夕方遅く、翠の勤めているカフェに、おいでというので散歩がてらにかけた。
奥の部屋のテーブルで、背の高い年長者は翆のパパだろう。
あの噂のパパですか・・・。
翠のパパ「どうもいつも翠がお世話になっています・・・」
なにもかも翆から聞いて知っているようだな。こういうときは、形式的な挨拶をする場面でもないなぁー。
そこで、マサヒロ君ってどんな風に育てたのですか?。
翆のパパ「それほど家族で画家を目指して教育したわけではないけど、物心つく頃から、家の環境がアートばかりだったでしょう。だから基本的にはほっといた。ほっといたら絵画に関心をもった。そこで絵具をもたせて、小学校の美術の先生の所に通わせた。私の仕事場の同僚だから・・・、そんな感じかな」
翆「そんな簡単だったかしら?」
翆のパパ「そうだよ、翆が育てないので小学校入るまでは私達が面倒見たけど、あとはほったらかしだよ」
ほっとけば、環境で子供は成長してくれるわけですね。
翆のパパ「そうねぇー、子供って好奇心の塊だから、環境が芸術系の空気で漂っていれば、おのずと、その道に進むでしょうね、ということを翆の子供を育ていて気がついた、あとは時々餌をまいて・・・」
どんな餌でかすか・・・
翆のパパ「例えば小学校4年の時に、どうして親父の絵と僕の絵が違うのだろう?、といいだした。そりゃ物事をすべて立体としてみているからさ!!、といって石膏の正方形のモデルがあるでしょう、これを立体的に描けば、いいんじゃないと、あげた。それからだよ、デッサンに目覚めたのは。幸い小学校に数は少ないけど石膏像があったから、美術の先生も一寸だけ教えて・・・、そしたらみるみる上達してデッサンを覚えちゃったんだ、なんだもう美大には入れるじゃないか(^_^)」
翆「わたしのときは、そんなサプライズはかなったけどなぁー」
翆のパパ「通例親の欲目で、子供が好奇心をもつものを、親はさらに与えようとか、勉強させようとするでしょう、それ間違い!。基本はほっておけばよい。というのも、それが長く続く好奇心なのか、そのときの気分なのか、それとも親を喜ばせようとするパフォーマンスなのか、子供もいろんなことを考えているんですよ。こりゃ長く続きそうだなって思ったから、美術の先生に預けた」
ほっといてもアートな環境が、子供の好奇心を最大限に育てたわけね。
翆のパパ「多分、そうでしょう。だって家には絵画の作品とか道具とか、あとはモチーフ用に花や古い民具などがたくさんおいてあったから・・・」
翠「家の中に花一輪置いてない殺伐とした環境で、それでアートを目指そうなんて無理よねぇー!」
翆のパパ「あとは中学で油絵を教わり、高校で美術研究所に通い、デザインとかクロッキーもやっていた。当然今の子だからパソコンで絵を描くなんていうことは、当たり前のようにやっていたね」
そこまでやれば、もう一人前だよな。
翆のパパ「さて、次はマサヒロの子供だな、また画家にしちゃおうか(^_^)(^_^)、君たちも子供つくるかい?、もし生まれたら育ててあげる、この際一人育てるのも、二人育てるのも、一緒だからね(^_^)(^_^)(^_^)」
そういって、翆のパパは、ひょうひょうと帰っていった。
・・・・・
翠の木賃アパートは、夜のしじまが漂う。
翆「パパはアチキが気にいっているみたいだよ!」
そうかい・・、といって抱きかかえた翆のスウェットとショーツをずりおろして白いケツを撫でる。今夜は燃えるんだよねぇー・・・。
翆が私に抱きついてくる。だきかかえて翆のなかにイチブツを入れてゆく、翠が腰をゆるやかに動かしはじめた。この瞬間って、いいね!、だよ。
小樽駅
1)ISO8000、焦点距離28mm、露出補正+0.33、f/3.5、1/4000
2)ISO1000、焦点距離300mm、露出補正-0.67、f/11、1/8