クラマス川近くで
僕ら、ドラム缶の火のまわりに立って
その包みこんでくれる純粋な熱気の中
からだを温める。
手やら顔やら。
僕ら、湯気立てるコーヒーカップを
両手で持って口に運び
飲む。でも僕ら、鮭
釣りの漁師である。そして今僕ら、雪の上で岩の上で
ばたばた足を踏み鳴らし、上流へ移動する。ゆっくりと
心、愛に溢れ、その静かなたまりへと向かう。
We stand around the burning oil drum
and we warm ourselves, our hands
and faces, in its pure lapping heat.
We raise steaming cups of coffee
to our lips and we drink it
with both hands. But we are salmon
fishermen. And now we stamp our feet
on the snow and rocks and move upstream,
slowly, full of love, toward the still pools.
レイモンド・カーヴァー “ Near Klamth ”
村上春樹 訳 『クラマス川近くで』
【イタリア版食いしん坊万歳:サーモンとヤマメの燻製】
川魚の燻製料理にどの国の下味をつけるか、どのような処理をするのか興味が湧くが、基本
形は野性溢れる燻製そのものを楽しみたいもの。クラマス川のサーモンを喰らうのも良し、
最上川の鮭でも良し、姉川のサクラマスも良し。使うチップは、ブナ、サクラ、ナラ、ヒッ
コリー(クルミの木)などが色つきも早く、魚介類には適している。自作の煉製器は心意気
の表現みたいなもの。でも、組み立てる前に木を十分に乾燥させないと、熱で木がそっくり
返ってしまい、再組立てはほとんど無理。あとはマキになるだけ、なんてことにならないよ
うにしたいもの。
サーモンの皮を下にして置き、やや斜めに切れ目を入れる。斜めに切れ目を入れるのはサーモ
ンの脂や水分を、切れ目に沿って下に落ちやすくするため。このときに皮を切ってしまわない
ように注意する。サーモンのかまの部分に、タコ糸を通す。チップを用意しておく。箱の中の
網はサーモンの落下防止の工夫だ。チップに点火し、十分に煙が出たら、サーモンを吊るす。
あとはじっくり待つ。
上のアルミ袋、市販のもの。袋が三重構造になっていて、その間に燻材がはさまれ、火にかけ
るといぶされる仕組みになっているスグレもの。但し、アルミの上に直接食材をおくよりも、
金網を使い、アルミと食材の間に隙間を作った方が、煽煙もよく回り仕上がりがよいという。
3枚におろしたサクラマスの身に塩を均等にふり、約1時間おく。ただし、尾に近い部分は身
が薄いので、塩はやや控えめに。1時間後、表面に出てきた水分を軽く洗い、水気をふき取る。
身の上にディルをせ、金網の上に置いてから、アルミ袋に入れ、グリルで約30分焼いて、出来
上がり。
昨日は終日、市民運動会の用具準備のしごとやテント設営と後仕舞いで、へろへろ状態で、治りかけ
ていた腰痛もぶり返し散々な目にあってしまった。前日の母親の緊急入院(様態は良くなって一安心)
などやなんやかやあり、慰労会の深酒も手伝い本日は閉店休業の予定。