3月3日、雛祭りの頃は、私の一級建築士事務所登録の更新手続きで一日中忙殺されていた。午後遅く書類を送り時間が空いた。そうだ!、天使突抜道(てんしつきぬけみち:東中筋通)は、どうなっただろうか。私は4年前に訪れていた。この通りを軸にしてその周辺界隈を寄り道しながら南へさがっていった。
やはり古い民家の数が少なくなってきている。とくにコロナ過を堺にして建て変わっているところが多いし、残された古民家も人の気配がないところが目立つ。住む人が変われば街の構造も変わる。昔と異なり、住み慣れた場所を離れ全国各地に人々は散らばってゆく。そして街の構造も変わってくる。それは近年特に加速し、そして自明のことのようだ。
天使突抜といユニークな名前は、今でも町名として残されている。それだけが往事の名残であろうか。この通りを下がってゆくと古民家は点状に存在し、既にかっての街並みはない。
それでも断片を集めて映像にしてみた。消え去る運命にある昭和の京都の町だろう。
点在する民家を撮影しながら、ダラダラと古民家を引きずっていてもエンディングの素材にならない。Googleマップを開きながら、この通りから外れるが雛祭りにかこつけて栗嶋堂宗徳寺の人形で終わろうと考えた。だが午後5時を回ると閉門されている。
ならばリド商店街にしよう。ここも既に1本の商店街はなく、残された1本の1m程の路地が木造2階建ての建物の中央を通っている。この路地沿いに飲み屋街が軒を連ねている。すぐ近くに京都駅がある。昭和の時代を訪ね歩くながら、何れなくなる可能性をもった通り沿いの風景だった。
天使突抜道をさがる Fiekdwork790 HD 1080p
SONYα6600、E10-18mm/F4.0