆した

 1000近い候補の中から、

 厳選に厳選を重ねての、81作品。

 

 もうこうなったら、

 残りの900以上の作品も

 ガンガン書籍化しちゃってほしい!

 と思わせてくれる評論集は、

 アート好きな活字マニアさんにおすすめですよ。

 年末年始のお休みに、

 炬燵の卓上にドスン!と据えて、

 じっくりゆっくり堪能してくださいね~♪

 

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