ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

あえて悲惨な映像から遠ざかる

2019年10月03日 | カウンセリング



今日2019/10/03は、午後7時半過ぎから福岡市東区大橋会館にて講演です。

博多駅は、外国からの観光客でごった返しています。今日は大阪でラグビーの試合があるから九州から大移動だそうです。

さて、「共感疲労」という言葉を聞いたこと、ありますか?

共感疲労とは、他者の苦しみや悲しみに接したとき、感情移入しすぎてしまい、
無気力状態に陥ってしまうことです。

二次的外傷性ストレス[Secondary Traumatic Stress〈STS〉とも言います。

燃えつき症候群に似ており、心身が疲労して、心のエネルギーが低下してしまった状態を言います。

1990年代に、新しいストレスの名称として精神医学界で使われ始めたそうです。

がんなどの末期患者と接する医療従事者や、
外傷後ストレス障害(PTSD)患者の家族など、

苦しむ人を支援したり、苦しみを目の当たりにする人に起こると報告されています。

直接ではなく、間接的に、トラウマ(心的外傷)となりうる出来事に直面した場合に陥る心の状態のこと。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生後、
大津波が家屋や車をのみ込む場面や、
変わり果てた町の惨状など、
悲劇的な映像や報道が続いたため、
被害に遭わず無事に過ごしている自分に罪悪感を抱いたり、
無力感に陥った人が、多くいました。

私は、これがきっかけで
震災直後から、朝日カルチャーセンターで「感情処理法」の講座をするようになりました。

東北から遠く離れた九州で学校給食を作っている栄養士さんによると、
あの映像が毎日毎日流され、他の番組が一切放送されなかった数日間、
小学校の子どもたちの給食を残す量が
少しずつ増えて行き、
子どもたちはあの時期は、異常に食べなかったと話しておられました。

それで私は、ニュースなどで悲惨な映像や情報に触れることで、落ち込んだり、不安になったりしている方には、
あえて悲惨な映像から遠ざかるようにとアドバイスしています。


ここからは、対人援助職に多いとされる共感疲労について見ていきます。

他人を援助するということは、他人の人生に直接的に関わることです。

援助している人に対して抱く共感には、
肯定的な面と否定的な面の両方があります。


これからご紹介する自己テストは、
支援者用の自分の共感状態について気づくのを助けるものです。  

他人を援助する中で、バーンアウトや共感疲労のリスクがどれくらいあるのか、

また満足の程度がどれくらいであるのかということについて気づくきっかけにしてみてください。

以下の、自分についての項目を考えてみましょう。

これからあげる項目について、この一週間で、あなたがどれくらい頻繁に体験したかということを、正直に数字でお答え下さい。


援助者のための共感満足 / 共感疲労の自己テスト
 (Compassion Satisfaction/Fatigue Self-Test for Helpers) 
―日本社会事業大学版―(短縮版)


以下の1から34までの項目について、 
それぞれの文章の後の□に、該当する数字(0から5まで)を記入してください。

まったくない 0
ほとんどない 1
 2,3度ある  2
何度かある  3
 頻繁にある  4
かなり頻繁にある 5

あなたについての項目

1
幸せである。
2
私の人生は、満たされたものだと思う。
3
自分を支える信念をもっている。
4
他人から疎遠であると感じる。
5
過去のつらい体験を思い出させるような考えや感情を避けようとしてしまう。
6
過去のつらい体験を思い出させるような活動や状況を避けていると思う。
7
自分が援助している人に関連するフラッシュバック(場面を急に思い出すこと)を体験することが ある。
8
強いストレスを感じる体験をふりかえる時に、仲間からのよい支援を受けることができる。
9
大人になってから経験したトラウマとなる出来事を、思い出してしまうような体験をした。
10
子どもの頃経験したトラウマとなる出来事を、思い出してしまうような体験をした。
11
自分の人生におけるトラウマとなる体験を「ふりかえる」必要があると考えている。
12
自分が援助している人たちと関わることで、非常に多くの満足を得ている。
13
自分が援助している人たちと関わった後に、とても元気付けられる。
14
自分が援助をしている人が、私に対して言ったことやしたことにおびえている。
15
自分が援助している人の状況に似た夢に悩まされることがある。
16
自分が援助した人のなかでも、とりわけ難しい人との時間のことで、頭の中がいっぱいになるこ とがある。
17
自分が援助している人と関わっている間、過去のつらい体験を突然、無意識に思いだしたこと がある。
18
ささいなことで怒りを爆発させたり、いらいらしたりしてしまう。
19
自分が関わっている人を、どのように援助できるかということを考えるのが楽しい。
20
自分が援助している人から聞いた、トラウマとなるような体験のことが頭から離れず、眠れなく なっている。
21
援助している人たちのトラウマとなるストレスが、こちらに移ったかもしれないと思う。
22
自分自身が援助している人たちの幸福や福祉についてあんまり考えなくなったと思う。
23
援助者としての今の仕事に縛り付けられていると感じる。
24
自分が援助している人たちとの仕事に関連した絶望感がある。
25
自分が援助している人のうちの何人かについては、その人たちと関わるのが特に楽しい。
26
援助者という自分の仕事が好きである。
27
援助者として働く上で必要な手段や資源を持っていると思う。
28
自分は援助者として、「よく、やれている」と思う。
29
仕事仲間と楽しくやっている。
30
私が必要としている時には、自分の仕事仲間に頼って助けてもらえる。
31
仕事仲間は、助けを必要としている時には、私を頼ってくれる。
32
仕事仲間を信頼している。
33
どのように援助していくかという「援助や査定のための技法・知識」の進み具合に遅れずについ ていくことができていることに満足を感じる。
34
自分が、援助の技術や手順についていくことができていることに満足を感じる。


平成 21.22.23 年度日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究 C
「共感疲 労の観点に基づく被虐待児支援プログラムの構築」
「共感疲労の最適化水準モデル」とファンクショニング概念の構築に関する研究
藤 岡 孝 志著より引用


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