<金曜は本の紹介>
「トラブル依頼人(麻田恭子)」の購入はコチラ
この「トラブル依頼人」という本は、法律事務所に勤める麻田恭子さんが、その体験した事件の中からいくつかを選び出して再構成し、当事者が明らかにならないように加工されたものです。
具体的には以下の内容で、どれも興味深く、世の中にはこんな人たちがいるんだ!ととても勉強になります。
・大学教授による助成金という名の奨学金?悪徳商法?
・相続人が多く、犬の生存が条件の相続
・高収入者同士の離婚
・多重債務者家族の手続きと鬱病
そのほか、裁判周辺の裁判官や、弁護士、依頼者の話、法律事務所の選択について書かれています。
とてもオススメな本です。
以下はこの本での裁判周辺のさまざまな人々や法律事務所の選択法などについてです。
・裁判官の多くは、目立つことや争うことをきらい、頭脳明晰だが控え目、いわゆる紳士タイプで、近寄りがたいほど高潔という印象があり、法服を着て法定に現れたりすると畏怖の念さえ感じかねないが、たまにはちがうタイプの裁判官に出会うこともある。裁判官のなかでは上限関係が非常にはっきりしており、裁判所内を歩く順序やエレベーターに乗る順序まで、うえの裁判官から一列に、というのが鉄則らしい。
・弁護士は、裁判官に比べていろいろなタイプの人がいるようだ。なかには、まるで王様のようにふんぞり返り、若い勤務弁護士にカバンを持たせ、弁護士以外の人間とは同等に口をききたくないとばかりに、「下に~、下に~」というオーラを発している弁護士もいる。しかし、若手弁護士は非常に気さくな人が多くなっているように感じる。
・依頼者こそ本当にさまざまな人がいる。事件に関わっているときに扱いにくいなあと感じた人との縁がずっと続くこともあるし、その逆もある。依頼された事件の種類によって、依頼者のタイプが似ていたりする。また、知人の紹介の場合、多くの依頼者は紹介者と社会的立場が同等だったり、価値観が似ていたり、なんらかの一致点を持っているようだ。必死に努力しても理解してもらえないこともあるし、心から感謝してもらえることもある。依頼者と表面だけではない信頼関係を築くことは重要だが、大変難しい。
・私たちの身の回りに起こったような困りごとは、立派すぎないたたずまいの、町医者に対比する意味でのマチ弁に依頼するのが、身のたけ、事件のたけに合っていると思う。
・少し話をしたぐらいで、価値観の一致を見極めるのは難しいと思うが、自分が抱えている心配事に関して包み隠さず話してみて、その処理方法をたずね、弁護士からの答えが違和感のないものであって、数ヶ月、ときには数年間にわたり、裁判終了までいやな気分にならず付き合っていける・・・・・、そう、「気が合う」と感じた弁護士に依頼をすれば間違いない。
・一つの事件をよりていねいに依頼者の納得が得られるように解決しようとすれば、法律事務所全員が一体となった大変なエネルギーと時間が必要であり、どれほど有能な弁護士であったとしても、一人の弁護士が引き受けられる事件数はかぎられている。引き受けられる事件数がかぎられており、それが市民感覚の範囲内の事件であれば、法律事務所が得る報酬は労力や時間に比してそれほど高額なわけではなく、法律事務所というのはそんなにもうかる商売ではない。だから、コマーシャルの費用をかけ、たくさんの困った人を集めて、どんな処理をすれば採算が取れるのか不思議でたまらない。依頼者は満足しているのだろうか?そんなわけで、コマーシャルをしているような法律事務所に、私の代理人として働いてもらうのはまっぴらゴメンだ。でも、これは私の思いこみかもしれない・・・・・。
・熟年弁護士と若い弁護士、年齢や経験が異なる最低二人の弁護士が在籍しているような法律事務所でないと安心できない。
<目次>
序文 仁木恒夫(大阪大学法学部)/加地修(赤坂溜池法律事務所)
はじめに
第1章 されど教授
Ⅰなんだかさっぱりわからない
Ⅱそれって助成金?
Ⅲ振り回された4日間
Ⅳ大学への訪問
Ⅴあと3日
Ⅵ消えた!
第2章 犬も美容整形?
Ⅰ大河内巌氏の死亡と相続開始
Ⅱ山下千代さん
Ⅲ相続人と法定相続分の確定
Ⅳ分割手続
Ⅴ千代さんの希望
Ⅵ相続財産に関する説明会とその結果
Ⅶあれっ、犬が・・・・・
第3章 ドンデン返し!
Ⅰそんな夫婦もいるんだ!
Ⅱあきさんが申し立てた離婚調停
Ⅲあきさん自身が試みた和解
Ⅳ今度は訴えられちゃった!
Ⅴえ~っ、まだ続くの!?
Ⅵ私って未亡人?
Ⅶ新たな結婚の形
第4章 弁護士の信念ってなあに?
Ⅰ兄と妹、ともに多重債務が・・・・・
Ⅱ買物依存症と鬱病
Ⅲ孝行息子
Ⅳ方針決定
Ⅴ兄も妹も手続開始
Ⅵ私の信念です
Ⅶ別の案件では
第5章 裁判周辺のさまざまな人々
Ⅰ裁判官
Ⅱ弁護士
Ⅲ依頼者
第6章 どんな法律事務所がいいのかしら?
Ⅰ事件のたけにあった法律事務所
Ⅱ価値観を共有でき、気が合う弁護士を選ぶ
Ⅲ居心地のよい法律事務所
Ⅳコマーシャルをしていない法律事務所
Ⅴ二世代の弁護士が在籍している事務所
Ⅵまとめ
おわりに
面白かった本まとめ(2011年上半期)
<今日の独り言>
Twitterをご覧ください!フォローをよろしくお願いします。
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この「トラブル依頼人」という本は、法律事務所に勤める麻田恭子さんが、その体験した事件の中からいくつかを選び出して再構成し、当事者が明らかにならないように加工されたものです。
具体的には以下の内容で、どれも興味深く、世の中にはこんな人たちがいるんだ!ととても勉強になります。
・大学教授による助成金という名の奨学金?悪徳商法?
・相続人が多く、犬の生存が条件の相続
・高収入者同士の離婚
・多重債務者家族の手続きと鬱病
そのほか、裁判周辺の裁判官や、弁護士、依頼者の話、法律事務所の選択について書かれています。
とてもオススメな本です。
以下はこの本での裁判周辺のさまざまな人々や法律事務所の選択法などについてです。
・裁判官の多くは、目立つことや争うことをきらい、頭脳明晰だが控え目、いわゆる紳士タイプで、近寄りがたいほど高潔という印象があり、法服を着て法定に現れたりすると畏怖の念さえ感じかねないが、たまにはちがうタイプの裁判官に出会うこともある。裁判官のなかでは上限関係が非常にはっきりしており、裁判所内を歩く順序やエレベーターに乗る順序まで、うえの裁判官から一列に、というのが鉄則らしい。
・弁護士は、裁判官に比べていろいろなタイプの人がいるようだ。なかには、まるで王様のようにふんぞり返り、若い勤務弁護士にカバンを持たせ、弁護士以外の人間とは同等に口をききたくないとばかりに、「下に~、下に~」というオーラを発している弁護士もいる。しかし、若手弁護士は非常に気さくな人が多くなっているように感じる。
・依頼者こそ本当にさまざまな人がいる。事件に関わっているときに扱いにくいなあと感じた人との縁がずっと続くこともあるし、その逆もある。依頼された事件の種類によって、依頼者のタイプが似ていたりする。また、知人の紹介の場合、多くの依頼者は紹介者と社会的立場が同等だったり、価値観が似ていたり、なんらかの一致点を持っているようだ。必死に努力しても理解してもらえないこともあるし、心から感謝してもらえることもある。依頼者と表面だけではない信頼関係を築くことは重要だが、大変難しい。
・私たちの身の回りに起こったような困りごとは、立派すぎないたたずまいの、町医者に対比する意味でのマチ弁に依頼するのが、身のたけ、事件のたけに合っていると思う。
・少し話をしたぐらいで、価値観の一致を見極めるのは難しいと思うが、自分が抱えている心配事に関して包み隠さず話してみて、その処理方法をたずね、弁護士からの答えが違和感のないものであって、数ヶ月、ときには数年間にわたり、裁判終了までいやな気分にならず付き合っていける・・・・・、そう、「気が合う」と感じた弁護士に依頼をすれば間違いない。
・一つの事件をよりていねいに依頼者の納得が得られるように解決しようとすれば、法律事務所全員が一体となった大変なエネルギーと時間が必要であり、どれほど有能な弁護士であったとしても、一人の弁護士が引き受けられる事件数はかぎられている。引き受けられる事件数がかぎられており、それが市民感覚の範囲内の事件であれば、法律事務所が得る報酬は労力や時間に比してそれほど高額なわけではなく、法律事務所というのはそんなにもうかる商売ではない。だから、コマーシャルの費用をかけ、たくさんの困った人を集めて、どんな処理をすれば採算が取れるのか不思議でたまらない。依頼者は満足しているのだろうか?そんなわけで、コマーシャルをしているような法律事務所に、私の代理人として働いてもらうのはまっぴらゴメンだ。でも、これは私の思いこみかもしれない・・・・・。
・熟年弁護士と若い弁護士、年齢や経験が異なる最低二人の弁護士が在籍しているような法律事務所でないと安心できない。
<目次>
序文 仁木恒夫(大阪大学法学部)/加地修(赤坂溜池法律事務所)
はじめに
第1章 されど教授
Ⅰなんだかさっぱりわからない
Ⅱそれって助成金?
Ⅲ振り回された4日間
Ⅳ大学への訪問
Ⅴあと3日
Ⅵ消えた!
第2章 犬も美容整形?
Ⅰ大河内巌氏の死亡と相続開始
Ⅱ山下千代さん
Ⅲ相続人と法定相続分の確定
Ⅳ分割手続
Ⅴ千代さんの希望
Ⅵ相続財産に関する説明会とその結果
Ⅶあれっ、犬が・・・・・
第3章 ドンデン返し!
Ⅰそんな夫婦もいるんだ!
Ⅱあきさんが申し立てた離婚調停
Ⅲあきさん自身が試みた和解
Ⅳ今度は訴えられちゃった!
Ⅴえ~っ、まだ続くの!?
Ⅵ私って未亡人?
Ⅶ新たな結婚の形
第4章 弁護士の信念ってなあに?
Ⅰ兄と妹、ともに多重債務が・・・・・
Ⅱ買物依存症と鬱病
Ⅲ孝行息子
Ⅳ方針決定
Ⅴ兄も妹も手続開始
Ⅵ私の信念です
Ⅶ別の案件では
第5章 裁判周辺のさまざまな人々
Ⅰ裁判官
Ⅱ弁護士
Ⅲ依頼者
第6章 どんな法律事務所がいいのかしら?
Ⅰ事件のたけにあった法律事務所
Ⅱ価値観を共有でき、気が合う弁護士を選ぶ
Ⅲ居心地のよい法律事務所
Ⅳコマーシャルをしていない法律事務所
Ⅴ二世代の弁護士が在籍している事務所
Ⅵまとめ
おわりに
面白かった本まとめ(2011年上半期)
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