『ジェットローラーコースター』
ROLLERCOASTER (1977年アメリカ)
監督 ジェームス・ゴールドストーン
脚本 リチャード・レビンソン
ウィリアム・リンク
出演 ジョージ・シーガル
ティモシー・ボトムス
リチャード・ウィドマーク
■ストーリー■
オーシャンビューパークの遊園地のローラーコースターに爆弾が仕掛られ爆発してしまう。検査員のハリーは調査に向かうのだが、犯人の若者は、違う遊園地に次の爆弾を仕掛け爆破してしまう。犯人は、ローラーコースターを人質に身代金を要求してくるのだった。
■感想■
ローラーコースターに爆弾をしかけた爆弾魔の若者と爆弾魔を追う捜査官のドラマです。
当時、大ブームだったパニック映画のブームに便乗するかのように“センサラウンドのパニック映画”!みたいな感じで宣伝されてました。
しかし、今作は、脚本、原案を担当しているのが、アメリカの傑作ミステリーTVシリーズ「刑事コロンボ」や、やはりミステリー映画の傑作のTVムービー『殺しのリハーサル』(1982年)の脚本、製作総指揮のリチャード・レビンソン、ウィリアム・リンクっていうだけで、ミステリー系の作品だってわかっちゃいますよネ!
今作はパニック映画というより、正統派のサスペンス映画でした!
主演はTV放映された地味なアクション映画『バンクーバー暗殺計画』(1975年)のジョージ・シーガル。
他の出演者は、リチャード・ウィドマーク、ヘンリー・フォンダ、ハリー・ガーディノ、スーザン・ストラスバーグ、ティモシー・ボトムズとやたら豪華です!
でも、豪華な出演者にも関わらず、今作って作品全体の印象が、超豪華なTVムービーって感じなんですよネ!まぁ、それはそれでアリなんですけどネ。
TVムービーって言ったって、1970年代のTVムービーの傑作の中には、へたな劇場映画より、よっぽど面白い作品がいくつもありますからね。
@KOBA的に好みのTVムービーと言えば、ざっと思いつくだけでも
先にあげた『殺しのリハーサル』はもちろんですけど、
■ダン・カーティス監督のオカルト『怪奇!戦慄の怪人』(1973年)
■レナード・ニモイ主演のミステリー調オカルト『ザ・オカルトハウス』(1972年)
■リチャード・マシスンが脚本のミステリー『恐怖のレストラン』(1973年)
この作品は、ジョナサン・モストウ監督の傑作サスペンス『ブレーキダウン』(1997年) に多大な影響を与えてると思うんですけどネ。
特に、『恐怖のレストラン』の前半部分のミステリーは最高にスリリングです!
■タイムトラベル物『SFタイムトラベルシカゴ大火に遭った男たち』(1976年)
原案がロッド・サーリングと思うと、普通のデキとも思っちゃいますけど、
好きなんです!
■シオドア・スタージョンの『殺人ブルドーザー』(1974年)
等々、もう一度見てみたい作品が、いくつもありますからネ!ほとんどの作品がオリジナルのランニングタイムが74分なんで、TVでの90分枠の映画枠ない今では、見れない作品なんでしょうけどネ。制作費が無いのをアイデアやストーリーでカバーしてました!
で、話題を『ジェットローラーコースター』に戻すと、70年代~80年前半くらいまでは、こういうこじんまりとした良質のサスペンス映画がけっこうあったような気もするんですけど、最近は、こういうこじんまりした作品が無くなっちゃったんですよネ。
まぁ、映画産業も巨大なビジネスだからしょうがないですけど、最近は万人向けの誰が見ても楽しめる!っていう作品が多すぎる気がするんですけど。で、そういう作品は見終わったら、どんな内容だったのか、すぐ忘れるような映画ってことが多いんじゃないかなぁ。
ところで、今作を見ると思い出すのが、同じくパニック映画として宣伝されましたけど、その実は、SWATの活躍を描くサスペンス映画の佳作だった『パニック・イン・スタジアム』(1976年)です!パニックシーンもありますけど、正統派警察物です!これも緊張感に満ちた映画でした。
またまた話題がそれちゃいましたけど、『ジェットローラーコースター』は、映画としては、良質の方だと思うんだけど、リチャード・レビンソン、ウィリアム・リンクの作品ってことを考えると、どうしても点数は辛めに! 50点
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警察の活躍を描くサスペンス『パニック・イン・スタジアム』
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キングレコード |