「また お邪魔するよ。」

何時建てたか分からないような空き家に、時々年取った狸の夫婦が泊まりに来る。

それまで、私たち家族はあの2階を急ぎのトイレに使わせてもらっていたよしみもあって、お決まりの散策コースに入れている。

今朝は、子供3人を引き連れて畑の芋を掘り返した後、あの家へ行ってみたら、縁の下は網が張られ中に入れない。

仕方なく縁の下伝いに歩いて帰ろうとしたら、歩くのもぼつかない1番下の息子が敷いてある板を踏み外し、バタンと音を立ててしまった。

 家の中の、狸じいさんが目をさましたらしく、縁側を開けて見張っている。

 見るとひげこそ生やしているが、息子よりさらに足元のおぼつかないじいさんだったから、いつものように隊列を崩さず私を先頭に、長男~次男~末っ子と堂々と並んで歩き、予定していた、3~4メートルある石垣上りの練習をした。長男や次男は大丈夫だとは思ったが、末子が登れるか心配だったが、

狸じいさんんが見ているからか、見栄もあってか見事に登り切った。

 途中、狸じいさんは「ニャーオ」と猫の鳴き声をまねて脅していたが、末子が登り終えると手を叩いて、見送ってくれた。

 「また、お邪魔するよ」                                     家路に向かう 銀狐にも似た超オシャレなハクビシンの父より

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