ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

大人の女性のためのワークショップ

2008-04-04 16:32:33 | ワークショップの報告

3月31日(月)19:00-21:00(青字の部分)

高校時代の同級生のもとこさんのギャラリー象ヶ花で。他にも同級生がふたり。プレイバック・シアターやドラマ教育のつながりでふたり。以前に担任していたまきちゃんも参加。その他はもとこさんの友だちや教室のもと教え子などなど。10人の参加でスタート。集まった時点で、ワキアイアイのムード。

【ウォームアップ】名札作り。私の自己紹介とドラマ教育の説明を少し。「一歩前」「マップ」で知り合った後、小グループで自己紹介。

【テーマの設定】「自分ではない女性の人生の一場面を体験してみましょう」ということで、仕事をテーマにとりあげました。実は、仕事、子ども、老後、出会いと四つの場合の人物をあらかじめ設定していて、それから選んでもらうつもりでしたが、沖縄を出るときに持って出るのを忘れたと見えて、いくら探してもみつからない。それに気づいたのが直前で、会場づくりにバタバタしていたので改めてつくる気になれず、みんなで決めるスタイルにしたのでした。

その結果できあがった人物像が「エーコ35歳。以前は仕事をしていたが今はしていない。夫テツオ40歳、サラリーマン。子どもユウキ男10歳、サツキ女8歳、ゲンキ女5歳、ミサキ女3歳。エーコの母56歳と同居。エーコは仕事をしたいと思い始める」。

エーコは誰に相談するか。相談された人はどうするか。

【グループでの話し合い】誕生日リングで2グループに。それぞれのグループでエーコを決め、ホットシーティング(中心人物に他の人が質問をする形で中心人物の役作りをするドラマ教育の技法)でエーコのキャラクター作り。次に、エーコが誰に相談するか、相談された人はどうするかを話し合い。

この間にひとり見学。新たに一人参加。ひとり帰宅。もとこさんが用事で抜ける。各グループ4人に。

【上演】舞台(に設定したところ)の奥に座布団を4枚並べる。座布団に座っている時は観客からは見えない。エーコが相談した相手が移動したら時間がたったものとするというお約束。

最初のグループは、高校卒業したてのエリナがエーコの役。映像関係の元の同僚に相談。この同僚は会社の上司に相談はするものの、はなから「一旦やめたら無理ですよねえ」という姿勢。(女性の敵は女性だ!・・・?) エリナと上司とに話を使い分ける同僚に爆笑! ここで終るのかと思ったらもう一場面、今度は映画館。映画が好きで通うエーコに掃除のオバサンが「ここの掃除の仕事をしたら?」と勧める。

次のグループは奇しくもエリナのお母さんのまなみさんがエーコ役。夫テツオに相談。テツオは「家事に差し支えないのなら、やってもええけどなあ」と言いつつあまり賛成したくない様子。テツオは同僚に相談。「パソコンができるなら在宅勤務を勧めたら」と言われるが「外に出たいのだろうな」と思い至る。

【発展】この後、エーコは「仕事をするべき」と「しないほうがよい」のグループにに分かれ、その理由を話し合う。。

さらに私がエーコの役をして、それぞれが仕事を「しない」「する」の立場でエーコにアドバイス。

①下の子どもが小学校へ行くまで待てば? 
②やれば。がんばり。応援するし。
③在宅勤務がええのとちがう?
④家族みんなと相談して決めてね。
⑤子どもがかわいそうと違う?
⑥家にいてるだけではいかん。社会に出るべき。
⑦私の経験から言っても、やめとき! 子どもが大事。
⑧自分の気持ちが一番大事。

【ふりかえり】ひとり一言ずつ感想。

・自分の固定観念でものを見てるなあと思った。
・(遅刻のため、人物設定のときに居なかったため)今日の設定にビックリ。今時、こんな人いるのかな?母親が働いても働いていなくても、子どもはあれこれ言う。
・面白かった。
・体験したことないことばかりで難しかった。でもいろんな意見が聞けて面白かった。
・(親子で参加のまなみさん)子どもが「仕事した方が良い」を選んでくれたことが嬉しかった。
・自分が35歳になったとき、今日の意見を生かして自分のいい35歳をつくりたい。
・前の職場の人たちと重なった。
・こんな人ありだと思う。面白い。どちらの意見も分かるところがあった。
・「仕事すべき」と「しないほうがよい」がちょうど半分に分かれた。後から後悔もあるけれど、後悔するなら、実行したほうがよい。いろんな考えが出たのが面白かった。
・どの意見にもうなづける。悩んでしまうなあ。面白かった。

このあと、お茶を飲みながら歓談。三々五々に解散しました。

発声や演技のウォームアップまったくなし。それでもできる。この形なら。

「ただ話し合うだけ」と大いに違うのは、笑いに包まれるということ。

人物像をつくるとき、「35歳、独身、無職」というのが出てきて「ありえないでしょう」と別の人物に移ったのですが、よく似た状況の人がいて、「ありえない」と言われたのはショックだったようでした。どんな人物もありえるわけで、フォローすべきだったなあ。設定としては、参加者によく当てはまる人物でない人が良かったのではありますが。自分とは別の人生を体験するという意味で。

高山先生のワークショップ(1月16日のブログ)にヒントを得て、こんな形になりました。私って、体験したことをアレンジするの上手かも。

しかも私がエーコの役をしたのです。ティーチャーインロール(教師が劇中人物になって演じるドラマ教育の技法)を始める準備かな?これは。ひょっとしてすでにティーチャーインロール?

ステキな場所を用意してくれたもとこさんに感謝!

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ドラマワークを使える教師とは

2008-04-03 10:57:52 | 日記・エッセイ・コラム

Photo_3 3月28日。ひょんなことから、東京で大学時代の同級生とウン十年ぶりに再会することになりました。上野で12時前に出会ってから、南浦和で18時ごろに分かれるまで、お互いがこれまでやってきたことなどを途切れることなく熱く語り合ったのでした。

彼は高校の生物の教師。生徒の視点を大切に、生徒たちとともに、教師をしてきた彼の歩みが見えてきました。

驚いたことには、私が送った「学びの即興劇」の本をみて、早速できそうなことからやってみたというのです。

「読んでも実際に見ないとよく分からない」と言われることが多いのに、「こんな人も居るのだ」と、私のほうがビックリ!

「年度末になって今さらお互いに知り合うようなゲームもどうかと思いながらやったけれど、生徒にはとても好評だった。新年度はぜひ最初からクラスづくりに使ってみたい」などなど。嬉しい話。

それにしても、実際自分が経験したわけでもないのに、本を読んだだけでやってしまうというのは、スゴイ!

私はドラマワークやドラマ教育が万能だとは思っていません。ドラマワークを使わなくても、すばらしい教師はたくさんいます。おそらく彼もそのひとり。

けれど、これは言えるのではないかと思います。生徒主体の体験型学習を心がけている教師は、ドラマワークをうまく使いこなせる。彼のように。

翌29日はジョナサン・ニーランズ氏を迎えての「ドラマワークは教育を変えられるか?」セミナー。ニーランズ氏の講演などを通して、ここでも私はそのことを確信しました。生徒のことを本当に一生懸命考えている教師はまだまだ居る。こういう方法があるということを知れば、多くの教師が使ってくれるに違いない、と。

そういう教師が増えれば、学校の雰囲気は変わっていくことでしょう。「ドラマワークは教育を変えられる」。そう信じて、これからも広げる活動をしていきたいと思っています。

(写真はニチニチソウとノアサガオ。どちらも野生の花。逞しい)

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