ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

命日は白い朝

2010年01月13日 | メッセージ
白い朝。

講演会に向かうバスの窓。

舞い落ちてくる雪を見上げると

真っ白な空。

一年前のちょうど今日も雪だった。

台所でお弁当を詰めている時、

携帯電話の着信音が聞こえた。

相手は、父だった。

「この忙しい時に、何だろう?」
と、思いつつ出ると

「朝、お母さんが倒れて、
救急車で病院に運ばれた。」

妙に父は、冷静だった。

あれから、どうやって仕事をキャンセルしたのか…。

こどもを送り出したのか。

とにかく、車を走らせた。

道馴れた長崎までの2時間が長かった。

途中、高速道路が真っ白になってきた。

先が見えないくらい
雪がボンボン落ちてくる。

地面が白くなる。

見ないようにしていた不安が出てくる。
あおられる。

通行止めにならないかと
ハラハラしながら急いだ。

母がどうなったか、
あれこれ考えると
保てなさそうで

明るい音楽を大音量にして気を紛らす。

時々浮かぶ母の事を
今は考えないようにして、
ただアクセルを踏んだ。

ようやく病院に着いた。

既に母の意識はなく、
ベッドに横たわる母は、
手動のポンプで
かろうじて、息をしていた。

いや、息をさせてもらっていた。

私が着くのを待って、必死に。

「お母さん!」

私の声に足がピクリと動く。

時々、動く。

「脳に大量出血で
人工呼吸器をつけても、

もう意識は戻らないでしょう。」

待ちくたびれた様子の医師が
義務的に説明した。

「手動のポンプの手を止めたら、
おそらく30分もありませんよ。
本当にいいですか?
いいですか?
他に質問はないですか?」

…家族は、決心した。


ほんの一ヶ月前、
私が対馬に出張の時も
福岡まで来てくれた。

孫に会うのが楽しみだった。

「おばあちゃん、来たよ。」

いつもの満面の笑みだった。

こどもが大好きで

孫が大好きな母だった。

今日は、雪の舞い落ちる白い空に

母のあの笑顔を浮かべて

泣こう。

コメント (2)
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講演会です

2010年01月13日 | メッセージ
雪…です。

風が冷たい…寒いです。

今日は、講演会です。

北九州市八幡西区
折尾駅より一つ小倉側
JRじんのはる駅すぐの

陣原市民センターで

朝10時30分からお昼までです。

お近くの方は、どうぞ。
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