この映画は、日本人特に若い人に見て欲しいと思います。
今の平和な時代だからこそ、戦争のむごさ、悲惨な姿を忘れてはならないでしょう。
映画は、まるで白黒のような画面が多く、いかにも戦争に対する暗さが印象的です。
しかし、その中でも人間臭さがあらゆるところに垣間見られるのは、一服の慰めでしょうか?
全滅を覚悟するなかでも、家族に宛てる手紙を書き続ける兵士の気持ちは如何ばかりなのでしょうか?
その手紙を土の中に埋め、将来、この地で死力を尽くして戦った兵士がいたことを知らせるには、余りにも悲しすぎます。
1944年6月、戦況は厳しい中、東京とサイパンとの中間にある硫黄島に、本土防衛の最先端として就任した栗林陸軍中将は、海岸線を捨て、島の播鉢山(標高169m)に通じるトンネルを掘り、地下要塞を築きます。
栗林中将は、アメリカにも一時住んでいたことがあり、米軍の物量が豊富であり、この戦争の厳しさを誰よりも覚悟していました。
そこに援軍が送れないという大本営の連絡を受けますが、西郷ら若い兵士を励まし最後の戦いに挑みます。
島の周りは、米軍の戦艦が埋め尽くし、米軍は三日で落とせると踏んだのですが、36日間持ちこたえます。その間、投降する兵士も米軍に殺され、見つかった兵士は、日本軍に殺されます。
どちらにしても、死しかないという究極の状態に置かれた人間は、狂うしかないのです。
戦争は、どんな状態になっても絶対してはならないのです。
そのためにも、過去の戦争の悲惨さを伝えることで、抑止力になればと思います。