◎女神の見えざる手(2016年 アメリカ、フランス 132分)
原題/Miss Sloane
監督/ジョン・マッデン
出演/マーク・ストロング アリソン・ピル マイケル・スタールバーグ サム・ウォーターストン
◎激震はゴキブリ
たしかにジェシカ・チャステインのひとり舞台ではあったものの、きわめてよく練られた脚本で、時系列がバラバラに設定されてて、インドネシアのパーム油の関税について関係している議員の外遊接待をしたことで過剰接待にとられ、ジョン・リスゴーを議長にした公聴会に召喚されるところから始まったかとおもえば、それよりもずいぶん前らしき銃の規制強化法案の反対派のキャンペーンを断わって代理店をやめるところへと飛び、さらにさまざまに時が飛ぶ。最初はちょっとばかし戸惑ったけれども、どんどんと全体像が明らかになってくるにつれ、なるほど、この構成じゃないとダメだわねとおもうようになった。
とはいえ、ジェシカ・チャステインの設定は、生まれ育ちはあんまりよろしくなかったのかもね、学生時代も辛かったんじゃないかなっておもわせるだけで、あとはしゃにむにがむしゃらに恐ろしいくらいに仕事に精を出しているキャリア・ウーマンを演じてて、しかも男娼を買い、結局は情にほだされちゃったりもするっていう、なんとも一般的な女性は眉を顰めそうな人物像になってる。これが好いのか悪いのかはわからないけど、最後のどんでん返しまで、見せてくれる。たしかに歯切れのいい編集と台詞回しで追いかけていくだけでも大変だったものの、いや、最後の裁判の推移には鳥肌が立ったわ。
あ、ググ・バサ=ローの純粋な綺麗さが清涼剤みたいだったね。