2015/9/28
14歳でプロ棋士となり、「高速の寄せ」を武器に一時代を築いた谷川浩司の2015年の著書。
プロ同士になると、定跡をはずした一手が勝負の分かれ目になるという話。
棋士が書く本だとガチガチの技術論か一般向けの抽象論になりがちだけど、この本では日本将棋連盟会長として電王戦開催時の心境が率直に書かれていて、より興味深い。
棋士には「勝負師」「研究者」「芸術家」の三つの側面が必要という話は、勝敗のあるいろんなスポーツに共通して言えそう。
一時期のパリーグの主力投手が、チームの垣根を越えて情報交換することでレベルアップしたっていう話は「勝負師」に加えて「研究者」要素も取り入れた結果なのかなと思った。
天才と呼ばれた人が50年以上続けていても底が知れないという将棋の奥深さをあらためて感じる。