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不機嫌なママにメルシィ!

2018年03月26日 00時33分49秒 | 洋画2013年

 ☆不機嫌なママにメルシィ!(2013年 フランス、ベルギー 87分)

 原題/Les garcons et Guillaume, a table!

 監督・脚本・主演/ギョーム・ガリエンヌ 音楽/マリー=ジャンヌ・セレロ

 出演/ダイアン・クルーガー チャーリー・アンソン ブリジット・カティヨン キャロル・ブレナー

 

 ☆自伝的戯曲らしい

 おもしろかった。

 ゲイじゃないと気がつく男の子の物語だ。

 男の子たちとギョームと呼ばれる男の子なのだが、見事に演じてる。途中、いんげぼるぐという名前の温泉療養所の看護婦で、登場するダイアン・クルーガーがやけに綺麗なんだが、それはさておき、ゲイなのかゲイとしての素質を持ちながらもなりきれていないのか、ともかく母親の影響があまりにも強すぎるがためにオカマ同然に扱われ、それをまた素直にかつ自然に受け入れてしまっている息子の物語だが、男っぽい口調ながらも女っぽい仕草もする母親と、母親の真似が得意ですべての動作と口調があまりにも女性的な息子のひとり二役は実にうまい。

 それにしても、自宅、寄宿舎、留学先、療養所でのモノローグの途中、唐突に登場する幻影なのか空想なのかもわからない母親とのやりとりは実にシュールで、それらがすべて劇場の舞台で告白されてゆくという二重構造になっている構成のうまさ。

 で、ゲイじゃないと気がつくきっかけは女の子たちとギョームと呼ばれる女の子に出会い、恋をすることなのだが、それを知った母親が『あなたはゲイじゃなかったの?』と落胆するという感情はいったいなんなんだともおもう。つまりは母親の呪縛から解放されてゆく話なのだが、それを舞台で告白したとき、はじめて母親役が『かれ』ではなく女性の役者が演じる。

 うまい演出だな。

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