春らしき 日差しを潜り 玄関の 集金する手 縮かんでいる
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News A La Carte
自治会の仕事が増え、朝から集金に各戸を一軒一
軒回る。天候が久しぶりに回復し朝日が射すが、
まだまだ寒い。駆け足に回る予定が手がかじかみ
思うように捗らないと歌を書く。そのついでに新
聞から目に付いたものを拾い読みし感想を書いて
みた。
小平
【中国不動産バブル回避策】
野口悠紀雄の「未曾有の経済危機を読む」(第64
回 2010年03月27日「ダイヤモンドオンライン」)
「(中国の)現在の不動産バブルは、直接的には
中国の景気拡大策の影響だ。金融緩和によって住
宅ローン金利を引き下げ、また不動産開発に義務
付ける自己資金規制を大幅に緩めた。このため、
不動産開発と住宅に対する需要が膨張したのだ」
「日本の場合も1990年3月に 政府が総量規制を導
入して、金融機関による不動産融資を抑制した。
株価は89年の大納会をピークとして下落を始めた。
地価はしばらく下落しなかったのだが、91~92年
あたりをピークとして下落に転じた。不動産バブ
ル沈静化を目的として通常の金融引き締めを行な
えば、利子率が上昇し、その結果、元高、輸出減
などの問題に直面せざるを得なくなる。利子率上
昇を防ぐには、財政引き締めを行なう必要がある」
「つまり、これまで経済危機対策として行なって
きた高速道路建設、鉄道建設などを中止または延
期する必要がある。しかし、それは地方経済に大
きな影響を与えるだろう。こうしたことを考えて
も日本が外需一辺倒の姿勢を転換し、内需拡大策
を真剣に探求する必要があるのだ」というものだ。
Benjamin Shalom “Ben” Bernanke
中国の市場は相対的に小さく流入した資金は行く
場を求めすぐにバブル化する要因を孕んでいる。
したがって、政府による市場調整機能の管理の迅
速化は言うまでもなく、日本の経験との比較相違
分析による管理の緻密化とその方法つまりは、余
剰資金(=過剰流動)の向かう先の制御が重要と
なる。すでにブログした通り(『蛤と図に乗る構
図』)、日本的農本心性から本来は「先端技術本
位制」(→技術立国或いは気象変動制御などの政
策)に向けて内需拡大等に向かわせるべき中長期
的な諸政策への資金の流れをつくれずに「土地本
位制」の不動産投機の流れを放置し失敗した経験
を中国政府は生かして(米国の「ヘリコプター・
ベン」ことバーナキンFBR議長は日本のゼロ金利
政策をチャッカリ学び再任されている)、小平
の遺言に従い、法治主義を持って内陸部の格差是
正とアジア周辺諸国の生活水準改善のための長期
投資に過剰流動を積極的に、振り向けさせること
が「日本の経験を超える」唯一の政策だと思う。
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辻広雅文
【若年層棄民の愚】
同じく、ダイヤモンドオンラインから(辻広雅文
「プリズム+ one」【第97回】2010年03月25日「
日本社会は中高年の雇用を頑なに守り、若者を見
捨て続ける」)
「深刻な問題は、この社会人のスタート時点でつ
いた格差が、その後の人生において克服するチャ
ンスが非常に少ないために、そのまま確定しかね
ないことにある。日本の労働者を二つに大別すれ
ば、『大企業に勤める男子正社員とそれ以外』と
いう分類になる。『それ以外』というのは、非正
社員であり、女性であり、中小企業に働く人々で
ある。日本政府も労使代表の経団連も連合も、旧
態依然の労働市場を変革しようとする意志はいっ
こうに感じられない。そうして今、再び就職氷河
期を迎え、『第二のロスジェネ』が大量に生み出
されつつある」と辻広雅文と憂慮する。
「企業の大小を問わず、整理解雇ルールの整備の
際に重要なのは、その前提としてしかるべき金銭
賠償を義務付けることである。例えば、比較的整
理解雇が容易な米国では、先任権ルールが定着し
ている。最後に雇用された労働者から順番に解雇
されるのだが、補償金付きである。在職年数の長
い労働者の雇用は、よほど大不況でない限り、ほ
ぼ保障される。解雇規制の厳しい欧州でも、金銭
賠償との引き換えで実行される場合が多い」「労
使間の雇用ルールを改めて定めた労働契約法が、
一昨年の2008年に施行された。その検討過程で、
解雇ルール作りの動きが起こった。だが、コンセ
ンサスは得られず、実現しなかった」「政策の意
思決定の枢要な場にいるのは、政府内にしろ経団
連にしろ連合にしろ法曹界にしろ、そしてそれを
報道するメディアにしろ、すべからく大企業の正
社員代表あるいは専業主婦を従えた中高年である」
「彼らは自らの既得権を捨て去ることができない。
そうして、日本はとめどなく競争力を低下させて
いくのである」
後半の部の組織労働者が反社会的(不公平)との
指摘には同意するが、加えて経済成長期でも、そ
の特質は変わることはなかった。高度消費資本主
義時代下の少子高齢期の<停滞>で、それが年齢階
層対立として顕示している。具体的には、正社員
の定年前の父親は過度のストレスで脳梗塞に倒れ、
長男はフリータで、次男は仕送りできず大学中退、
妻は寝たきり状態の母親を抱えパートも行けず、
マイホームの借金は残り、年金は減額の一途とい
う重苦しくも悲惨な家庭が身近に増加した。
少年易老学難成
一寸光陰不可軽
未覚池塘春草夢
階前梧葉已秋声
どうすれば良いのか。常態就労していない子供が
働ければ経済的にはその家庭は救われる。高齢者
も若年層も1年は同じ長さだが、将来性や可能性
を看た時若年層の1年は1桁以上の高齢者時間に
匹敵する。法外な退職金を心配するばかりの高齢
公務員の数年先の写像から、若年層の反乱に合い、
無惨に叩きのめされている姿は見たくはない。そ
うはならないための答えの1つは、高齢者が積極
的に<職場>をつくることである。
前職をやめ早や二年目の春だ。肝胃不和はあい変
わらず、事業化プランのゴールはいまだ見えず、
時間が足らないとの嘆きばかりだ。明日は早朝か
ら大阪で1年ぶりで同級生と再会だが、ついでに
というわけにいかず、数回に分けて大阪の友達と
再会予定。
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【ホタルイカは海の宝石】
蛍烏賊(学名:Watasenia scintillans)は、ツツイカ目
ホタルイカモドキ科に属するイカの一種である。
世界にはホタルイカの仲間が40種類ほど生息して
いる。日本近海では日本海全域と太平洋側の一部
に分布し、普段は200~700mの深海に生息している。
晩春から初夏までが産卵期で、一回あたり数千個
の卵を産む。
触手の先にはそれぞれ3個の発光器がついており、
何かに触れると発光するため、敵を脅すものでは
ないかと考えられている。体表の海底側(腹側)
には細かい発光器があり、これは海底側にいる敵
が海面側にいるホタルイカを見ると、海面からの
光に溶け込み姿が見えなくなるカウンターシェイ
ディング効果の役割を果たしている。海面側から
海底に向かって見た場合はこの効果が働かないた
め、体表の海面側(背中側)には発光器はほとん
ど存在しない。
※「視力回復の研究ノート」
鬼頭勇二元大阪大学理学部教授は、ホタルイカの
高度な目に興味を持つようになる。牛などの哺乳
類よりもイカの目は高度なのだと。ホタルイカは
レンズを通って入ってくる光を受け取る部分が、
他のイカの3倍も大きい。さらに、普通のイカは、
(受光器)が一層なのに対し、ホタルイカは三層
構造になっている。この層の中に、青や緑を識別
するのに必要な視物質という細胞がある。ホタル
イカは海の色が識別できる。目で見た海の色に合
わせ発光体の光を調整している可能性が出てきた
のである。
静岡大学農学部で、ホタルイカと同じ発光遺伝子
群を使い、病原性大腸菌O-157だけを光らせこと
に成功した(露無静岡大学教授)。しかし、当の
ホタルイカについては謎が多い。足、体以外の第
三の発光器を持っているが、その発光器について
は解明されていない。
ホタルイカのサラダ 酢味噌がけ
古くから食用とされ、佃煮、酢味噌和え、沖漬け、
素干し、足だけを刺身にした竜宮そうめんなどが
ある。古くより食されてきた食材だが、地元では
決して生では食べなかった。また腐敗が非常に早
く進むため、近年までは地方への輸送は困難だっ
た。また近年では神秘的な発光を見られるホタル
イカ漁そのものを観光資源としている例もある。
ホタルイカが水揚げされる富山県の富山市から魚
津市にかけては、ホタルイカの群遊海面として有
名であり、ホタルイカは春の風物詩として知られ
ている。
富山湾の「ホタルイカ群遊海面」(常願寺川の河
口左岸から魚津港までの約15km、満潮時の沖合、
1260mまで)は国の特別天然記念物に指定されて
いる。滑川市にはホタルイカの様子を観察できる
「ほたるいかミュージアム」がある。滑川市出身
の女優室井滋はテレビでしばしばホタルイカ音頭
を披露している。昭和41年(1966年)7月1日に発
行された35円の普通切手の図案に採用された。波
によって浜に打ち寄せられることがあり、『ホタ
ルイカの身投げ』という。属名のWataseniaは1905
年に「ホタルイカ」を命名した明治期の生物学者
渡瀬庄三郎にちなんでつけられている。
視細胞に行き当たり、寿司のホタルイカ編はそっ
ちのけになった。視力回復についてはまた別のア
ドレスでじっくりと考えてみる。
螢烏賊さざ波恋ふかに身を投げる 大久保置箔
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