ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

応用ドラマ教育研究会―フォーラムシアター

2011-05-01 12:27:54 | 研究会報告

年度末、年度始めの忙しさもあったのですが、地震に端を発して起こったあまりにも大きな出来事に語る言葉を失ってしまいました。久々の書き込みです。

自分の生き方がこれで良いのかと思いつつ、とりあえずはできることをやっていくしかないと気をとりなおすこの頃です。

応用ドラマ教育研究会。次回は、5月14日(土)14:00~16:00

大阪教育大学 天王寺キャンパス中央館316教室
〈内容〉
英国のドラマ教育の現状、日本における普及や問題点などの考察。
今年3月に英国へ視察に行かれた渡辺貴裕先生(帝塚山大学現代生活学部こども学科)に、映像を交えた報告と今研究されていることを話していただきます。

以下は、4月2日の例会で報告させていただいた一部です。

獲得型教育研究会2011年春のセミナーhttp://www.kakutokuken.jp/seminar.htmlについて、前半は自分の担当したワークショップの報告を中心に、後半はフォーラムシアターの報告をしました。

フォーラムシアターに関しては、初海先生と高尾先生がされたワークショップを紹介しながら、実際に動きながらの報告でした。

参加者の人数の関係で、3~4人の3グループで、いじめのきっかけ、教師がいじめを察知するシーン、いじめがエスカレートするシーンをつくってもらいました。そのうえで、教師がいじめを発見したとき、どういう対応の仕方があるか考えてもらい、それぞれのグループから誰かに出てもらってやってもらいました。

共通していたのは、いじめられている児童(6年生という設定だった。あれっ、5年生だったかな?)への先生の働きかけがされたことです。初海先生たちのワークショップでは、いじめるほうへの働きかけが重視されていました。

フォーラムシアターのファシリテーターは難しいと思いました。
例えば、演じ手が演じるたびにキャラクターを変えると、働きかけで変化したのか、キャラクターの違いで違ったのかが分からなくなることが、分かりました。
シーンの理解がまちまちで、フォーラムシアターですからそこは話し合って共通理解していけばよいのですが、時間が無いときには中途半端で終わってしまう。

こういったもろもろのことに配慮が必要です。

別のやり方で演じてもらったときに、見ていてどう思ったか観客に聞くべきでしたが、働きかけた人や働きかけられた人にまず焦点をあててしまったため、フォーラムシアターというより心理劇のようになってしまったと感じました。
時間があれば、いじめられている子ども以外の人への働きかけも考えてもらいたかったのですが。

これまで参加したフォーラムシアターは、西田豊子さんのものは劇を通して話し合った・・・と言う感じがしたのですが、他の場合はあまりそういう感じがもてなかったのは、「いろいろな働きかけがあるよ」というより、何か正解を求めてしまう雰囲気があるからか・・・などと思いました。これは日本人の特質なのでしょうか。

現代社会では、抑圧者・被抑圧者の関係があまりはっきり見えず、心の問題のように捉えられがち。ファシリテーターは自分の立ち位置をちゃんと自覚しておかないといけないなと思いました。

私自身、フォーラムシアターのファシリテーターを始めてやってみたのですが、いろいろ考えさせられることがあり、良い体験でした。

T先生が、いじめられる子どもの役をみごとに再現してくださいました。それがとても良かったです。どれほど役を自分のものにするかということが、深まりをもたらします。

コメント
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