デジカメの 技量学び 写しおり 林檎ときみに 吾はセザンヌ
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【医食同源ってなに?】
連作ピアノ曲「銀河鉄道」
あまの邪鬼金のめだまのやるせなく青きりんごをかなしめるらし
りんごの樹ボルドウ液の霧ふりてちいさき虹のひらめけるかな
宮沢賢治
ネットを検索しながら、低血圧で脳血栓症を恐れ
る彼女が、林檎が「一日一個の林檎は医者を遠ざ
ける(“(An apple a day keeps the doctor away.”)」
との諺を引いて身体に良いと言い「医食同源ね」
と同意を請うるように呟いている。林檎ねぇ~と
いうことでサァーフする。トルコで紀元前六千年
頃の炭化したリンゴが発見されている。スイスで
は遺跡から紀元前二千年頃のリンゴの化石が見つ
かり、その時点で既にリンゴは栽培されたとする
研究もあるが、16~17世紀頃になると欧州で林檎
栽培が盛んとなる。
17世紀前半に欧州から米国に持ち込まれ、世界中
の寒冷地で林檎栽培されている。日本へは中国か
ら最初に持ち込まれ「和林檎」と呼ばれていたが、
西洋林檎が持ち込まれると日本でも西洋林檎が一
般的になる。初めて西洋林檎が輸入されたのは、
1871年で北海道開拓使次官の黒田清隆が米国75品
種の苗木を持ち帰えった。また2003年より「彦根
りんごを復活する会」が、全国に残存する和林檎
や野生種を調査し数十種類の木(数百本)を育て
収穫した実はお盆に各地の寺社に奉納している。
なるほど、林檎は栄養価が高い果実とし食されて
きた。林檎に含まれる林檎ポリフェノールは、脂
肪の蓄積を抑制する効果があるといわれる。生産
者の間では「5月〜6月に摘果した直径3cm程度の未
熟果の一部は、秋まで土の上で腐らず残る」とい
われるが、これはポリフェノールの関与が研究の
結果明らかされた。表面には薄い皮があり、皮に
付着する農薬等の問題や、食べやすさの点から、
皮をむいて食べる。便秘の改善に、皮ごと食すな
らわしがある。日本の収穫は9月中旬から11月中
旬で、各品種とも収穫期間は約1ヵ月程度と短い
が、林檎は低酸素状態の冷蔵保存で長期の貯蔵(
およそ9ヶ月間)が可能である。
林檎ポリフェノール
生のまま食用にするほか、林檎リンゴやアップル
パイ、ジャム、焼きリンゴ、リンゴ酒(シードル、
カルヴァドスなど)などに加工。林檎の蜜は、ソ
ルビトールである。成熟の過程で生成され、蜜そ
のものは甘くない。蜜が多くても、その実が甘い
とは限らない。林檎それ自身が熟成するにつれて
エチレンガスを多く発生し、エチレンガスを必要
とする実験によく使われる。林檎は空気に触れる
と変色するが、ポリフェノールが空気中の酸素と
結合するために起こる。塩水に晒すと塩素イオン
が、ポリフェノールを酸化する際に働く酵素を阻
害するためだが、レモン汁に晒すとビタミンC が
酸素と結びつき、ポリフェノールと結合した酸素
をも奪うことを利用する。
【聖書とギリシャの林檎】
旧約聖書に登場するアダムとイヴが、蛇にそその
かされて食べた善悪を知る果実が林檎であるとい
うのは、後の時代に創作された俗説で、当時旧約
聖書の舞台となったメソポタミア地方には林檎は
分布せず、また林檎は食用に適さなかったといわ
れる。ギリシャ神話には、「最も美しい女神に与
えられる」と言われた黄金の林檎を巡り三女神が
争い、遂にトロイア戦争に至るエピソードがある
(パリスの審判)。また、ヘラクレスの12の冒険
の中にも黄金のリンゴを取ってくる話がある。
医食同源は、日頃からバランスの取れた美味しい
食事をとることで病気を予防し、治療しようとす
る考え方で「医食同源」という言葉自体は中国の
薬食同源思想から着想を得て、近年、日本で造語
され、中国へ逆輸入されている。初出は1972年、
NHKの料理番組『きょうの料理』の特集「40歳から
の食事」において、臨床医・新居裕久が発表した
もの(NHK「きょうの料理」同年9月号)。これは
健康長寿と食事についてのもので、中国に古くか
らある薬食同源思想を紹介するとき、薬では化学
薬品と誤解されるので、薬を医に変え医食同源を
造語し、拡大解釈したものであると新居裕久は述
懐している。この「医食同源」という言葉は1990
年前後には既に一般で使われており、その思想も
健康ブームなどにより、広く受け入れられてきた
ものと考えられる一方、健康食品ブームなど、薬
のごとく評価する事に対して批判もある。
ところで、中国古代には食事治療専門医がいたと
いが、『周礼』天官に定める医師四種の筆頭の食
医が王の食事を「春に酸(酸っぱい)を多く、夏
に苦(にがい/刺激)を多く、秋に辛(からい)
を多く、冬に鹹(しょっぱい/塩気)を多く、調
えるに甘滑」と五味を重視する。食医に次ぐ疾医
(内科医)にも「五味・五穀・五薬を以てその病
を養う」とある。これに次ぐ瘍医(外科医)では
「五毒を以てこれを攻め、五気を以てこれを養い、
五薬を以てこれを療し、五味を以てこれを節す」
で、やはり五味という。
新居裕久
新居裕久は、日常の食事で病気を予防したいとす
れば、バランスがとれたおいしい食事であれば良
い、成分ばかり気にする風潮が強くなっているこ
とを戒める。彼が言うバランスとは、西洋医学で
いう栄養のバランスのこと。もう1つが中国伝統
医学でいう陰陽五行説に基づいたバランスを意味
する。
そして、青(緑)、赤、黄色、白、黒の5色で食
品を選べば、目にも美しく食欲もわき、さらに栄
養のバランスもとりやすくなると五味五色説く。
「肉がだめ、油がだめ、とひとつのものだけで判
断するのは、日本人の悪い癖ですね」の件は日本
人異質論は非科学的な見識だが、五色とは色のす
べてをさすことで色彩学で当然なことだ。青(緑)
の韮と黄色の黄韮をいっしょに食べることは合理
的なのか、不合理なのか(パプリカも同様)細か
なことをいいだすと切りがない。
そこで、中医学とはといえば、中国の伝統医学の
一つで、中国の中医師の資格種類は、中医師(中
医専門)、鍼灸専門の中医師、推拿専門の中医師、
その他に医師は西洋医があるが、中医学部を卒業
後に西洋医学部に入学卒業し、西洋医学も中医学
もできる「結合医師」がいる。この際、診察や処
方において「西洋医学で行いますか、中医学で行
いますか」などと聞かれることがあるという。
【現代の徐福伝説】
つまり、食事はいろんな栄養成分を摂取するが、
経験がすべてで、その結果から最適な摂取バラン
スのレシピがそうなんだと(経験は貴重なんだが、
何がそうなんだ?つまり、経験万能主義なのかと
反問したくなるが)言っているに過ぎないと思え
る。そう、「医食同源」とはつまるところ、人間
が本来もっている抵抗力、免疫力、代謝力を支援、
補強する程の栄養源の経口摂取方法或いは技法を
指しているのだと。ところが、アンチエイジング
への寿命延長の過剰な飽くなき欲望の領域には(
平安時代の貴族は不老不死を求め「酸化水銀」を
服用したではないか)逃げている? と勘ぐりた
くもなる。
結論を急げば、非疾病状態(→非漢方用法時)の
「アンチエイジングの医食同源」は、西洋医学と
は異なる方法で、一時的に或いは恒常的に、バラ
ンスを突き崩してでも経口摂取する、或いは従前
来のバランスとは異なったバランスで対処する(
サプリメント等)と再定義できそうだ。否々、こ
れは<現代の徐福伝説>のはじまりというになるが、
馬鹿いってんじゃない、とっくの昔にはじまって
いるという反論が聞こえそうだ ^^;。
※抗加齢医学(アンチエイジング医学)とは、加
齢という生物学的プロセスに介入を行い、加齢に
伴う動脈硬化や、がんのような加齢関連疾患の発
症確率を下げ、健康長寿をめざす医学である。
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Seriola dumerili (Risso, 1810)
カンパチ(間八、勘八)、学名 Seriola dumerili は、
スズキ目アジ科に分類される海水魚の一種。全世
界の暖海域に分布する大型肉食魚で、日本では高
級魚として扱われる。成魚は全長1m前後である。
最大で全長190cm・体重80.6kgの記録があり、ア
ジ科の中では同属のヒラマサ S. lalandi、大西洋産
のLichia amia に次ぐ大型種である。地中海やメキ
シコ湾を含む全世界の熱帯・温帯海域に広く分布
日本近海でも東北地方以南で広く見られる。
成長に適した水温は摂氏20~30度で、15度以下や
32度以上では成長が抑制され、13度以下で死亡す
る。日本近海の個体群は、春から夏に日本列島を
北上し、初冬から春に南下する季節的な回遊を行
う。一部は瀬戸内海にも回遊し、晩春から初夏に
かけて産卵に来るとされる。日本近海での産卵期
は3~8月で、分離浮遊卵を産む。釣りや定置網な
どで漁獲され食用にされる。
日本近海ではブリやヒラマサより漁獲量が少なく、
美味な魚でもあるため、天然ものは高級食材とし
て扱われ、身は締まっていて脂も乗っている。刺
身、寿司、しゃぶしゃぶ、照り焼き、塩焼き等で
食べられる。身を下ろした後の頭や骨はアラ炊(
アラ煮)にもできる。但し、シガテラ中毒の報告
もあり、熱帯海域産の大型個体は注意が必要であ
る。高級食材であり養殖が行われ、主産地は鹿児
島湾で、養殖に使用する稚魚は日本国内と中国か
ら輸入されている。
尚、2005年6月には、農林水産省より、2004年秋以
降中国から輸入し日本国内で養殖したカンパチ及
びイサキの中国産中間種苗を関係県が調査したと
ころ、アニサキス幼虫の寄生が高頻度に認められ
厚生労働省は、関係養殖業者や加工業者に対し、
当該中国産中間種苗に由来する養殖魚に限り、出
荷に際しては凍結などアニサキスが死滅する処理
を行うよう指導しているという。熟鮓ということ
になればかぶらずし(ブリ)に似てくるだろうが
どっこい、そこは高級魚、にぎり寿司までだろう。
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