今、「国家の品格」(藤原正彦著 新潮新書)がベストセラーで150万部も売れているそうです。
「日本のDNA」もこの本の中から僕なりに解釈して掲載してきました。
今、なぜ「国家の品格」が問われているのでしょうか?
この本を読まれた方は、よくご存知ですが、まずこの本を読もうと思われた方はそれなりに関心があるからこそ読まれたものであろうと思われます。
一部では、負け組がこの本を読んで昔を偲んで「してやったり」と読んでいるとも言われています。
「親父」が昔の話を若者には話しが出来ないので読んで溜飲を下げているとも言われています。
しかし、その親父は元より先祖からの引き継いだ日本人が持っていて日常の生活の糧や常識が失われようとしているこの時代に警鐘を鳴らしていることを知るべきと思います。
日本人が古来、受け継いできた「情緒と形」をすっかり忘れ、市場経済に代表される欧米の「論理と合理」に身をまかせてしまった事を嘆き、日本人に誇りと自信を持って欲しいことを願って書かれたものです。
日本は、その国柄を失い、品格に欠ける国家になってしまったのです。
日本には、なにも特別の国ではありませんが、「普通の国」でもないのです。
藤原氏によれば、日本は「異常な国」ということです。
この資源もない小さな島国が、これほど著しい発展をしてきたのか、これ程異常であったのか、それは大雑把に言って、日本人が持っていた「国柄」が素晴らしいものだったからと述べています。
日本が世界のどの国とも本質的に違う独特な文化文明を作りあげ、先人の作り上げた日本文明の優れた独自性を、今後どうして守り続けるかが、子孫である我々の義務と思うと結んでいます。