コタツ評論

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320億円と50万円

2018-08-13 00:45:00 | 政治
除草剤で末期がんに、米裁判 陪審がモンサントに約320億円の支払い命じる評決
http://www.afpbb.com/articles/-/3185756?pid=20421498

これ、患者団体に、ではなく、一人に320億円の支払い命令です。

8週間の裁判で、サンフランシスコの裁判所の陪審は懲罰的損害賠償金2億5000万ドル(約280億円)と補償的損害賠償金やその他の費用を合わせた計約2億9000万ドルを支払うようモンサントに命じる評決を出した。

懲罰的損害賠償金2億5000万ドル(約280億円)なので、被害者への補償的損害賠償金やその他は4000万ドル(約40億円)になるわけです。高橋まつりさんが過労死した電通の裁判で、電通が払った罰金はたった50万円でした。裁判もAIに任すべきではないでしょうか。
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フォーダム大

2018-08-12 23:53:00 | 政治
小室圭さんがアメリカのフォーダム大学に留学することになった。

あまり聞いたことのない大学だが、アメリカには日本では無名でも知る人ぞ知る名門大学はたくさんある。たいていは、WASPの金持ち子弟が学ぶところだ。フォーダム大学もそんな大学の一つだろうと思っていたら、「アメリカ通」の知人曰く、「誰でも入学できる」そうだ。「ただし、学費がバカ高いから、誰でも入学できるわけではない」という(2015年の年間学費は5万8千ドル 約460万円)。

そして、フォーダム大学は二人の著名人を輩出しているそうだ。一人はトランプ大統領で、もう一人は、CIAの第23代長官を務めたジョン・オーウェン・ブレナンだ。裕福な不動産業者の父親を持っていたトランプとは違い、アイルランド移民の鍛冶屋の息子だったブレナンがどうして、高額学費の全米トップ10内にランクされるフォーダム大学に入学したのか、できたのか? 

「アメリカ通」氏によると、ブレナンは兵役に服していて奨学金が出たこと、アメフトの選手として大学から歓迎されて潤沢に金が入りそうなこと、ニューヨークのマンハッタンにキャンパスがあるためバイトするのに便利だったというのが理由だろうという。

フォーダム大で学士号を得たブレナンは、カイロのアメリカン大学でアラビア語を学び、帰国してテキサス大学で中東研究の修士課程を修了して、CIA入局後は中東問題の専門家として頭角を現していく。

SEALDsの代表である奥田愛基氏が明治学院大を卒業後、一橋大学大学院に進学したとき、その敵対者たちから、「学歴ロンダリング」と批判されたものだが、アメリカでは学士や修士、あるいは博士号をそれぞれ別の大学で取得するのはごく普通なことだ。じっさい、ブレナンもフォーダム大ではなく一流のテキサス大出身と認知されている。

トランプ大統領の場合は、父親の会社も家もマンハッタンにあったから、「遊びまわるのに便利だからフォーダムへ行ったのだろう」と「アメリカ通」氏はいう。「しかし、フォーダムでは肩書きにならないから、父親がペンシルバニア大のウォートン校に押し込んだ」と見ている。

トランプ大統領は、そのツイッターで、「私はアイビーリーグ出身だからバカではない!」と発言して失笑を買ったことがある。なかでもウォートン校は代表的なビジネススクールのひとつであり、そのMBA学位の権威は知られている。頭脳明晰と評判の娘イヴァンカもウォートン出身である。

つまり、「アメリカ通」氏は、テキサス大やペンシルベニア大に比べて、フォーダム大を「三流大学だ」というのだ。そして、「小室圭さんはよくぞ我慢してフォーダムにしたと思う」と顔を曇らせた。

ICU出身の小室圭さんがアメリカの大学の難易度を知らないはずはなく、下手をするとICUより格下のフォーダム大へ「逆学歴ロンダリング」になりかねないのに、という懸念しているわけだ。

母親の400万円借金問題で破談かと取りざたされているのに、年間400万円以上の学費をいったい誰が負担するのか、という私のゲスな疑問を「憂国の士」でもある「アメリカ通」氏にぶつけはしなかったが。

(敬称は略していない)


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オリオンの星

2018-08-10 22:32:00 | 政治
翁長雄志と鳩山由紀夫。この二人の「沖縄に米軍基地はいらない」という主張に、どうして反対する人が少なくないのか。賛成しない人が多数なのか。ずっとわからなかった。他国の基地を置きたくないというごく当たり前の考えが、どうして売国奴のように侮蔑されるのか、まるでわからなかった。いまもわからない。

Paying Tribute to Okinawa Governor Takeshi Onaga: Japan's Bravest Man
https://www.forbes.com/sites/stephenharner/2015/09/15/paying-tribute-to-okinawa-governor-onaga-japans-bravest-man/#b1bf07a4e4a9

沖縄知事オナガ・タケシは、日本の最も勇敢な男性ではないですか? 他に誰が、断固として日本とアメリカ合衆国の政府、米国のペンタゴン、日本政界の暴力的な右翼、一般的には柔軟であるものの安倍一派、日本のメディアに逆らう勇気を持っていますか?(コタツ訳)

Condolence Message from the USFJ Commander: Lt. Gen. Jerry P. Martinez

安室奈美恵さん、翁長知事死去でコメント
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-778660.html

沖縄の事を考え、沖縄の為に尽くしてこられた翁長知事のご遺志がこの先も受け継がれ、これからも多くの人に愛される沖縄であることを願っております。

ゴルバチョフ氏、翁長知事に追悼文
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-780274.html

翁長雄志さんは優秀な政治家であり、立派な人間でありました。私は翁長さんと何度も会いました。
 彼はいつも不変で堅固な意志を持ちながら、将来への明確なビジョンを持っていました。彼の活動の基本方針は、平和のための戦いであり、軍事基地拡大への反対と生活環境向上が両輪でした。


これら翁長さんを追悼する言葉を私は妥当なものとするが、私が「わからない」とする人たちは、やはり考えを変えることはないのだろう。

翁長知事を「殉職」に追い込んだ真犯人は誰なのか
http://agora-web.jp/archives/2034164.html

長文論評ですが、翁長死去からのメディアやネットの論調をよくまとめています。ただし、タイトルや小見出しが筆者自身がメディア批判する「煽り」そのものであり(編集部が付けたのだろうが)、「真犯人」を民主党政権としたいあまりに、無理くり鳩山由紀夫までおまけにつけた安倍御用記事といえます。引用されているインタビューで翁長さんはこう述べています。

僕らはね、もう折れてしまったんです。何だ、本土の人はみんな一緒じゃないの、と。沖縄の声と合わせるように、鳩山さんが『県外』と言っても一顧だにしない。

翁長さんは死ぬに死にきれない思いだったでしょうが、その遺志が受け継がれるのを願って、昨夜は沖縄オリオンビールで献杯しました。



(止め)
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安倍政権の功績

2018-08-02 23:10:00 | ノンジャンル
女子の就職差別は知っていた。有名大学卒+就職試験が難しいことで知られる、新聞社や出版社、TV局などは面接で女子を落とす。

理由は、東京医科大と同じく、優秀であっても結婚や出産で戦力にならないから。じっさい、さすがに不正は考えにくいエリート官僚資格となる国家公務員の総合職試験では、女子の合格率が24%、採用率は34%に達している。

しかし、東京医科大の女子は一律入学試験を減点する不正とは前代未聞だろう。いや、私が知らないだけで他大学でも行われてきたのかもしれない。たいてい、不正は横並びに行われるからだ。

一連の不祥事・スキャンダルに文科省がらみが多いのは官邸の仕掛けを疑わせるが、日本売国という巨悪・大悪を追及する矛先を逸らすためのマスコミ操作だとしても、こうした暴露は安倍政権の功績ともいえる。

民主党が政権を奪ったとき、これで自民党の旧悪が次々に暴露されるだろうと期待した。じっさいに暴露されたのは小沢一郎や鳩山由紀夫のスキャンダルだった(民主党の面々は悪乗りした形だったが)。皮肉にも、「一強独裁」といわれる安倍政権の足下から、日本旧来の膿が次々に噴出している。

かつて、「疑惑の総合デパートですよ、あなたは!」と辻本清美は鈴木宗男を罵ったが、いまや流通産業の王様はAmazonになった。ならば、不正不義のAmazonといっても過言ではない官邸なのだが、一人東京新聞の望月衣塑子記者を除き、その恫喝と懐柔を駆使した「マスコミ対策」が功を奏しているかに見える。

抑え込めば反発を招き、忖度が過ぎれば反動は溜るのが道理。財務省や経産省などに比べれて、官僚の質量ともに脆弱な文科省は「官邸主導」に屈しやすかった反面、それだけ脇の甘い取り組みに流され、官僚機構と官邸権力のもっとも薄い被膜となった。そう考えれば、必然的に醜聞の噴出口になったといえる。

いずれにしろ、パンドラの箱を開けたのはゼウスが遣わしたパンドラではなく、安倍晋三だとすれば、箱の底に残された「希望」が告げるのは、「絶望の虚妄なること まさに希望に相同じい(魯迅)」に違いない。

近日、「ヴェノム」というご贔屓のトム・ハーディ主演の映画が公開される。その惹句は、「世界を変えるのは最悪だけだ!」。いま世界の最悪といえば、トランプ・安倍コンビにほかならない。

そして、最悪とは、小悪や旧悪が育てるもの。これも、ご贔屓だったヒース・レジャーがバットマン映画『ダークナイト』で最凶の敵役ジョーカーを演じたときに、「俺もはじめはほんのコソ泥に過ぎなかった。俺を育てたのはお前らだ!」と叫んだものだ。

私たちの小悪や旧悪がいま暴かれて底なしという有様だ。繰り返すが、それは安倍晋三の功績かもしれない。

(敬称略)

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