コタツ評論

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2011/3/11 のあまちゃん

2013-09-02 11:07:00 | 3・11大震災


観光協会事務局長のジオラマ趣味が周到な伏線だったことが、けさ判明。地震で壊れたジオラマは、怪獣に破壊されたミニチュアの町のようでもある。トンネルの出口をめざし、懐中電灯を片手に線路を歩く大吉が口ずさむは、十八番の「ゴーストバスターズ!」。どこまでも続く80年代へのオマージュ。あるいは80年代こそ回帰点という大胆な批評性。

未見だが、ハリウッド映画「パシフィック・リム」とジブリ映画「風立ちぬ」への相聞歌ではないか。もちろん、80年代が出自であれば、テーマやモチーフの相同は当然だが、公開が前後したのは偶然とは思えない。おまけに、宮崎駿が引退宣言ときた。引導を渡された自覚が、宮崎にありやなしや。戦災より震災、結節点は1945/8/15ではなく、2011/3/11なのだ。

一方、これほど時代精神を穿つ脚本を書き上げた宮藤官九郎と、薬師丸ひろ子のデビュー時に匹敵するほど新鮮な魅力を発散させた能年玲奈に、年若くして代表作を得た二人に、はたして明日はあるのかと懸念。

(敬称略)

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