小学校の教員を目指す人たちの演習授業で、ドラマ教育の紹介をしてほしいといわれました。
打ち合わせの中で、理科の授業に使えるものということになり、「水のダンス」をつくることに。
受講生は5名と聞いていましたが、他の授業からの参加があり、計8名。
自己紹介と今日の授業の目的を話した後、まずは水滴をじーっと観察するところから。コロンとした水滴と洗剤を混ぜてダラーっとした水滴を見比べて、水の結合に思いを馳せます。
次にダンスをするためのウォームアップとして、「背中でおしゃべり」「ワン・ツー・ポーズ」「ワンタッチ・ゴロゴロ」「振り子」。
次に鬼ごっこ「H2O」で水分子を3人で作った後、4人ずつグループをつくりました。
「今度は一人一人が水分子になってもらいます。固体・液体・気体を4人で表現してみましょう。まず固体の水、氷になってみましょう。グループで相談して、やってみて。相談時間は1分です。」
「では一緒にやってみましょう。せーの」で2グループが同時に固体を表現。手をつなぎあったり、ぴったりくっついたりしています。「固体はまったく動かないのですか?振動してませんか?」と声をかけると、手を振ったりしていました。
同様に、液体、気体を表現。気体はそれぞれが気ままに動くグループと、動き回りながら出会うとハイタッチをして分子の衝突を表現するグループと。
「じゃあ、今度は三態変化をストーリーにしてダンスをつくってみましょう」。小道具として懐中電灯、タンバリン、色々な布を用意しました。
最初に発表したグループは、懐中電灯を熱源として照らし、固体から液体、気体への変化を見事なダンスで表現しました。気体になるときにポケットから布をとりだし、分子の運動の激しさを表現。最後は円になって後ろへ布を投げ、後ろへ反り返って大きく手を広げたポーズで終了。水分子になりきると同時に、芸術作品として仕上がっていました。
二つ目のグループは、液体が冷蔵庫に入れられ氷になり、少女のおやつのジュースに入れられ液体になり、今度は熱せられカップ麺のお湯となり、少女がカップ麺を食べて終了しました。お湯になるときはピンクの布を持ち、そこから離れていくことで、一部が気体になることを表現しました。生活の中での三態変化を表現したのでした。
説明的でなければ言葉を使っても良いと言ったのでのですが、このグループの場合、「声を使ってもいいけれど言葉はだめ」と言ったほうが、より観る側の想像力を刺激する作品に仕上がったかもしれません。
人数が少なかったこともあり、ここまで70分ぐらいで終わってしまいました。あとは、今日の感想を聞いたり、ドラマ教育の説明をしたり。「授業で使えそう」と言ってくれたのは嬉しかったし、担当の先生が「後期は、この手法を生かした実践を学生たちにやってもらいたい」と言ってくださり、楽しみです。
時間があるなら、即興で音楽をつけるともっといいな。
「水のダンス」はプランとしては暖めていたけれど、こんなに素敵な作品に仕上がるとは。チャンスを与えてくださった皆さんに、感謝!
ドラマの授業は、講義形式の授業にはない、一緒に作り上げる喜びがあります。疲れを忘れます。