Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

NIOKO FREAK446. 小説:小樽の翠52. アチキ、急性扁桃腺炎になる

2020年03月17日 | Sensual novel

 

 通例人間は、一晩の間に何回か寝返りをする。

寝る時は翠を腕枕にして抱き込んで寝ている。朝になると離れはするが、それでも、身体はくっついている。

目が覚めると、翠がじっとみている。

翠「体が熱いよ、熱あるんじゃない」

そういって体温計をよこした。

翠「肛門じゃないからね!」

という冗談につきあう元気もない。

急激に体調が変化した。熱38.5°、喉が痛い、体が怠い、関節が痛い。

翠「こりゃ病院だな。早く支度しな!、病院へゆこうよ。健康保険証はもってるね、よし」

 冷たい風が吹くと体の怠さがましてくるようだ。入船通りの列車の警笛が耳の奥でズキズキ響く。南小樽の総合病院までは雪の坂道を、翆の肩をかりて歩いてゆく。

翆が病院で初診の手続きをしてくれた。

 内科外来で待っていると初診だから検査が続く。看護師に呼ばれて処置室にゆくと晃子さんがいた。

晃子「あら翆、彼氏、どこか悪いの?」

翆「今朝起きたら急に熱が出ていて・・・」

晃子「ほなら採血っと。あらアチキの血管は細いよね」

レスリング部の君とは違うよ、と思うだけ。 

翆「晃子さんねぇ、先祖にロシア人の血がまじっているんだって・・・」

通りで骨太だ。気がつくとバスッと針がささっている。後から痛みが追いかけてきた。はい!、次は採尿とレントゲン、一通りの通過儀礼を済ますと、アチキは待合室のソファでぐったりしていた。やがて内科の先生に呼ばれた。

年配の頭のはげた先生だ。一通り症状を説明し口の中をのぞいて・・・

医者「ああっ、真っ赤に腫れている、急性扁桃腺炎だね。抗生物質など出しておくから寝てるしかないな」

不思議なことに医者にかかると気分が軽くなるから不思議だ。それだけで元気になりそうだ。そんな一連の儀式が終わり、翠の家に戻る。

翆「さて仕事は午後からにしたから昼飯でも用意するか・・」

アチキは、どてっと寝ている。翆!!、上からしようよ。

翆「あらっ!!!、こんな時に立つの?」

たたせてよぉーー、といったらアチキのトランクスに細い指を入れてイチブツをにぎにぎしている。

翆「萎えてるよ、しょうがないなあ」と丹念にしごきながら、翆の細い指がトランクスをひきさげた。

熱で体からだるい、ようやくイチブツが弱々しく起立すると、翠が膝までパンツ類を下ろして騎乗位でまたがってきた。

翆「熱があってもたつんだ・・・」

翆がゆるく腰を動かす。発熱している身体がセックスモードにゆっくりと切り替わる様子が実に気だるい。アチキも腰を翆の恥骨に押しつけて頑張っている。翆が少しうめきはじめた。

「出るの!?」

 そんなんで、ようやくか弱く射精して、薬も効いてきて、次第に眠くてなってきた。

あとは、覚えていない。

・・・

気がつくと夜だ、翠が帰っていた。半日は寝ていた。

翆「熱は下がった?、あら汗ビッショリじゃない、着替えなきゃ・・」

翆が汗をかいたシャツや残差のついたトランクスを脱がせてくれて、消毒薬でイチブツの周りを拭いてくれた。新しいインナーに着替えさせてくれて温泉に入ったような安らぎ感がある。ようやく熱がさがっていることに気がついた。

翆「解熱剤が効いたな!」

アチキは、翆との騎乗位のセックスが効いたと思っている。それで途方もない脱力感で熟睡してしまったのだ。そして大いに発汗して熱が下がった。そんなことをいう気力もなく、頭の中で反論していた。

 翠「ご飯食べる元気ある?」

そんなわけで、翆が小粥とカレイの煮付けを作ってきた。

これで明日は元気になるだろう。一陣の嵐が過ぎ去ったみたいだ。

 

小樽市相生町

NIKON Df、AF-S NIKKOR28-300mm3.5-5.6G

1)ISO400、焦点距離300mm、露出補正0、f/11、1/800

2)ISO400、焦点距離28mm、露出補正0、f/11、1/640

 

 

 

 

 

 

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