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フォーダム大

2018-08-12 23:53:00 | 政治
小室圭さんがアメリカのフォーダム大学に留学することになった。

あまり聞いたことのない大学だが、アメリカには日本では無名でも知る人ぞ知る名門大学はたくさんある。たいていは、WASPの金持ち子弟が学ぶところだ。フォーダム大学もそんな大学の一つだろうと思っていたら、「アメリカ通」の知人曰く、「誰でも入学できる」そうだ。「ただし、学費がバカ高いから、誰でも入学できるわけではない」という(2015年の年間学費は5万8千ドル 約460万円)。

そして、フォーダム大学は二人の著名人を輩出しているそうだ。一人はトランプ大統領で、もう一人は、CIAの第23代長官を務めたジョン・オーウェン・ブレナンだ。裕福な不動産業者の父親を持っていたトランプとは違い、アイルランド移民の鍛冶屋の息子だったブレナンがどうして、高額学費の全米トップ10内にランクされるフォーダム大学に入学したのか、できたのか? 

「アメリカ通」氏によると、ブレナンは兵役に服していて奨学金が出たこと、アメフトの選手として大学から歓迎されて潤沢に金が入りそうなこと、ニューヨークのマンハッタンにキャンパスがあるためバイトするのに便利だったというのが理由だろうという。

フォーダム大で学士号を得たブレナンは、カイロのアメリカン大学でアラビア語を学び、帰国してテキサス大学で中東研究の修士課程を修了して、CIA入局後は中東問題の専門家として頭角を現していく。

SEALDsの代表である奥田愛基氏が明治学院大を卒業後、一橋大学大学院に進学したとき、その敵対者たちから、「学歴ロンダリング」と批判されたものだが、アメリカでは学士や修士、あるいは博士号をそれぞれ別の大学で取得するのはごく普通なことだ。じっさい、ブレナンもフォーダム大ではなく一流のテキサス大出身と認知されている。

トランプ大統領の場合は、父親の会社も家もマンハッタンにあったから、「遊びまわるのに便利だからフォーダムへ行ったのだろう」と「アメリカ通」氏はいう。「しかし、フォーダムでは肩書きにならないから、父親がペンシルバニア大のウォートン校に押し込んだ」と見ている。

トランプ大統領は、そのツイッターで、「私はアイビーリーグ出身だからバカではない!」と発言して失笑を買ったことがある。なかでもウォートン校は代表的なビジネススクールのひとつであり、そのMBA学位の権威は知られている。頭脳明晰と評判の娘イヴァンカもウォートン出身である。

つまり、「アメリカ通」氏は、テキサス大やペンシルベニア大に比べて、フォーダム大を「三流大学だ」というのだ。そして、「小室圭さんはよくぞ我慢してフォーダムにしたと思う」と顔を曇らせた。

ICU出身の小室圭さんがアメリカの大学の難易度を知らないはずはなく、下手をするとICUより格下のフォーダム大へ「逆学歴ロンダリング」になりかねないのに、という懸念しているわけだ。

母親の400万円借金問題で破談かと取りざたされているのに、年間400万円以上の学費をいったい誰が負担するのか、という私のゲスな疑問を「憂国の士」でもある「アメリカ通」氏にぶつけはしなかったが。

(敬称は略していない)