昨日、定年退職者が企業の根幹業務を支えてきて、その技能を持つ人が少なくなり業務が滞って経済に重大な悪影響が出るのではないかという懸念が出ていることを述べました。
その内容として、マニュアル化しづらい現場固有の技術の継承が困難になる恐れのみならずそれによって企業活動自体が停滞する恐れがあると認識されるようになったようです。
特に製造業では、職人的作業や機械化が困難な作業の多い企業において危機感が強いようです。
しかし、考えようによっては有用な人材を嘱託などの現役より低い処遇で使え、しかも雇用の継続の実質的な選択肢は企業側が握ることが出来、企業にとってもチャンスでもあるのです。
この「2007年問題」のマイナス面として
1、労働力人口の減少
2、技術・技能の継承への断絶
3、退職金の負担増、企業の収益の低下
4、家計貯蓄率の低下
5、社会保障関係費の増大
6、経済成長率の低下
などが上げられます。
一方プラス面として不確実ではありますが、
1、雇用過剰感の解消
2、人件費の減少
3、個人消費の活性化
4、退職金によって消費市場の拡大化
5、団魂世代を対象とした各種製品の開発、売り込みが活性化される
等が上げられますが、企業もそれらに対して対策を講じていかなくてはなりません。
その代表的なものとして
① 人件費の圧縮のため定年延長よりも再雇用で臨む。
② 他企業等の退職者の獲得。
③ 会社内部での技能伝承の制度化。
④ 新卒採用の拡大。
さて、これからこの「2007年問題」がどのように展開してゆくのか、社会にどのように組み込まれられるのか、一つの転機となることには間違いがないようです。