小説では「ナンタルの小さな店で遅い昼飯と午後の時間を過ごしていた。リュウ君がこれ持ってきたよといって津軽のリンゴをくれた。」と書いた。そのナンタルに幾つかある小洒落たカフェのあたりから坂道を下ると、明治初期に小樽の街が最初に開かれたところになる。
このあたりは、当時の港には北回船が行き来し、荷役や倉庫の機能があり、遊郭もあったとされている。今、そうした昔の街の面影は皆無。僅かに残された古い民家や酒蔵から往事を忍ぶぐらいだろうかな。
だから街の姿はスケッチにしていない。だが青森のリュウ君が林檎をくれた津軽林檎のスケッチを4月1日のブログにアップさせた。その林檎を描いた制作プロセスを映像にしてみた。
林檎は冬ならば容易に入手出来るモチーフだ。ドローイングしていても面白い球状の立体だ。林檎の姿を観察すれば鉛筆書きした面がわかる。何を表現するかというと林檎や檸檬の姿を借りて丸い量感の表現である。
形を捉えることよりも、ここでは量感を表現することの方が大切だと考えている。そんなボリュームが3つ並んだら小さな空間ができる。これらが表現出来たらと面白い。それがデザイナー目線である。
ドローイング・静物画 HD 1080p
トップ画像:NIKON Df、CarlZeissDistagon25mm/F2.8ZF、ISO100,露出補正0,f8,1/250.
映像:SONYα6000、E f3.5/30mmMACRO