極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

僕の引き出し

2012年10月09日 | 日々草々

 

 

 

    一日でいちばん素晴らしい時間
    涼しい夏の宵。
    開いた窓。
    燃える灯火。
    ボウルの中の果物。
    僕の肩に置かれた君の頭。
    それが、一日のうちでいちばん幸福な瞬間。
    それにも勝るのが、言うまでもなく、
    早朝の時間。それから昼ごはんの前の
    ちょっとしたひととき。
    それから午後だって、
    それから夕暮れの時間だってある。

    -けれども、僕はこういった
      
    夏の宵が大好きだ。
    あるいは、考えてみたら、どんな
    時間よりも、好きかもしれないな。
    一日の仕事は終わった。
    もう誰も、僕らに連絡を取ることはできない。
    あるいは、これからもずっと。

      Cool summer nights.
      Windows open.
      Lamps burning.
      Fruit in the bowl.
      And your head on my shoulder.
      These the happiest moments in the day.

      Next to the early morning hours,
      of course. And the time
      just before lunch.
      And the afternoon, and
      early evening hours.
      But I do love

      these summer nights.
      Even more, I think,
      than those other times.
      The work finished for the day.
      And no one who can reach us now.
      Or ever.


                 レイモンド・カーヴァー“The Best Time Of The Day   
                     村上春樹 訳『一日で一番素晴らしい時間』


 

 

  Sarde in tortiera con la cipolla

【イタリア版食いしん坊万歳:イワシのタルト焼き、タマネギ風味】

作り方:まずはじめに、熱いオリーブ油で薄切りにした多めの量のタマネギを加えて狐色
    に炒める(時には,薄切りにして鍋
に入れる前に湯通しすることもある)。白ワ
    インをふりかけ、これを
何度か繰り返したら、湯むきし、二つに切り開いて種を
    取り、さら
に薄く切った別のトマトを加える。何分か煮て、塩とコショウで味
    整える。かなり煮詰めてまとまったソースにしなければならない。

    火からおろし,このソースの中に洗って背開きにしたイワシを並べる。さらに、
    味を良くするためにすり潰したフェ
ンネル・シード、パン粉、塩、コショウを混
    ぜる。オリーブ油をも
う一度ふりかけオーブンで焼く。焼き上がった時、イワシ
    の上は見
事な黄金色で覆われているだろう。



 

サバとピーマンのピザ  Pizza con sgombri e peperoni

 

 

【僕の引き出し】

世間は失職と不況の季節だという。例えば、半導体や電機など、かつて日本経済を牽引し
た製造
業で国内工場の閉鎖や縮小が相次いでいる。円高や海外メーカーの台頭などの理由
から収益が
圧迫され、経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスとシャープだけ
でも国内の早期希
望退職者数は1万人規模に達するというニュースも流れている。資本が
冷徹なことを今更言って
もはじまらない。民間企業に勤めている限り「失業恐慌」に晒さ
れる民間とそれがない公務員と
のストレス度が極端に異なるのも常識だが、未組織労働者
は最悪だ。こんなことを二十歳代の企業
内労働組合運動でほぼ完璧に学んだ。お陰でマル
クスの『資本論』も曲がりなりにも眼を通してい
る。だからというか、そういったお陰で
ていうか現状分析には自信を持っている。


そうしたノウハウ(個人的知財)は、その時々に遭遇(邂逅)した、あるいは興味を持っ
たことを、自
分の心の引き出しに仕舞っておいて、暇を見つけ、その引き出しにためてお
いた知識・知財を一
旦解きほぐし、虫干ししてはまた仕舞っておくということを繰り返し
てきた。そのためか、人様からは
「一丁嚼み」とか「気違い」という風な言葉を投げつけ
られてきたが、考古学を13歳のころに身につ
けた、時間軸と多様性という鎧あるいは楯
が自然に身についているので「その程度か」と無言で聞
き流す癖が付いている。言いたい
のは、要するに、この不況の脱出方法は簡単だといいたいだけ
。それができないのは為
政(支配)層や経営層の怠慢であり、無知によるものだと確信しつつ、返す
刀で「自分を
信頼できなくてどうするというのだ」と叱咤激励している自分がいる。でも引き出しが多
すぎて、分裂症気味なことは避けられそうもない ^^;。


 

コメント
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