ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

ラクダ

2013年10月24日 | こころの子育て
「ラクダに乗りたかった、やっぱり」

そう言ったのは、確か小学校四年生の私。
家族旅行で訪れた鳥取砂丘で、
兄は、観光用のラクダを見た途端
「乗りたい」と走って行き
すぐさま、ラクダに乗って無邪気に楽しんでいた。
母が、「けいこも乗らんね」と言ってくれたのに
私は、「いい」と遠慮した。

なぜ、遠慮したのか、自分でも分からない。

ただ、後から「私は、あの時なんでいいと言ったのかなあ。
兄ちゃんみたいに素直に乗りたいって言えば良かった」
と、後悔していた。

いつまでも忘れられないので、半年くらいだったか、だいぶ立ってから
「あの時、ほんとは私も、ラクダに乗りたかった」
と、母に思い切って打ち明けた。

母は、「なんで早く言わんかったと」って言った。

親の立場になれば、母の気持ちも分かる。
滅多にできない経験を息子と平等に娘にもさせてあげたいという親心。
だからこそ、早く言えば良かったのにという気持ちになる。

親心とは、裏腹に子どもの私は、こう思った。
「もう、言わないようにしよう」

そういえば、何度かこういうことが繰り返されたのを覚えている。
リカちゃん人形、留学…
欲しかった、行きたかったけど、チラッと言って我慢したりした。

これは、交流分析で言う
「欲しがるな」という禁止令決断で、
本当に欲しいものを欲しいと言わないようにしよう、
迷惑かけないようにしようという決断です。

「欲しがるな」は、親が大変そうだったり、
辛抱している姿を見ていても決断することがあり、
私は、兄が自由に甘えているのを見て、
私は、我慢しようとしていた気がします。
これは、兄や母が悪いのではなく、
私が、幼心に自分でそうしようと決めたのです。

「欲しがるな」は、軽いと100均で、つい要らない物を沢山買ってしまったり、
「何が良い?」と尋ねられても、
「何でも良い」と答えるくらいですが、
酷くなると、自分は、何が欲しいか分からなくなります。
人生そのものが、自分が望むものでなくなってしまうこともあります。

私は、カウンセリングを受けて、だいぶ、欲しがるようになりました。

100均の無駄遣いも減りました。
皆んなで居酒屋に行った時、自分の好きなものが注文出来るようになりました。

こんな時、親は、子どもが言えなかった欲求を言って来た時に
「よく言ってくれたね。ありがとう」と言ってあげると、
おそらく子どもは、また次に言おうと思えます。
叶えてあげられるかどうかではなく、欲求を口に出来たことを褒めることが大切です。


因みに、
あの鳥取砂丘から20年以上経って
30代で家族旅行に行った時に、子どもと一緒にラクダに乗りました。

ラクダの上は、めちゃくちゃ、高くて
眺めもよく、
のっしのっしと大きく揺れて歩く振動が愉快で、とても楽しかったです。

写真は、今日伺った福岡市立大楠小学校 PTAのお母さん方。
沢山の手作りのひまわりと共にパチリ(#^.^#)
育児でお忙しい中、講演会のご準備ありがとうございました(*^_^*)
コメント (2)
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