△マザーウォーター(2010年 日本 105分)
staff 監督/松本佳奈 脚本/白木朋子 たかのいちこ
撮影/谷峰登 美術/富田麻友美 フードスタイリスト/飯島奈美
衣裳/堀越絹衣 ヘアメイク/竹下フミ
音楽/金子隆博 エンディングテーマ/大貫妙子
cast 小林聡美 小泉今日子 市川実日子 加瀬亮 光石研 永山絢斗 もたいまさこ
△マザーウォーターってのは、
ウイスキーの仕込み水なんだね。
知らなかったわ~。
それはさておき、ぼくは京都が好きだ。
暮らしたいとはおもわないので、異邦人として訪れるのが好きだ。
だから、この映画に登場するロケ地は、ほとんどわかる。
ま、そういう意味からすれば、贔屓したい映画ではある。
でもな~、
監督が変わると、こうも主題と雰囲気が変わるんだね~ていう、
見本のような映画になってるような気がするんだけど、
そんなことないかしら?
荻上直子の世界というのは、自然な中の不自然さだけでなく、
それなりに物語が展開して、筋が通っていて、ふしぎな見立てがある。
この映画は、たんに雰囲気は似ているんだけど、
登場人物たちの成長というか変化はほとんどなく、ただたゆたっている。
とあるコミュニティがあって、そこに異邦人の訪れるのが荻上直子の物語だ。
ところが、この映画の異邦人は小泉今日子のはずでしょ?
なのに、最初から小泉今日子は完成されていて、
そのかわりに不完全なのが市川実日子という設定になってる。
荻上直子の世界では主役だった人間が、ふたつに分かれてしまってる。
しかも、主人公は小林聡美となってるものだから、視点が分散してしまい、
観客は自分の思い入れを誰に託していいのかわからなくなってしまうんだよね。
雰囲気だけを愉しむのならこれでいいのかもしれないんだけど、
でもね、ちょっとね、なんか欲しいじゃん。
そんな感想でした。