コタツ評論

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清ちゃん、よくやった!

2011-11-11 23:34:00 | ノンジャンル


読売新聞社会部次長のこの人に、会ったことがある。裏社会がからむ事件物のネタが好きで、あとでこの人が書いた3面を大きく占めた記事を読んで驚いたことがある。ある経済事件の構図に関する記事だったが、登場人物がAだのNだのイニシャルだらけだったからだ。そんな週刊誌記事みたいな新聞記事を読んだのは初めてだった。

新聞記事としては、あきらかに邪道めいた、そんな記事を載せることができるのは、彼がいくつものスクープ記事をものしたやり手だったからだが、新聞記者の臭みを感じさせず、こちらを警戒させないにこやかな物腰ながら、どこか武骨で素朴な人柄を隠すことができず、町工場の社長や地方の商店主が似合いそうな第一印象だった。

読売巨人軍の球団代表に就任したのを知ったときは、意外な出世と転身に驚いた。渡辺恒雄会長によほど覚えめでたかったのだろう、と思った。政治部記者として中曽根内閣に深く食い込んで以来、政界フィクサーを任ずるナベツネは、読売伝統の社会部を冷遇したことでも有名だったから、つまり、どれほどのゴマをすったのか、と少し憮然とした。

今回の「ナベツネ告発」記者会見のニュースを聞いたときは、やはりナベツネも85歳、とうとう叛乱の狼煙が、読売巨人軍という周縁から上がったのか、と妙に納得し、清武さんは、そういうやり手でもあったのかと驚いた。ところが、すぐさま、桃井球団社長が反論の記者会見を開いたから、綿密な根回しが済んだクーデター計画ではなさそうだとがっかり。

腹に据えかねたこと、二十度や三十度ではないにしても、「涙の抵抗」という年齢じゃなかろう。やはり、この人に、クーデターや陰謀は似合わない。しかし、ナベツネからみれば、球団ナンバー3とはいえ、末端の使い走りくらいにしか思っていないだろう部下に「告発」されるとは、その威光が翳りはじめた徴候でもある。

案外、これが「蟻の一穴」となってナベツネの零落がはじまるかもしれない。そうなってほしいものだが、たとえそうなっても、清武さんに論功行賞はないだろう。そういうものだ。でも、初対面の印象通り、愚直な人だったと思い直すことができて、ちょっと嬉しい気がした。新聞記者を続けていたなら、とっくに第一線を退く年齢だ。わるくない進退ではないかと思う。

巨人・清武代表、渡辺会長の人事介入涙の告発!「球団私物化許せない」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111111-00000032-dal-base

注:蟻の一穴 
<堤防も蟻が開けた小さな穴が原因となって崩れ去ることもある>そうだが、それは蟻とは無関係な設計ミスである。私は、「蟻の一穴から堤防も決壊することがある」と思っていたし、こちらが正しいだろう。水流が蟻の一穴をズンズン広げて、またたくまに堤防が壊れるのである。臨場感に溢れているではないか。ちなみに、「ありのいっけつ」と発音する。「ありのひとあな」ではない。漢字が複数になったら、訓ではなく音読みが基本である。類語に「一穴主義」がある。これは生涯にわたって妻以外の異性もしくは同性と交合せず、貞操を守ることを信念とするものだが、「いっけつしゅぎ」というから潔い語感と響く。「ひとあなしゅぎ」といったら、マヌケに聞こえるだけでなく、次にひとが通れるほどのあなを想像して、呆然とするではないか。

(敬称略)

TPP交渉参加表明の影で

2011-11-11 06:33:00 | 3・11大震災
予想通りというより、予定通りのTPP交渉参加表明だったのだろうが、放射能汚染も予想通り、深刻度を増している。近所のスーパーでは、はっきりと国産肉離れが起きているが、魚介類も国産や近海物は買い控えされるだろう。日本の第一次産業は、TPPに壊される前に、放射能汚染で潰されるかもしれない。

恐れていたことが現実に 魚介類のセシウム汚染 日に日に上昇http://news.infoseek.co.jp/article/10gendainet000158443

1万4000ベクレル超のセシウムを検出-10月に採取、土壌撤去 11/9 東京新聞

八王子市は八日、同市北野台の北野台ながれの公園で十月十三日に採取した土壌から、一キロ当たり1万4000ベクレルを超える放射性セシウムを検出したと発表した。すでに土壌は撤去しており、地上五センチ」の空間放射線量は毎時〇.二一マイクロシーベルトから〇.〇九マイクロシーベルトに下がっているという。(以下略)