コタツ評論

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川は流れる

2011-05-19 02:34:00 | 音楽
ふと、口ずさんでいたのに気づき、覚えていたことにちょっと驚いた。場所は、ホテルオークラ。誰もいない。客が少ないなんてものではない。かつて、横浜華僑の大物が、「中華を食べるなら、オークラの桃花林へ行くヨ」といったという「桃花林」に、私たちだけ。味も、オータニの大観苑なみに落ちていた。かつて好きだった、華やかだった「テラスレストラン」も閑散。地方の駅前ホテルの平日がこんなものだ。ちょっとショックだったな。



なんと暗く悲しい歌かな。この川は細く流れるどぶ川だろう。昭和36年(1961)、もちろん、俺がこの歌を聴き知ったのは、ずっと後年のこと。高度成長期に取り残され、敗れ散った人々の歌だ。はじめて知った「病葉(わくらば)」という言葉。「街の谷」という意表をついた比喩。「明日は明るく」と唐突に終わる。昭和歌謡史に孤絶した名歌。「流れれ るる~」とラ行が巻き舌になる独特の歌唱。年をとって、音程は下がったが、味わいはさらに深い。中曽根美樹以外の誰にも歌えない「川は流れる」。

病葉を 今日も浮かべて
街の谷 川は流れる
ささやかな 望み破れて
哀しみに 染まる瞳に
黄昏の 水のまぶしさ

思い出の 橋のたもとに
錆びついた 夢のかずかず
ある人は 心冷たく
ある人は 好きで別れて
吹き抜ける 風に泣いてる

ともし火も 薄い谷間を
ひとすじに 川は流れる
人の世の 塵にまみれて
なお生きる 水をみつめて
嘆くまい 明日は明るく


デビュー当時
http://www.youtube.com/watch?v=vVRrth7RhbU&feature=player_embedded




コメント (1)
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