『ヒルズ・ハブ・アイズ2』
THE HILLS HAVE EYES 2(2007年アメリカ)
監督 マーティン・ワイズ
脚本 ウェス・クレイヴン
ジョナサン・クレイヴン
サム・マッカーディ
出演 マイケル・マクシミリアン
ジェシカ・ストループ
■ストーリー■
核の実験場だった16地区では、謎の殺人鬼たちによって殺人事件が起き、軍は掃討作戦を実行した。その後、軍は16地区に監視システムを置くことを決定し、その作業が進められていた。監視チームに荷物を届けるため、新兵のグループは16地区に向かうが、16地掃討作戦で生き残った殺人鬼たちが、監視システムを設置していた軍関係者を襲っていた。
■感想■
ウェス・クレイヴン監督の1977年の荒野を舞台にしたスラッシャームービー『サランドラ』のリメイク作品『ヒルズ・ハブ・アイズ』(2006年)のヒットを受けて作られた続編。
前作『ヒルズ・ハブ・アイズ』の監督がアレクサンドル・アジャ監督だったのに対して、今作は監督は日本では初お目見えのマーティン・ワイズにバトンタッチしてます。
今作は、アレクサンドル・アジャ監督の前作がかなり面白いホラー映画だっていうことが認識出来る作品になってます。
前作を観たときは、「『ヒルズ・ハブ・アイズ』は普通のスラッシャームービーレベル??」
って思いましたけど、こういう平凡なスラッシャームービーの続編を見せられると前作が「普通」どころか「かなり面白いコト」に気づかされます。
フレンチスプラッターの傑作『ハイテンション』(2003年)のアレクサンドル・アジャ監督が撮った『サランドラ』のリメイクだっていうことで、1作目は期待度が★★★★★だったため、普通の作品に思えちゃいました!
前作は期待が高すぎたために、初めて観たときは面白さが余り感じられませんでした。しかし、最初から期待度が低いのにも関わらず面白く感じられない今作を観ると、前作『ヒルズ・ハブ・アイズ』との差は歴然です!
前作は、殺人鬼に襲われるのが普通の家族でしたけど、今回は襲われる被害者が軍の新兵に代わってます。兵隊ですけど経験無しの新兵なんで、やられ放題です。実弾をあまり持ってないのが唯一緊張感を持たせるようなアイデアになってますけど、“軍の兵隊VS殺人鬼集団”っていうわりには全然盛り上がらないです。
どうせなら、実戦経験の無い新兵じゃなくて、ランボーや『リーサル・ウェポン』のメル・ギブソンがベトナム戦争時代に所属していたような特殊部隊とでも戦って欲しかったです。素手やナイフだけでも殺人鬼たちより、はるかに強そうですもんね。
今作は、騒いでる印象しかないような、まるっきり頼りない新兵たちが襲われるんで、あんまり緊張感が無いです。被害者が前作の家族の方が観てて面白く感じられました。
今作も特別につまらないワケじゃないんですけど、いかんせん『ヒルズ・ハブ・アイズ』の続編と思うと、かなり点数が低くなっちゃいます。今作が1980年代に作られたスラッシャームービーの1本だったら、それなりに評価されるんでしょうけど、わざわざ2007年に作られた作品と思うと、「なぜ、2007年の今、こんな作品??」って思っちゃいます。
襲われるのが一般人でなくて軍人っていう“軍隊VS殺人鬼集団”って発想自体は良かったと思うんですけどね。
その他にも
“殺し屋VS殺人鬼集団”
“武装した銀行強盗VS殺人鬼集団”
とか色んなパターンがあると思うんですけどね。
武装した犯罪者が吸血鬼集団と戦う『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(1996年)という変則的な作品がすでにありましたね。
こんな変則的なことを考えるのはクエンティン・タランティーノ監督みたいな、こういう映画が好きな監督だけなんでしょうかね??
30点
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前半と後半がまるっきり違う印象の作品
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』
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