春遠からじの小樽だ。翠も朝病院へ出勤していったし、今日はレンタカーで羊蹄山の麓にある小さな湖の半月湖にゆこう・・・。標高が少し高いからまだ雪が少しは残っているだろう。雪道だから国道5号線の往復で良いか。
羊蹄山がちゃんと見えて、小さな湖もほどよく収まって・・・。そんなアングルは容易にないから適宜つくっちゃおう。そんな屋外でスケッチしていると山はまだ寒い季節のままだ。早々に車に戻り暖をとる。さて小樽でお昼にするか・・・。
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定番なら三角市場の滝波食堂や味処たけだか・・・。でも外で絵を描いていたから暖かい昼飯にしたい。すると中華の桂苑か龍鳳のあんかけ焼きそばか、あるいは藪半のうにとじ蕎麦か。いやいや麻ほろのラーメンもある。でっ、結局若鶏のなるとに出向いてざんぎ定食にした。なぜならば車の運転をしていたし、立ちっぱでスケッチしていたから、床に座りたかったというのが理由だが。
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遅いお昼の次は珈琲。やはり入船通り沿いのコロンビア珈琲。昔ながらのボックスシートよろしく大ぶりな椅子が心地よい。広いテーブルでスケッチの整理をしていると、ウトウトとしてしまう。
眼が覚めると窓越しにガード下の八百屋に赤子を抱えた玲香姉ちゃんがいた。3時のお茶に付き合わせよう。
ツカモッチャン家の玲香姉ちゃんの赤子もみんなの思い出のネタだ。
記憶をおこすと、実家で産気づき動けない。そこへ翠の息子のマサヒロ君がおじいちゃんのなれ寿司を届けに行ったらヘルプの声がした。それでマサヒロ君は産婆さんを担いできた。そうこうしているうちに家人達が帰ってきて翠も駆けつけた。それでみんなで声援しながら、夜中に生まれた記憶が蘇る。その赤子も随分と大きくなった。
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玲香「また勃起して寝てたかなぁー(*^▽^*)」
「恥ずかしい話題は、なかなか消えませんなぁー(*^▽^*)」
「7人の子供達がいたツカモッチャン家も、いまは明菜と小春だけになったかな!?」
玲香「そうだよ。一太郎兄ちゃんも結婚したし、小太郎兄ちゃんは横須賀だし、翼君もコテージでアルバイトしながら高校に通っているし、美希は札幌で時々帰ってくるぐらいかな。随分減ったけど、新しい子供が二人増えたね。
翼は、小樽の近くに住んでいるから実家によくご飯を食べに来るよ」
「この3年間で随分変わったなぁー」
玲香「COVID19があったしね。でもみんな乗り切ったよん」
「なんだろうね。乗り切れたのは?」
玲香「感染が流行る前に全員彼氏彼女がいた事かな!」
「おおっ!、それは大いにある!!」
玲香「それぐらいじゃ、男と女の仲は変わらないよ(*^▽^*)」
心強い言葉を聞きながら、途中まで一緒に帰ることにした。
玲香「今日は夜勤だから、翠さんと交代だよん。子供を旦那に預けて・・・・」
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入船通りを一緒に歩きながら、ツカモッチャン家を通りすぎて函館本線の踏切をわたると翠の家がある。
青空の端がすこし赤くなってきた。
春の予感かな。
もうじき翠が帰ってくる頃だろう。
今晩もタップリ愛してあげよう。
家に帰る亭主は、そんなことを考えながら家路につくのだろうか・・・。
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小樽の街には綺麗な夕焼け空が広がっている。