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競売大手クリスティーズが開いたオークションで、ノーマン・ロックウェルが描いた「サンタクロースの旅行計画」が2億数千万円で落札された。ロックウェルは、米サタデー・イブニング・ポスト紙の表紙を長きに亘って描いた画家で作品の価値は高い。落札された作品も39年の同紙を飾ったもので、サンタが世界地図を見ている場面が描かれている。サンタのプレゼントを楽しみにしてる世界中の子どもたちに夢を与える絵だ。
こちらのデューク・ピアソンの「メリー・オール・ソウル」というサンタは、69年に録音されたジャズの楽しさを贈ってくれるアルバムである。「ジングル・ベル」を初めお馴染みのクリスマス・ソング集なのだが、おどけたジャケットとは違い1曲ごと丁寧に演奏されたものだ。曲こそこの時期よく耳にするポピュラーなものだが、アドリブラインの膨らみは知的センスに溢れ、時にユーモラスなフレーズも飛び出し、「きよしこの夜」はゴスペル・タッチで敬虔な祈りを表現している。派手なクリスマスパーティより、家族で過ごす聖夜に相応しい作品である。
ピアソンのタッチは歯切れが良く、ブルージーで優れた資質の持ち主なのだが人気とは無縁のピアニストであった。そのスタイルがファンキー時代には知的過ぎたのかもしれないし、同じタイプのソニー・クラークの前で霞んでしまったとも思えるが、知的なセンスを買われブルーノートのA&Rマンに就任している。シーンが目まぐるしく変化する70年前後は名門ブルーノートですらレコードのセールは芳しくなかった。硬派なブルーノートが一般受けするクリスマス・アルバムを作った背景にはプロデューサーとしてのピアソンの思惑があったのかもしれない。
競売にかけられた「サンタクロースの旅行計画」の所有者は俳優の津川雅彦氏で、氏が経営するおもちゃ店「グランパパ」の破産危機を免れるために出品したようだ。落札額は意に沿わぬものだったらしいが、共同経営に手を差し延べた企業があるという。おもちゃへの夢が途絶えないよう、これもサンタの旅行計画のひとつだったのだろう。
こちらのデューク・ピアソンの「メリー・オール・ソウル」というサンタは、69年に録音されたジャズの楽しさを贈ってくれるアルバムである。「ジングル・ベル」を初めお馴染みのクリスマス・ソング集なのだが、おどけたジャケットとは違い1曲ごと丁寧に演奏されたものだ。曲こそこの時期よく耳にするポピュラーなものだが、アドリブラインの膨らみは知的センスに溢れ、時にユーモラスなフレーズも飛び出し、「きよしこの夜」はゴスペル・タッチで敬虔な祈りを表現している。派手なクリスマスパーティより、家族で過ごす聖夜に相応しい作品である。
ピアソンのタッチは歯切れが良く、ブルージーで優れた資質の持ち主なのだが人気とは無縁のピアニストであった。そのスタイルがファンキー時代には知的過ぎたのかもしれないし、同じタイプのソニー・クラークの前で霞んでしまったとも思えるが、知的なセンスを買われブルーノートのA&Rマンに就任している。シーンが目まぐるしく変化する70年前後は名門ブルーノートですらレコードのセールは芳しくなかった。硬派なブルーノートが一般受けするクリスマス・アルバムを作った背景にはプロデューサーとしてのピアソンの思惑があったのかもしれない。
競売にかけられた「サンタクロースの旅行計画」の所有者は俳優の津川雅彦氏で、氏が経営するおもちゃ店「グランパパ」の破産危機を免れるために出品したようだ。落札額は意に沿わぬものだったらしいが、共同経営に手を差し延べた企業があるという。おもちゃへの夢が途絶えないよう、これもサンタの旅行計画のひとつだったのだろう。
クリスマス・アルバムは数多くありますが、ピアソンと過ごすイブはいかがでしょうか。ピアソンのお気に入りのアルバムをお寄せください。
管理人 Duke Pearson Best 3
Tender Feelings (Blue Note)
Hush! (Jazzline)
Profile (Blue Note)
ノーマン・ロックウェルの絵がお好きな方からのコメントも大歓迎です。素敵な作品のご紹介を願えれば幸いです。
クリスマスの話題等、今週もたくさんのコメントお待ちしております。
連日連夜の忘年会、お疲れ様です。鉄の胃袋と鋼の肝臓をお持ちのduke様も多少はお疲れではないかと思っております。(笑)
デューク・ピアソンは、グラント・グリーンの「アイドル・モーメンツ」で聴いたのが最初だったと記憶しております。その後、ドナルド・バードとの共演盤を聴き良いピアノだと思ったのですが、リーダー・アルバムは、あまり聴き込んではいません。
そういうわけで、ベスト3を上げるのはチョット恥ずかしいのですが・・・。
「テンダー・フィーリングス」
「プロフィール」
「バグズ・グルーブ」
忘年会も最終コーナーです。頑張って下さい。(笑)
lyrical とか sensitive とかいう言葉がピッタリ
はまるタイプのピアニストというイメージですが、
フレーズやコードの使い方に今ひとつ強烈な個性に
乏しいという印象ですね。
クリスマス・ソングのアルバムは、CD中古市場で
かなりの高値がついているようですね。
以前、友人に借りてRに落としたのですが、どこかに
紛れ込んでしまいました。
リーダー作の手持ちは、その紛れたクリスマスを
入れてもたったの6枚ですから、ベスト3を語るのも
恥ずかしいのですが、一応。
↓
1)トリオ物から、
「Tender Feeling」(BN)
やはり、緑イルカとアイム・ア・フールは、
絶品と思います。
2)管の入ったコンボものから、
「Sweet Honey Bee」(BN)
若きフレディ、ジョー・ヘン、頑張ってます。
3)ビッグ・バンドものから、
「Introducing Duke Peasons Big Band」(BN)
フランク・フォスター、ルー・タバキン、ペッパー・アダムス、
ジュリアン・プリースター、ジミー・クリーブランドと
ホーン・セクションには錚々たるツワモノがずらり。
いやぁ、こちらのヱビス度数をよくご存知で畏れ入ります。2次会で若いオネーチャンに誘われましたが早々と帰ってきました。どうにも私が好みのテンダーではなくワイルド・フィーリングでした。(笑)
やはりここは「テンダー・フィーリングス」ですね。ピアソンの持ち味が十分に発揮されており好きな1枚です。ブルーノートでも目立たないアルバムですが、ふと針を落としたくなるアルバムです。
今年もあと僅かですが、最終まで頑張りましょう。
新規投稿かと思いましたら、上に何か勘違いしている輩がおりました。クリスマスに神聖なジャズのページに足を踏み入れるとは全く罰当たりです。
ご指摘のように強烈な個性はありませんが、黒人には珍しい lyrical とか sensitive があります。それがブルーノートというカラーでは霞んでしまったのでしょうね。記事でも書きましたようにクラークの影に隠れ、知的にもかかわらずハンコックにもなれなかった不幸な人とも言えます。ひょっとしてブルーノートではなく、プレスティッジやリバーサイドのハウス・ピアニストの存在ともなれば違った展開になったのかもしれません。
「Sweet Honey Bee」に「Introducing」がきましたか。トリオとは違った側面が聴かれますが、管が入るとやはり持ち味の lyrical の部分が薄くなりますね。
意外とクリスマス・アルバムは高値のようです。私は紙ジャケのプラスワンで所有しておりますが、レコードではカットアウト盤が随分出回っておりました。やはりこの時期しか売れなかったのでしょうね。
デューク・ピアソンは、コロコロしたピアノ、という印象です。
一時期、デューク・ピアソンばかり聴いていた時がありましたが、久しぶりに聴きました。
1.Tender Feelings
2.Profile
3.The Right Touch
基本的には、トリオの演奏のほうが好きなので、1、2はトリオになりました。
The Right Touchはファンキーで、ノリがいいです。こういうのもなかなかいいです。デューク・ピアソンのアレンジャー、プロデューサーとしての才能が伺えるアルバムだと思います。
そうですね、あれはグラントのギターよりも、
ボビ・ハッつぁんのヴァイブと、ピアソンのピアノ
のほうが印象に残ったアルバムでした。
>Hush! (Jazzline)
これは知らないなあ、と思っていたら、
昨夜○D-Rに落としたものを、発見。
ズートのサヴォイ盤をダビングした空き容量を利用しての
録音でしたから、例によって紛れ込んでいました(笑)。
しかし、いつ、どこで、誰に借りたのか、全く記憶になし。
しぶ~いAngel Eyes 収録ですね。
冒頭と中間で、回想的にシンバル音が微かに聞こえますが、
殆どピアノ・ソロの演奏。
Angel Eyes に拘りありと言いながら、これを
忘れているようでは、デニスさんに叱られますな。
ピアソンばかり聴いていた時があったようですが、私も一時聴きましたよ。勿論 miyuki さんと共通の2枚です。やはりエヴァンスのような知的なピアノですので、トリオのほうがより美しいですね。
The Right Touch はブルーノート・オールスターズといったセッションでいい乗りです。ハバードとスポルディングの組み合わせは「バックラッシュ」でも聴かれますが、いいコンビです。
クリスマスソングのベスト3は、昨年大いに盛り上がりました。何年後かのクリスマスにまた話題にしたいですね。以前挙げたものは忘れているでしょうから面白い展開になるでしょう。(笑)
さすがに Jazzline のオリジナルは○月社でもみかけなかったですね。何せこのレーベルは、「Hush!」と Dave Bailey の「Bash!」しかありません。オリジナルは上野のジャズ喫茶「ママ」で見たのが一度限りです。ヤフオクに出ることはないでしょうが、おそろしい価格になる1枚でしょう。
ドナルド・バードの参加もありピアソンの中ではファンキー度が高いアルバムです。当時のシーンからみるとレーベル名と内容が一致しますね。
「Bash!」も、いいアルバムですね。
トミー・フラナガンのサイド参加作品の中でも、
かなり好きなほうの作品です。
「Hush!」のドラマーは、MJTのWalter Pderkinsで、
まあ彼も悪くはないんですが、ピアソンの相手役ドラマー
としてはミッキー・ローカーあたりのほうが、しっくり
いく感じですね。
ピアソンという人、堅実なイメージがあるので長生きと
思いきや、意外にも48才の若さで亡くなっています。
晩年の数年間は、Multiple Sclerosis(多発性硬化症)
という難治性の神経疾患に苦しめられたようです。
そういえば、英国の天才女流チェリストのジャクリーヌ・デュプレも
この病気で亡くなっているんですね。