「じゃあ、8時にフォートナイトでね」
子どもたちは、小学校から帰ると、公園でなく、ゲームの世界が待ち合わせだと言います。
ある子どもによると、先生にはゲームのことは言わないようにしようという友だち間の取り決めがあると聞いたこともある。
病院を受診するゲーム依存の患者さんの多くが中学生・高校生で、全体のおよそ半数を占めているとのこと。
最近は、低年齢化も進んでいるが、逆に30代40代の患者も増えてきており、全体的に年齢幅が拡大してきているそうです。
2016年から2017年の新規受診患者においては、ネットゲーム依存に加え、
SNS LINE等アプリに依存しているものが、全体の3割強を占めるようになっています。
WHOが2018年6月に公表したICD-11で
「物質使用症(障害)群または嗜癖行動症(障害)群-嗜癖行動症(障害)群」および「衝動制御症群」カテゴリにおいて「ゲーム症(障害)」が採用されました。
つまり、ゲーム依存が疾病と認定されたことになります。
ネット依存は、集合的な名前で、ゲーム、SNS、ポルノ、動画、ショッピングなど様々なアプリの過剰使用とそれに関連した問題があります。
国際的な行動嗜癖の専門家が日本ではネット依存が疑われる中高生が推計93万人、
アメリカでは成人の65%にあたる1億6400万人が日常的にビデオゲームをしているとの試算もあります。
インドネシアではインターネットカフェが流行し、
タイではLINEユーザ24,00万人。
バンコク10代37.7%がオンラインゲームを週3回から4回プレイ、
7歳から25歳1日平均4.5時間32%は1日5時間以上プレイ(2012)しているとのこと。
韓国ではトイレとタバコを買いに行く以外86時間オンラインゲームをし続けた結果、「エコノミー症候群」で24歳の男性が死亡しました。
ゲームばかりをしていると注意した親を鈍器で殺害した事件が韓国で起こった。また日本でも、2017年に静岡市でゲームの最中、「おい、ご飯だよ」と父親に言われたことにカッとなり、51歳の父親を刃物で刺し殺した16歳の高校生もいました。
また、ネット依存は、自殺との関連が高いとの研究があります。
中国で、ネット依存27.4%が自殺を考え9.5%が自殺企図というデータ。
韓国の研究では、ネット依存で睡眠障害のある人は、特に自殺のリスクが高い。
ネット依存が社会問題化している韓国ではレスキュースクールという11泊12日の治療型寄宿学校の集中的な心理教育(ブートキャンプのようなスパルタ的なもの)が行われているそうです。
日本では
2018年厚労省による中高生およそ6万人の調査結果により
93万人がネット依存傾向にあり、5年間で2倍になっているという。内閣府2017年度調査によると高校生の4人に1人は4時間以上利用しているとされています。
また、無表情で笑わない、しゃべらない、泣かないサイレントベイビーとサイレントチャイルドが問題視されています。
母親が授乳中やオムツ替えの時もスマホゲームする、
乳幼児のちょっとした表情の変化に気づくことが出来ない、
泣いても炊くだけで目はスマホの画面、動画を見せれば泣き止むからと泣き止ませることでスマホ任せ、
なぜ泣いているのかを探ろうともしないなど、
親のスマホ依存の影響は深刻だと言われています。
シンガポールの小学生の作文を元にした絵本「ママのスマホになりたい」も世界的に出版されていると聞きます。