バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

今朝の天気は“狐の嫁入り”ではなく…

2011年09月01日 23時29分23秒 | バス運転士

今朝は、雨がザァーッと降ったと思ったら、太陽の光がサンサンと降り注いだりして… それが何度か繰り返される、いわゆる“狐の嫁入り”とは違う変な天気だった。午前11時頃、いつものようにバスを走らせていたら、不意に何かが「ポトリ」とハンドルの上に落ちてきた。

それは2cmくらいの黄色い毛虫だったのである。私は虫が苦手で、できれば触りたくなかったのだが… 毛虫はそのままハンドル上を元気よく進み、私の手の方へ向かってきてしまった。「ゲゲッ」と思った私は勇気を振り絞って、右手の人差し指で毛虫を弾き飛ばした。毛虫はダッシュボードとフロントガラスの間の“谷間”へ落ちていった。

約2時間後… 私が“昼寝休憩時間”に入るため、営業所行きの路線を走り始めた時、毛虫が地獄の底から這い上がってきたのである。まずはフロントガラスの中央部分を下から上へ… 上部にたどり着くと、そこから右側へ移動して… その後は、フロントガラスの右側を下へ行ったり上へ行ったり… それを繰り返しているようだった。

私は「そのまま見える範囲をウロウロしていてくれれば、営業所内の草の上にでも放り投げてやるからな! あと30分くらいの辛抱だぞ!」と思っていた。毛虫の動向をチラチラと横目で追いながら、バスの運転もキチンとやらなければならず… 不器用な私にとっては真剣勝負であった。

しかし、私は途中で毛虫の姿を見失ってしまい「しまった… また谷間に落ちたのだろうか? それとも… 再び天井からダイビングでもするのだろうか? 今度は私の上へ!? 頼むから勘弁してくれぇ~!」と思っていた… その時!!

私の視界の下の方から目の前に、体長5~6cmの蝶が飛び出してきたのである。私は「あの毛虫が!? そんなバカな!! 大きさも種類も違うだろう!? 何なんだ一体??」と頭の中はプチパニック… ビックリし過ぎて声も出なかった。もしも、その瞬間に前の車が止まっても、気付かずに追突していたかもしれない…

少し落ち着いた私は「まったく… 手品じゃないんだから、ビックリさせないでくれよぉ… とりあえず、毛虫は飛べないから仕方がないとして、蝶は勝手に出て行ってくれんかなぁ~!」という願いを込めて、運転席の窓を開けた。しかし、なぜか蝶は運転席の上部にある日除けの根元にとまったまま動かなくなってしまった。

営業所内でバスを止めた私は「こんな話をブログに書いても、誰も信じてくれないかも… あ、そうだ! 蝶の写真があれば、少しは信じてくれるかな?」と思って、カバンから携帯を取り出して「カシャッ」と… 撮ってから気が付いた。運転席から見えなかった毛虫が、一緒に写っていたことに…

その後、私は車内に置いてあるホウキを持ってきて、蝶をツンツンして窓から逃がし… 続いて毛虫をホウキの先に乗せて行って、草の上にポイッと… 手で触ることなく救出(?)に成功した。

今、考えてみれば… 彼らは、寝不足だった私に刺激を与えるために現れたのかもしれないなぁ… ん? 彼らではなく“彼女ら”じゃないかって!? そして昔話のような展開に??? 「なるほど、今朝の天気は狐の嫁入りならぬ“毛虫の嫁入り”だったのか!」って… アホかぁ~!(アホはお前じゃ~!)

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