左に曲がって、ハイウェイを離れ、
坂を下っていく。いちばんさがった
ところで、また左に折れる。
終始、左方向に進む。道路はやがて
Y字路になる。これもまた左。
左手にクリークが見える。
そのまま進む。道が突きあたりになる直前に、
別の道が出てくる。この道に入らなくては
ならない。さもなければ、
君の人生はもう永遠に、取り返しが
つかない。左手には板ばり屋根の、
ログハウスがある。
でもそれは違う家。その隣の、
ちょいと高くなった土地に建っているのが、
目指す家。木々に果物がたわわに実っている
家だ。そこには夾竹桃やレンギョウや
マリゴールドが咲いている。戸口に立つ
おんなの髪には太陽が
光を与えている。彼女は
長いあいだ、ずうっと
待ち続けていたのだ。
君のことを愛する、その女。
彼女は君に声をかけてくれるのだ、
「ずいぶん遅かったじゃない」
Left off the highway and
down the hill. At the
bottom, hand another left.
Keep bearing left. The road
will make a Y. Left again.
There’s a creek on the left.
Keep going. Just before
the road ends, there’ll be
another road. Take it
and no other. Otherwise,
your life will be ruined
forever. There’s a log house
with a shake roof, on the left.
It’s not that house. It’s
the next house, just over
a rise. The house
where trees are laden with
fruit. Where phlox, forsythia
and marigold grow. It’s
the house where the woman
stands in the doorway
wearing sun in her hair. The one
who’s been waiting
all the time.
The woman who loves you.
The one who can say,
“ What’s kept you ? ”
レイモンド・カーヴァー“Waiting”
村上春樹 訳 『待つこと』
Pesce spada al salmoriglio
【イタリア版食いしん坊万歳:メカジキのサルモリーリォ・ソース】
すべての焼いた魚が、このサルモリーリオ・ソースを用いることによって格別の味に
仕上がる。このソースは味がはっきりしていて普通は熱を加えずに調理する。メカジ
キの場合は、このソースとの柑吐が他の魚よりもずばぬけてよい。そこでこのソース
とメカジキの料理の伝統的な作り方を紹介する。
材 料:メカジキの切り身 6枚、オリーブ油 200cc、ニンニク 2片、レモン
2~3個、オレガノ、パセリ、塩、コショウ
作り方:沸騰した湯を入れた大きい鍋に小形の鍋を浮かせ,鍋の取っ手を持って、
蒸気の熱だけで鍋を温める。そこにオリーブ油を入れるが、生温かい温度
に留めて、熱くさせないようにする。次にレモン汁を入れ、泡立て器で丁
寧にかき混ぜながらきれいな乳濁状になるよう仕上げる。そこに少しずつ
みじん切りにしたニンニクとオレガノ、そして最後にパセリのみじん切り
を加える。焼き網で魚を焼く。必要ならオリーブ油を少し塗り、胡椒をふ
りかける。よく焼けた頃を見計らい、皿にのせ、先のサルモリーリォ・ソ
ースを別添えにしてテーブルに出す。