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非人情の準備

2014-01-25 06:14:00 | 詩文
宮尾節子の詩のおかげで思い出した。むかし、よく読んだ半村良に「軍靴の響き」「回転扉」という作品があった。物心のつく12歳で「終戦」迎え、両国高校卒業後は零細広告会社のアドマンや酒場のバーテンダーをなりわいとして、人情の機微をよく知る清野平太郎(本名)がもし生きていたなら、きっと、この詩のような非人情を憂う小説を書いていただろう。

明日戦争がはじまる - 宮尾節子
https://twitter.com/sechanco

まいにち
満員電車に乗って
人を人とも
思わなくなった

インターネットの
掲示板のカキコミで
心を心とも
思わなくなった

虐待死や
自殺のひんぱつに
命を命と
思わなくなった

じゅんび

ばっちりだ

戦争を戦争とも
思わなくなるために
いよいよ
明日戦争がはじまる


(敬称略)

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