霙やみ 朝日差し込む 吾が庵 初鳴きらしき 鴬を聞く
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【春を告げる魚と小鳥】
霙まじりの悪天候がつづく朝のひととき。束の間に
朝日が差し込み、庭先で可愛らしい鴬の鳴き声がす
る。本格的な春に向けウォーミングアップの歌い染
めということかと二人で顔を見合わせ窓の外を覗く。
そうこうしているうちに、また天候が悪くなった。
うぐいすのなく野辺ごとにきてみれば うつろふ花に風ぞ吹きける
古今集/作者不詳
春なれや名もなき山の朝がすみ 芭蕉
坪內逍遙
毎日、中山道をこつこつとローイングしているが今
日で 中山道51番目の宿場(→中山道六十九次)で、
現在は岐阜県美濃加茂市の太田宿(おおたじゅく)
にバーチャル滞在。太田の渡しは、中山道の難所の
1つ。現在も宿場町の面影を残しているといわれる。
ここには、坪内逍遙生家跡(太田小学校)がある。父
は尾張藩士で太田代官所の手代をつとめていたが、
のちに一家で実家のある名古屋へ戻った。母の影響
を受け、幼くして読本・草双紙などの江戸文学や俳
諧、和歌を親しんだという。
泉神社湧水
近江中山道
養老の滝・菊水泉
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【宇宙と空間】
生死を意識し、宇宙を意識することが、矛盾のはじ
まりだった。宇宙(Universe, Cosmos)とは、森羅万
象含む全ての存在。天地の全体「世界」だが、物理
学的宇宙は、観測可能な宇宙を指すという。「宇」
は「天地四方上下」(つまり上下前後左右、三次元
空間全体)「宙」は「往古来今」(つまり過去・現
在・未来、時間全体)を意味し、「宇」は「天」「
宙」は「地」を意味する。
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物理学的観点から見た場「宇宙」は物質・エネルギ
ーを含む時空連続体のまとまりで、生成・膨張・収
縮・消滅する物理系の一つで、理論的には無数の宇
宙が生成・消滅を繰り返し、地球から、人類が光を
含む電磁波により観測可能な宇宙の果ては、最も古
い時代に光が放たれた空間を示し、約137億年前(
宇宙の晴れ上がり直後)の空間は地球がある位置か
ら地球を中心とする全方向に宇宙論的固有距離にお
いて約4200万光年離れたところにあり、当時地球の
位置から光の約60倍の速度で遠ざかり、約465億光
年と推定されている。
Comoving distance
観測可能な領域を超える宇宙は、共動距離的な意味
の場合、インフレーション理論に基づき、より広大
と予想され、いまだその大きさが有限なのか無限な
のかすらわかっていないという。
cosmic inflation
初期宇宙のモデルは「ビッグバン・モデル」と呼ば
れ、1940年代にジョージ・ガモフによって提唱され
1965年にアーノ・ペンジアスとロバート・W・ウィ
ルソンによって、宇宙のあらゆる方角から絶対温度
3度の黒体放射に相当するマイクロ波が放射されて
いることが発見された。膨張する宇宙がこの先どの
ような運命をたどるかは、アインシュタイン方程式
の解である宇宙モデルにより異なる。
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平坦な宇宙か開いた宇宙であれば、宇宙は永遠に膨
張を続ける。閉じた宇宙であればある時点で膨張が
収縮に転じ、やがて大きさ0につぶれる(ビッグク
ランチ)。2005年時点での最新の観測結果では、宇
宙は平坦な時空であり、このまま引き続き広がり続
け、止まることはないと考えられている。宇宙が平
坦であり永遠に膨張を続けるということは、最終的
に宇宙は絶対零度に向かって永遠に冷却し続けるこ
とを意味する(現在は3K、約-270度だといわれてい
る)。
【空間の属性】
1.哲学における空間
2.物理学における空間
3.空間の属性と保存性
4.空間と物質
5.数学における空間
古代ギリシアのデモクリトスは、存在としての無数
の原子が空虚な空間の中で運動するという考えに基
づき、世界の現象を説明しようとしたが、空虚な空
間(真空)は、「虚無」であり、虚無が「ある」と
はいかなることか、という問題を生じ、多くの哲学
者たちが、真空の存在を否定した。存在しないもの
が性質をもつ、ということはありえず、「広がって
いる」という性質は、実体としての物体(=延長)
であるとデカルトは考えた。
物体と空間との関係は「宇宙の中心」を考えるアリ
ストテレスや「絶対空間」を唱えるニュートンと異
なり、ライプニッツは、空間(および時間)を相対
的、関係的に考え、絶対的な位置について語ること
は意味がないと主張した。しかし、非ユークリッド
幾何学や相対性理論の出現に伴って、幾何学と現実
の空間との関係が改めて問題となった。
物理学では、広がりをもった連続体で物質全体に同
時にその存在の場所を与えている実在であると考え、
時間・空間と物質とは互いに独立したものでなく、
密接不可分なものとする。つまり、空間の点の位置
と時間の次元をあわせ、時空の次元は四次元となり、
現在では、時空と物質が互いに密接に関係し、独立
な実在のようにみなしており、物質の運動が研究の
対象であるのと同じように、空間の広がり方、その
構造が研究の対象とされている。
相対性理論では、等速度運動を行うどの座標系から
みても、光の速さは一定の値をもつ。この光速不変
が基準となって時間の進み方や空間の広がり方が定
まる。物体の広がりは物体の異なる部分の同時刻の
位置を測ることによって求めることができる。日常
経験している空間は、ユークリッド空間で、物質密
度がゼロで光の速度が無限大の空間で光の速さが有
限であることを考慮したミンコフスキー空間である
ことをみいだしたのが相対性理論で、物質密度がゼ
ロではなく時空構造にもつ関係を考慮したとき、一
般相対論は、時空がリーマン空間であることを示し
た。また、量子的研究で真空を最低エネルギー状態
と規定することによって、現実の空間を物質的実在
とみなすことを求めている。
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数学における空間は、集合に幾何学的な構造を与え
たものを三次元ユークリッド空間とよばれる。この
概念を拡張すると、n次元ユークリッド空間が得ら
れ、直観的空間Eにおける平面や直線は、それぞれ
二次元ユークリッド空間、一次元ユークリッド空間
に対応する。ユークリッド空間以外の空間も数多く
知られている。
だいぶんはし折ったがだめだ。残りは明日にしよう。
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【春を告げる魚と小鳥】
サワラ(鰆)学名 Scomberomorus niphonius は、スズ
キ目・サバ科に属する海水魚の一種。細長い体の大
型肉食魚で、食用に漁獲される。成長するに従って
サゴシ(サゴチとも・40~50cm)、ナギ(50~60cm)、
サワラ(60cm以上)と呼び名が変わる出世魚でもあ
る。他の地方名にはサーラ(各地)、ヤナギ(若魚
: 近畿・四国)などがある。なお、石川県の方言で
は「サワラ」はカジキを指す。
北海道南部・沿海地方から東シナ海まで、東アジア
の亜熱帯域・温帯域に分布する。これらは日本海南
部・黄海・東シナ海に分布する系群と、瀬戸内海か
ら西日本太平沿岸に分布する系群の二つに分けられ
る。前者は黄海、後者は瀬戸内海を産卵場としてい
る。春から秋にかけては沿岸の表層を群れで遊泳す
るが、冬は深場に移る。食性は肉食性で、おもにカ
タクチイワシやイカナゴ等の小魚を捕食する。
20世紀後半には漁獲量の減少が顕著だったが、漁業
規制と種苗放流、更に日本近海の水温上昇(レジー
ムシフト)、それに伴うカタクチイワシの増加が重
なり、漁獲量は低位ながら回復傾向にある。なお種
苗生産においては稚魚の共食いが激しく、資源維持
に向けての課題となっている。
身の見た目はさほど赤くなく白身魚として取り扱わ
れる事も多いが、成分から見ると赤身魚である。日
本では一般に焼き魚、西京味噌を使った「西京焼き
」、唐揚げ(竜田揚げ)などで食べられる。身が軟
らかく崩れやすいので煮物には向かない。岡山県周
辺では鮮度の良いものを刺身で食べるほか、北陸を
中心に昆布締めにして食べる。香川県などではサワ
ラの卵巣を使ってカラスミをつくる。
結局、春告魚、鰆は共食い習性のため日本鯰と同様
漁業規制と種苗放流以外養殖は向かない。
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