ドラマのとびら

即興の劇や身体表現で学ぶ、教える、浮き沈みの日々とその後

ジョナサン・ニーランズ先生のワークショップ

2008-04-05 08:17:57 | 日記・エッセイ・コラム

私はドラマのワークショップをするのが好き! と、つくづく思います。「大人の女性のためのワークショップ」も私自身がとても楽しみました。

ドラマワークは、教材を準備したり企画をするときから、ワクワクします。やりながらも考え、プログラムを変えていくのですが、その変化もおもしろい。

イギリスから来日されたジョナサン・ニーランズ氏(The University of Warwick Institute of Education の professor)。彼も同じです、きっと。彼のワークショップを見てそう思いました。

彼のワークショップで一番感じたのは、「子どもが見える」ということ。彼が子どもたちのためにどのように配慮しているのかが良く分かる。そして「この時子どもたちがこんなふうに動くのだろうな」ということが、見えるのです。今回私は記録係で、参加することなく記録に徹したから、よけいそう思えたのかもしれません。

子どものことを良く知っている人。子どものことを大切に考えている人。信頼できる人。

ニーランズ先生は、絵本を題材にします。先にテーマがあって、それにふさわしい絵本(教材)を探すこともあるでしょうし、すばらしい絵本に出あって、それを教材にしたいと思うこともあるでしょう。いずれにせよ、誰かの真似ではなく、彼が必要と思ったことをプログラムにする。彼自身のプログラム。そして具体的な相手を想定してのプログラム。

3月27日(木)は獲得型教育研究会の例会として、10:00-16:00、参加者18人。テーマは「移民」。「Arrival」という絵本がもとになっていました。

3月29日(土)は獲得研主催のセミナーとして10:10から1時間、ジョナサンの講演。11:30から2時間、ワークショップ。昼食後は渡部淳氏、小林由利子氏との対談と質疑応答と、盛りだくさんな内容でした。

2時間のワークショップは「高齢者」がテーマ。参加者37人。日系カナダ人の著作「賢いおばあさん(姥捨て山)」から息子が母親を負ぶって山へ連れて行く絵。

ワークショップの詳細をここで紹介したいと思っていましたが、記録集が出されるようですので、省略します。ぜひワークショップの内容がリアルに伝わるような記録集になってほしいものです。

時間が長かったので当然と言えば当然ですが、27日のワークショップのほうが、テーマを深めることができたように思います。イギリスが移民社会であるということ。「同じ教室に居る子どもたちが、大きくなってテロで殺しあうことのない社会を」と願うジョナサンの気持ちが伝わってきました。

「姥捨て山」は日本人になじみがありすぎて、最初の方はそれに引きずられた意見が出た感がありました。イギリスの子どもは、どう思うのでしょう。日本の子どもたちはどうでしょう。今の子どもたちは、この話を知っているのかな?

37人という参加人数は私ならもてあますところですが、ジョナサンにかかると、かえってダイナミズムが出てくるようでした。参加者の多くが、自分でもワークショップをするようなレベルの高い大人だったからかもしれませんが。子ども相手で、しかも初めてのワークショップでは、ああはうまく行かないと思うのですが、違うのかな?工夫次第で、人数が多くても、できる方法があるということには確信がもてました。

疲れたけれど、得ることは多かったなあ。

コメント
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