バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

ここでいい!?

2011年09月25日 16時57分44秒 | バス運転士

先日の夜、某駅へ向かって定刻で走っていた。終点の一つ手前のバス停から、一人の若い男性が乗った。カバンをゴソゴソやりながら、ICカードで「ピッ」と精算した。

「さぁ、あとは終点の某駅へまっしぐらぁ~!」と、走り始めて1分ほど経ったところで… 先程の男性が運転席の横までやってきて「すいません、ここでいいので降ろしてもらえますか?」と言ったのである。

その時、バスは流れの速い国道を走行中で、しかもそこには歩道がなく… とても“安全に降りてもらう”ことはできなかった。が、それ以前に、私には「ここでいい」という言葉が引っ掛かったのである。

例えば… バス停の20~30mくらい手前で予期せぬ大渋滞に嵌ってしまって、バスが動かないまま5分も10分も経ってしまった… そんな時に「ここでいいので…」と言われたならば、私も理解できるのだが…(これが私の変なところ!?)

当然、私は正面を向いたまま「それは出来ません」とキッパリ断った。終点に到着して「ご乗車ありがとう~」と扉を開けると、彼は急ぎ足でバスが走ってきた方向へ戻って行った。会社に忘れ物でもしたのだろうが… 仕方がないよなぁ…


大型二種船舶免許!?

2011年09月24日 19時54分01秒 | バス運転士

先日の台風接近… 当日の私は昼寝の真っ最中だった。前日の私は、ここにも書いたように“大渋滞の餌食”になってしまった。実は、さらにその前日の夜にもゲリラ豪雨(?)に遭遇していたのである。

午後7時半過ぎ、某駅から某ターミナルへ向かっている時に、私のバスは襲われた。当然、道路は冠水… 特に、バスが走るべき左車線は水深が深くて、法定速度の半分以下でしか走れなかった。暗い夜道に土砂降りの雨… 歩道に人がいるかもしれないのに、水しぶきを上げて走るわけにはいかなかったのである(それでも走っていく馬鹿マイカーがいたけれど…)。

午後8時、まだ雨が降り続いている中、今度は逆に某ターミナルから某駅へ向かって発車した。二つ目のバス停に近付いて行くと… 水深は“ちょうど歩道の高さ”になっていて、波を立てて走る車たちが船のように見えた。もちろん私のバスも船のようで… 「船長は松井です」と案内を…(してないしてない!)

私のバスは左車線をゆっくりと“航行”していた。それもチャプチャプと音を立てながら… 私が「それにしても、やけに波の音が生々しいなぁ~」と思って、運賃箱の向こう側(前扉の下方)を見てみると… なんと“床上浸水”していたのである。さすがノンステップバス… 幸いにも乗客はいなかったのだが、前扉から中扉にかけて水の流れた跡が…

その先の交差点で信号待ちをしていたら、右方から何か長いモノが流れてきた。それは、そのまま左方の歩道に当たって私のバスの前に… よく見ると、それは普通車のバンパーであった。私が「踏みたくないから、タイヤに引っ掛かったりしないでくれよぉ~」と願っていると、横向きで前輪に当たったバンパーは縦向きになって後方へ流れて行った…

ある交差点に近付くと、右折車両の流れが悪いことに気が付いた。「私のバスも右折しなければならないのになぁ~」と思いながら待ち続け… 何度目かの青信号で右折して行くと、バス停のすぐ前方に“置き去りマイカー”が止まっていたのである。どうやら、水に浸かって動けなくなったようで…

その後、再び某ターミナルへ向かって走ったのだが、すでに雨は上がり、水も引けて… 私は“バス運転士”に戻ることができましたとさ。めでたし、めでたし…


音楽を流せない…

2011年09月23日 16時18分33秒 | バス運転士
ここ何日か、アイドリングストップミュージックを流せないバスに当たることが多い。元々ミュージック機能が付いていない古いバスはもちろん、それ以外のバスでも…


マニュアル式のバスで普通にアイドリングストップをしようと、ギアをニュートラルにしてクラッチペダルから足を離したのだが… 「ピー、ピー、ピー、ピー、ピー」と5回もエラー音が鳴り響いた。


これについては「バッテリーの電圧が下がってエンジンスタートが出来なくなる前に、自動的にアイドリングストップしなくなるのだ!」と聞いた記憶がある。


しかし、これがまた意外と大きな音なので、乗客は「バスに異変でもあったのか!?」「また運転士がヘマしたか!?」などと思っているかも… ということで、私はアイドリングストップのスイッチを切って運行を続けた。


オートマチック式のバスで、ギアをニュートラルにしてアイドリングストップさせ、音楽が流れ始め… と思ったら「カチッ! ピーーーーー…」とエラー音が延々と鳴り響いた。


要するに、アイドリングストップ状態ではなく、ただのエンスト状態になったわけで… 駐車ブレーキを掛けたらエラー音は鳴り止んだのだが、アイドリングストップミュージックも流れなくなってしまったのである。


これは「バッテリーの電圧が下がってきとるのに、アイドリングストップばっかりするな!」というバスの無言の怒りだろうと思い、私はアイドリングストップのスイッチを切って運行を続けた。


これはもしかして… 私がアイドリングストップミュージックのスイッチを切らないもんだから、そうせざるを得ないように上司たちがそういうバスを選んで私に…(貴様ごときに、そんな面倒臭いことするかよ!)


冗談はさておき… 「アイドリングストップミュージックが耳障りだ」と言った人物は、まだ私のバスに乗ってくれてないのだろうか? 乗ってくれるまで… ♪私、待~つ~わ。いつまでも… とか言いながら、私が転勤しちゃったりして!? ハハハ…


赤信号 見ないで渡れば 怖くない!?

2011年09月22日 21時43分36秒 | バス運転士

“バスレーンくねくね路線”の某ターミナルを発車して、最初のバス停へ… 私のいい加減な記憶が正しければ、昨秋か今春あたりから(ホントにいい加減だし!)その一区間の運行時間が1分から2分になった(夜を覗く… 否、除く)。

だから、ターミナルを出る時に信号のタイミングが悪くても、焦らなくてよくなったので、それはとても有り難いことである。逆に言えば、ターミナルをタイミング良く出てしまうと、最初のバス停で時間調整をしなければならないのだが…

今朝9時半過ぎ、ターミナルをタイミング良く出られたので、私は「1分ほどの時間調整停車が必要だなぁ~」と思いながら最初のバス停へ接近… そのバス停がある交差点の信号は青… ちょうど対向車線をバスが走ってきていたので、私は左ウインカーを出しながら「私はバス停に止まります」という意思表示をした。

それに応えるように、対向バスは右ウインカーを出して「それじゃ、私が先に交差点を通過します」という意思表示をした。この路線は、交差点で“くねくね”と蛇行して走るので、そこでの大型車同士のすれ違いは危険だから… と、その時!

“道路の右側”から一人のお婆さんが“赤信号の横断歩道”を渡り始めたのである。しかし、対向バスの運転士も気付いたようで、すぐにバスを減速させて… 「なんじゃこいつは?」という顔をしていた。

この路線は“中央分離帯沿い”を走っているので、当然のことながらバス停も道路の中央にあり… 横断歩道を渡らないとバス停に行けないのである。だから、そのお婆さんのように「バスに乗りたい!」一心で“信号無視”をしてくる人が意外と多い。

とはいえ、普通は車の流れが途切れるのを確認して渡って来るのだが… そのお婆さんは私のバスの方しか見ていなかったのである。それも「お願い、乗せてぇ~!」と言わんばかりに満面の笑みを浮かべながら… 結局、発車時刻待ちをしている間に信号が変わり、お婆さんよりも後から来た人たちは“ゆっくりと青信号の横断歩道を渡り”慌てることなくバスに乗れた。

赤信号、見ないで渡れば… こっちが怖いわ!


間が悪い? 刺激も必要!

2011年09月21日 23時03分56秒 | バス運転士

今朝はJRの某駅と市内中心部を結ぶ路線を走った。JRの電車が止まっていたせいで“バスに乗り慣れていない”人が何人もいて、ちょっとだけ新鮮な気持ちになった。

一往復した後の某駅前… コンビニでトイレを借りようと思ったら「今、便器の水が詰まっちゃって使えないんですよぉ~」と言われてしまった(この2年間でわずか2度目なのに…)。私は仕方なくパンと缶コーヒーを買っただけで店を出た。

我慢したまま約2時間… “某駅まであと少し”という交差点までやって来た。右折レーンに並んだところ、前の車が変な動きをしていたので、よく見てみると… 一台の車が“独りで”中央分離帯に激突していた。フロント部分が大破、その車はすぐに動けそうもなかった。

しかし、ドライバーは運転席で“元気そうに”アタフタしており、ちょうど事故ったばかりのようで… 私には「あ~ぁ、可哀想に…」などと同情している暇はなかった。そのままでは右折できないので、二車線ある直進レーンの“左側”から右折するしかない。(もう一車線、直進&左折レーンもあるけれど…)

だからと言って、青信号の時に交通量の多い直進レーンをふさぐ訳にもいかず、私は信号が黄色になるのを待って左ウインカーを出した。後方から来たタクシーが“停止線を少しオーバーして”止まった。私はタクシーと事故車と対向右折車と矢印信号と… あちこちキョロキョロしながら慎重に右折した。

何事もないのが一番であるが、このような“ちょっとした刺激”もたまには必要かもしれない。本当に何事もないと、特に私のような人間は“平和ボケ”のようになってしまい、“やらなくていいボケ”をやらかしてしまうからなぁ…

追伸 台風が最接近した時… 私は“約7時間の長い昼寝休憩時間”の最中で… 強い風雨の音を子守唄に、マイカーの中で寝ていました。