ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

小学生とネイチャーゲーム

2018-07-27 13:06:31 | ワークショップの報告

今日は、おかずに声をかけていただいて、ネイチャーゲームの助手に行ってきました。

参加者は小学校1年生から6年生までの24人。それと子どもクラブ(?)のスタッフ3名。
9時からの約2時間。

「集合」に時間がかかり「ひとつの輪になりましょう」ができない元気な子たち。
男の子(特に低学年)は、そもそも話を聞いていないし、高学年(特に6年生)の女の子は控えめで輪のうしろになりがち。

そりゃそうだわね。おまけに夏休みだし、暑いし。これで整然と輪になれたとしら、そんな小学生、かえって気持ち悪い。

そんなわっさわっさとした状態の中でも、近くの公園で目を閉じてどんな音が聞こえるか感じてみたり、「黄色いもの」「おいしそうなもの」「宝物」を探したり。

最後に見つけた宝物をもってクーラーのきいた講堂へ。
ヒルガオの花をとってきた男の子、おかずに「花を取って良いって言ったっけ」と言われていましたが、ごめんなさい。その子も私も話を聞いてなくて、「取ってもいいよ」と言ったのは私です。

ペアをつくって自分の宝物を紹介し、次々ペアを変えて宝物を伝達していくゲーム。
写真左が私の宝物。草のイヤリングです。

子ども「イヤリングって、手を離したら落ちるじゃん」
私「じゃあ、耳に差してみよう。あっ、やっぱり落ちる」
子ども「眼鏡に挟んだら」
私「そうしよう。あっ、やっぱり落ちる」
子ども「鼻の穴に入れて~」
私「やってみてよ~」
イヤだって。

最後に宝物を元の持ち主に戻すのですが、持ち主の名前が変わってしまったものが続出。
それでもなんとか全部元の持ち主に戻りました。

写真右は、ある男の子が面白い石があると教えてくれて拾ったもの。
「すごい!よく見つけたね。ひょっとして、将来化石博士とかになるんじゃない?」というと、
すでに化石博士だそうで、「この石にも化石があるかも」と言っていました。

しょっちゅうじゃれあっている(でも片方が一方的にたたかれたりしている)男の子どうし。
「仲良しねえ」というと「仲良しじゃない!」
「だって、いつも一緒じゃん」
「兄弟!」
「えっ?どっちがおにいちゃん?」
結局、おにいちゃんが弟をたたいて泣かしていました。

「あんたたちねえ。帰っても一緒にいるんでしょう。じゃあ、今は間に入らせて」
と、ふたりの間にむりやり割り込む。
お兄ちゃん「おまえはもう死んでいる」(これって私も知っているけど、古くない?)と手型の銃をつきつけてくる。
「カチッ」というので
「やられたあ~」と死ぬと
「早すぎる。まだ撃ってない」と言われる。芸が細かいやん。
それから、何度か殺されました。

最後は、ペアになって、おかずの持ってきた石を片方が渡し、渡された方は手触りだけで元に戻された多くの石の中から自分のさわった石を探すゲーム。
みんな当てようと必死で楽しんでいました。

ゲームのあと、輪になりました(このころには輪になっていました)。

おかずの「石はどうしてできるか知っている?」の質問に「宇宙から隕石が来る」「火山が爆発して冷えてできた」など、メチャ賢い子どもたち。

ようやく子どもたちと仲良くなって、これからという感じだったのですが、終了!
また行きたい!
絶対、また行きたい!
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対話のある学習―免許状更新講習

2018-07-26 10:26:58 | ワークショップの報告
昨日、立命館大学での最後の免許状更新講習でした。
来年の3月まで、「立命館大学で最後の」が積み重なっていくのですね。

テーマは毎年(昨年は少し違いましたが)「対話のある学習―協同学習と演劇的手法」ということでジグソー法と演劇の手法を取り入れています。

これまでは、津田塾大学の吉田真理子先生と一緒に開発した「ハックルベリー・フィンの冒険」を取り上げてきましたが、今年は道徳を取り上げました。

自分でも「なんでこうなんだろう」と思います。なぜ無難に行こうとしないのか。
「アラがあるから変えていこう」というのは当然としても、安定しているのにそれを捨てて次の冒険をしたくなる。

まして、道徳なんて、専門家でもなければ推進派でもない!
しかも、ほかで実践したことをもってくるならまだしも、いきなり免許状更新講習でやるって、どうよ。自分につっこみまくりながらも、やりたいという思いが勝ちました。

最初の案は
レクチャーとウォームアップののち
① コールバーグの道徳性発達の六段階説、モラルジレンマの授業の進め方をジグソー法で学ぶ
 教材は「トランジット・ビザ」(『中学校新モラルジレンマ教材と授業展開』荒木紀幸

② 「風に立つライオン」の教材で、演劇的手法を取り入れた道徳授業を体験してもらう
(さだまさしの歌をもとに学生が考えた授業。『演劇と教育』No.704に掲載していただきました。)

③ 「一文笛」の教材を使って、グループで演劇的な技法を使った道徳授業を考えてもらう
「一文笛」(『中学校新モラルジレンマ教材と授業展開』荒木紀幸)

④ やってみてどうだったかをふりかえる


スケジュール
9:30-11:00 第1 講(90 分)レクチャー、チェックイン&ウォームアップ、ジグソー法

11:10-12:40 第2 講(90 分)ジグソー法ふりかえりと「風に立つライオン」体験

12:40-13:30 休憩(50 分)

13:30-15:00 第3 講(90 分)午後のウォームアップ、「風に立つライオン」ふりかえり、「一文笛」の授業づくり

15:10-16:40 第4 講(90 分)つくった授業をやってみてふりかえる、全体のふりかえり、チェックアウト

16:40-16:50 アンケート

17:00-17:30 認定試験(30 分)


実際には、次のようになりました。
9:30-10:50 第一講(80分) レクチャー、チェックイン&ウォームアップ、グループ分け

11:10-12:40 第二講(100分) ジグソー法、「風に立つライオン」

12:40-13:30 休憩(50 分)

13:30-15:00 第三講(90分) 午後のウォームアップ、美濃山小の「15の演劇的手法と4つのなりきって『書く』活動」の紹介、ジグソー法と「風に立つライオン」のふりかえり、「一文笛」で授業づくり(30分、うしろの10分で演劇の手法を決めるように促す)

15:10-16:40 第四講(90分) 授業づくり(20分、教師役を決めるように促す)、授業実践とふりかえり(2グループペアで、各25分。授業15分、ふりかえり10分のめやす)、講師からのまとめとお知らせ、チェックアウト


午前中までは、まず順調でした。ちょっとレクチャーが長くなって、ジグソー法のまえで休憩に。第二講でジグソー法のふりかえりをしないまま、「風に立つライオン」に移りました。

「風に立つライオン」は、今回いろいろな観点からの意見が出たし、ワークシートにもコールバーグの段階を意識しつつのふりかえりがあり、体験として良かったのではと思いました。ワークシートを書いて、ホワイトボードに貼ってもらうところで昼食休憩に入りました。

午後は、私自身がおなかいっぱいで、とても眠いので、体をうごかすことから入りました。それを静止画の説明に結び付け、美濃山小学校の「15の演劇的手法と4つのなりきって『書く』活動」の紹介への流れ。あとの授業づくりで、説明しただけで実際にはやってみせなかったホット・シーティングを使うグループも出てきたので、この流れは良かったと思います。ただ、少し時間が長すぎたようです。次に、ジグソーと「風に立つライオン」のふりかえりを入れたので、授業づくりに当てる時間が短くなりました。しかも、ふりかえりのときに、せっかく貼ってもらったワークシートにふれるのを忘れました。

美濃山小学校の道徳の授業については、『授業づくりネットワークNo.30』に書かせていただきました。

授業づくりが思ったより時間がかかりました。授業の一部で良いといったのですが、先生方はかなり真剣な話し合い。もっと小さな課題にするか、スモールステップにしながら、時間を区切るかしていけばよかったかもしれません。
例えば、「この教材で演劇の手法を入れる場面をひとつだけ作ってください」とか。

一番想定外だったのは、「一文笛」の結末部分を渡さずに授業づくりをやってもらったためか、遵法精神を授業のねらいにしたグループがあったこと。スリをさせないためにどうしたら良いかという、「解決策」を考える授業になってしまいました。それはそれで面白かったのですが。

結末部分をあとで配布しました。そうでないと、結末に引きずられて、葛藤状況にならないのではと思ったのです。これが裏目に出たようで。

ちょっとショックでした。せめて、ちゃんとふりかえりの時間をもって、そのことをディスカッションできればよかったのですが。

「法を犯してでも命を救うという選択がありうる」という見解に立つことが、個人の信条として難しい方がいるのかもしれない。
あるいは、学校というところでは「スリをしても良い」というようなことを言ってはいけないと思っておられるということでしょうか。
そうなると、「命を助けるために他に方法がないのか」という話し合いにならざるを得ない。
「一文笛」をジレンマ教材として取り扱う難しさを改めて感じました。

やってみて、「一文笛」の学習計画を演劇的手法を使ってつくり、それを実際にやってみるということがいかにムチャブリだったか。普通、「そんなことやるまでもなく分かるだろう」と思いますよね。確かに。でも、私はできると思ってしまう。

そして、実際にやりきった先生方の力量には「さすが!」。脱帽です。
2グループをペアにして、互いに生徒役、先生役でやってみるということ。そして、やってみてどうだったかを話し合うという方法の良さを再認識しました。


90分4コマがあっという間でした。
でも、ひとりで4コマ通すのはやはり疲れました。
学生がふたり手伝ってくれ、それは本当にありがたかったです。

終わってから学生の感想。

「こういう免許状更新講習だったらいいけど、レクチャーを聴くだけだったら1日は疲れる。」
自分が将来講習を受ける時を想像したようです。
「自分たちの時もありますかね」というので、「演劇的な手法をつかった講習はあると思うよ。他にもアクティビティを主体とした講習はあるよ」と言いました。それにしても、5日間の講習は、受ける方も大変ですね。行きたいものなら良いのですが。

「自分たちは演劇の手法をつかっていろいろやってきたので、『一文笛』をみてもいろいろな場面が想像できるけれど、1日だけだと先に体験した方法に囚われると思った。」
どういうこと?と聞くと、「例えば井戸に身を投げる子どもの気もちを想像する場面を取り入れてみたい」と言っていました。なるほどね。

確かに、この講習ではそこまで自由な発想は生まれませんでした。
「どういう場面を演劇的手法でやってみたいか」という課題にすると、発想も広がるし授業づくりと実践の時間は短縮できそう。
ジレンマ状況からは遠ざかるかもしれませんが。


こういうのも何ですが、私は自分の進化を実感しました。
「なぜ、こんなチャレンジができたのか」
それは、自分が未熟でも、受講者がそれを補ってくれると信じられるようになったからだと思うのです。

「何か良いことを言わなければ」「最高のものを提供しなくては」というよりも、「一緒に考えて作っていきたい。その材料を提供する」と考えられるようになりました。

これは、日ごろの授業で一緒に考えてくれる学生たちに接しているからだと思います。
だから、好きです。この仕事。

でも、今回も結局ICTでトラブったし、「資料がどこへ行った」とパニクる場面もあったし、時代についていってない面があるのも確か。
ぼちぼち、引退時です。
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ワークショップの魔法ー「トム・ソーヤを遊ぶ」ワークショップ

2018-06-19 20:16:08 | ワークショップの報告
6月17日、表記ワークショップをしました。

チェックイン
グループ分け
だるまさんがころんだ
ジグソー
トムの冒険
私の冒険
(昼食)
歌合戦
オール・マン・リバー
(休憩)
マイクのほら話
(休憩)
未来の冒険
リフレクション俳句
終了:アンケート

というプログラムでした。

楽しくて、面白くて、有意義で。

ドタキャンもありましたが、スタッフも含めて20名、ファシリテーターのまりこさんと私で22名。

不思議なことに、だれもがステキに見える1日でした。
それぞれの個性が輝いている。
まるで魔法にかかったようです。

いい大人が、演じたり歌ったり絵を描いたりしながら、真剣に遊んでいる。
笑って、楽しんで、感心して、真剣に考えて。

なんという幸せ!なんという贅沢!

津田塾大の時とまったく同じプログラムなのに、また違う。
やり方もちょっと違う。

でも、同じプログラムにしたことで、思っていたことが検証されたり、逆の検証だったりで、発見がたくさんありました。

翌日地震で帰れなくなったまりこさんと、たっぷりリフレクション。

いろいろなことがあったけれど、結果としてすべて良し!

あ~楽しかった!
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中学校でのコミュニケーション授業

2018-02-25 08:06:24 | ワークショップの報告
文部科学省が助成する「児童生徒のコミュニケーション能力の育成に資する芸術表現体験(芸術家派遣)」事業に、劇団ZTONが取り組んでいます。

私をアドバイザーにしてくださったので、実施前の検討会、実際の中学校でのワークショップに参加(私自身の授業時間割とインフルのため4回しか参加できませんでした)。
そして先日は事後検討会に参加しました。

中学校といっても、学校によってずいぶん異なり、クラスの三分の一ぐらいが見ている感じの中学校もあったとか。それでも回を重ねるごとに変化があったようです。
私が観にいった学校は、とても素直で元気な生徒たちでしたが。

小学校で学級崩壊していたという中学もあり、そういうところの生徒は大人への不信感をありありと感じる。
小規模校で、小学校からずっと同じメンバーという中学校もあり、そういう中学校は小学校の人間関係をそのまま引きずっていて、良くも悪くも新しい関係を築くのが難しい。

ファシリテーターを務めたスタッフたちの感想から、中学校の実情が見えてきます。

3年に1回だけでなく、1年生、2年生と連続して行けるとよいなあ、という話も出ていました。
そのほか、積極的な意見がいろいろでましたが、学校側の事情や、予算との兼ね合いもあり、どれも実現するというわけにはいかないようです。

いろいろ聞いて参考になりました。

終わってから、「コミュニケーションで何を大事にしているか」や「なぜ役者になったのか」という話をスタッフのそれぞれがしてくれて、とても面白かった。
危うく終電を逃すところでした。
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即興で絵本をつくろう! 報告

2018-02-24 21:00:19 | ワークショップの報告
めっちゃ面白いワークショップでした。
こういう遊び、最高!

映画がおよそ2時間、シルバー割で1,100円。
このワークショップも2時間。
1,000円なら払ってでも参加する!

   ***

しばらくストレッチをしてから
各自、好きに絵を描く

自分の描いた絵について少し説明
グループに分かれる(4人ずつの2グループでした)

グループの4つの絵を一つのお話にする
全然関係ないのに、どうするの?
と思ったけれど、あるとき突然アイデアがうまれる

可視光線から「かしこの光線」という言葉が生まれ
「かしこの光線は見えないけれど○○は見える」シリーズが完成

同じ絵をつかって、でも今度は他の人の絵をもって
「○○が好き!」シリーズが完成

ひとつめができると、ふたつめは早い

もうひとつのグループは、絵を動かしたり丸めたり、とってもユニーク
最後は8人でひとつのストーリーを完成

奇想天外なお話が飛び出し、おなかの底から笑った!
人間の想像力って、とってもゆたか

終わってからはお茶とお菓子でゆっくりおしゃべり
しあわせな瞬間

さらにそれから「できそうにもないことをやってみる会」の3人と
あきらんで晩御飯

   ***

なぜ、こんなにおもしろいんだろう

正解がない
想像力を刺激する
一緒に笑ってくれる人がいる

絵を描いているとき、単純に楽しかった
でも、出来上がった絵は、まったく気に入らなかった
そんなことも含めて楽しい

誰も批判的に見る人がいないからだろうか

こういう遊びを定期的にできたら、おもしろいんだけどな?
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